父と僕の終わらない歌のレビュー・感想・評価
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アルジャーノンに花束を ではない
寺尾聰さんはすごい。可愛くてカッコイイ、こんな風に歳を重ねられたらって思う。この映画はそんなカッコイイ寺尾聰さんに浸る映画かな。横須賀の景色と歌が、よくマッチしてて素敵でした。
松坂桃李さん、松坂慶子さんも良かった。こんな暖かい家族の在り方に憧れる。そして、佐藤栞里さんもチャーミングだったなぁ。
シニアの観客が多かったです。いやほとんど。歳を重ね、認知機能が衰えると言うテーマが刺さる世代と言うことでしょうか。そしてそんな方々は、全盛期の寺尾聰さんに憧れた世代なのでしょう。
このお話は実話だそうですね。そして海外作品のリメイク。ただ、映画を見終わって思ったのは、「これ、アルツハイマーのお話じゃなきゃダメなの?」。
「アルジャーノンに花束を」あの切なさを思い出しながら、このテーマは難しいかもなぁと思いました。
Smile, son. Just smile.
これ、実話らしいです。
予告で観たときは親子愛で泣くかとおもいきや、
認知症の苦しみを思い知らされた。
家族や自身がいつなるかわからない病気。
本人は自覚ないんだし、周りは責めるに責められないし、
どう向き合えばよいのか、と胸が苦しくなった。
認知症2025年問題というものがあるそうです。映画の中でも出てきました。
団塊の世代が75歳以上となり、認知症の患者数は高齢者の5人に1人がなるとか。
主演の間宮哲太役を演じた寺尾聡さん、かっこいいよね~。
これぞ、イケじじ笑 歌唱シーンはさすがです。
息子雄太役は松坂桃李さん、こちらも負けじと熱演でした。
いろいろ苦しかったけど、やはり父から息子への
「Smile son. Just smile」
には親子の絆を感じた、こころに沁みた。
父に聞きたかったこと
横須賀のカラッとした、けれど潮風の湿り気が感じられる独特の風景をバックにして繰り広げられる父と息子のドラマ。
米軍基地があるためか、ちょっとアメリカナイズされた個性的で魅力的な町並みを、海辺の道を、父と息子を乗せたアメ車が縦横に走り回る様が爽快です。
認知症の進行につれて、息子が若かった頃に、そして少年だった頃に戻っていってしまう父の心を追って
なんとか「こちらがわ」に引き戻したいとの思いで
車内で愛する歌を気持ち良さげに歌う父の動画をSNSにアップしたことを発端に、バズると炎上の渦中に巻き込まれてゆく一家。
無責任なコメントに付和雷同するSNSの怖さがこの映画でも描かれています。
自分の生き方が父を傷つけていたかもしれないと悩む主人公は
それでもなんとか父が歌い続けられるように奮闘します。
失われてゆく父の記憶が残っているうちに聞いておきたいことを胸に秘めて。
しかし、松坂桃李は誰を演じても美しい…
そして松坂慶子のあの体型は衝撃でした。
時間が足りなかったのかも……
上映時間が短かったからなのか、ストーリーが駆け足気味で、特に認知症の描き方が雑に感じてしまいました。認知症の家族が亡くなるまでの数年間を自宅介護していたこともあり、間近で見ていたので……少々残念です。
高齢者は、見たほうがいい。
寺尾聰と松坂慶子
とっても素晴らしい作品です
認知症というのは家族にとって本当に切なく悲しい
病ですね あれほど明るく楽しかった家庭が父親の認知症の進行と共に涙の毎日に変わってしまう
それと共に理解してくれたはずだった父親の本当の気持ちにも疑問をもつようになってしまった
家族や周囲の苦しく悲しい気持ちがとても伝わってきました
この作品で改めて寺尾聰さんのミュージシャンとしての素晴らしさと松坂桃李さんの演技力の高さに感激しました 個人的には松坂慶子さん推しで松坂慶子さんの優しさと女性らしさのある力強い演技が何より好きで今回も期待していましたが 日本を誇る名女優の演技は充分過ぎるほど期待を上回る素晴らしいものでした 本当に素晴らしい作品を鑑賞することが出来て幸せでした 感動しました
重い設定でありながら癒しの作品
“ちはやふる”を含め 小泉徳宏作品は監督としてのセンスを感じられ、俺的に非常に注目している監督。作品数は多くないため本作も公開を楽しみにしていた。
【物語】
いくつになっても陽気で音楽好きの間宮哲太(寺尾聰)は町の人気者。横須賀で長い間楽器店を営んで来た。東京でイラストレーターとして働く息子の雄太(松坂桃李)が幼馴染みの結婚式のために久しぶりに実家に帰って来る。哲太、雄太、母親律子(松坂慶子)揃って出席した結婚式は家族にとっても楽しいものとなったが、帰り道で雄太は哲太の異変に気付く。
哲太はアルツハイマー型認知症の初期と診断される。 徐々に症状が進行する哲太を観て、雄太は父親のためにできることを考える。若い時プロのミュージシャンになることを夢見ていた哲太には歌が生きる支えになると考えた雄太は、昔から哲太を知る町の仲間たちにも協力を求めて動きだす。
【感想】
これまで観て来た小泉作品は若者を主人公とした青春もの的作品だったが、今作はアルツハイマーに襲われた老人を中心にした物語であるので、だいぶ趣が違う。それでも、期待を裏切らない心揺さぶられる作品だった。
医学が進歩して平均寿命大幅に延びたがために、認知症を患う確率が今は昔より格段に上がっているのではなかろうか。自分も老人の域に片足、いや両足?を突っ込んでおり、めっきり記憶力が衰えていることを実感している昨今なので、他人ごととは思えない。 いつか自分も家族に迷惑をかけるかも知れないと考えると怖い。 そうなったとき、哲太のように周囲の人に支えられたら幸せだろうなと思った。 アルツハイマーという大変な境遇に陥った老人の話でありながら、そんな安らぎを感じられる作品。
ただ、哲太のように支えてもらえるためには、きっとそれ以前に哲太が周囲の人に多くの幸せを与えて来た結果だろうと考えると、自分は無理だな(笑)
哲太を演じる寺尾聡。俺の世代では、寺尾聡の歌と言えば“ルビーの指輪”だ。当時から、彼の歌を上手いと思ったことはないが、雰囲気はあると思う。そこが役者の凄いところかも知れない。本作でも、自称“横須賀のスター”が、楽しそうに、嬉しそうに、口ずさむ歌は作品にとても良くマッチしていて良かった。 演技ももちろんベテランの味。
松坂桃李も最近ではすっかり演技派。本作でも父親への失意、反目を乗り越え、父親の幸せを願う息子の心情を自然に演じ、クライマックスでは胸打たれた。
その他の役者でも、松坂慶子、佐藤栞里の優しい空気が心地よかった。
現実にはこう上手くはいかないのだと思うけれど、今後益々進行する高齢化社会で「こう生きられたらいいな」という希望を抱かせてくれる作品でした。
忘れていくこと
認知症の家族が大変なことは、当事者なのでよく分かります。奥さんと息子のご苦労が伝わり、中盤は涙が溢れました。
終盤は…松坂桃李さん、寺尾聰さんの演技は素晴らしかったのですが…涙を誘うための嘘っぽい演出のように思え、一瞬で冷めてしまいました。アルツハイマーは、脳の記憶素子がじわじわと破壊されていくような病気。ラストのような症状の急変はあり得ないような気がして…私の理解不足でしたら申し訳ありません。
2006「明日の記憶」を配信で観たときは衝撃で、リアリティがあり、大変参考になりました。
ただ、嘆いてばかりいないで、やりたいことをできるだけやらせて、行きたいところにできるだけ連れて行ってやりたい。
悲しい時でも辛い時でも笑顔でさえいれば乗り越えられる。「Smile」は良い選曲です。
寺尾聡さんの歌声で
個人的には、寺尾聡さんの歌声が聞けただけで良し!というところです。
「ルビーの指輪」ぐらいしか知らないのですが、あの歌声、声の感じが心をザワザワさせて大好きなんです。寺尾さんに限らず、ああいう感じの歌声が好きなんです。
原作は、イギリスのサイモン・マクダーモットの「The Songminute Man」、著者サイモンの父とテッド・マクダーモットとの実体験・実話だそうで、それを日本・横須賀に舞台をかえて映画化した。
原作を読んでいなくてノベライズ?小説版?(三嶋龍朗著)も読んでいないので、映画からの印象だけれど、日本で舞台にするとすれば、横須賀か沖縄かと思えた。異国感のある街並みと言えば、その辺りになるのかな。長崎や神戸、横浜にも異国感はあるけれど、雰囲気が違う気がする。
本編から離れるけれど、松坂慶子さんについて。
松坂慶子さんというより、昔でいう映画会社の看板女優というのは、なかなかむつかしいかなぁって思った。むつかしいというのは、役柄が似てきているような気がする程度の意味。
他の映画会社の看板女優でも似たようなことが言えると思う。自分のオンタイムと言えば、倍賞姉妹、松坂慶子、坂口良子、薬師丸ひろ子くらいだろうか。故人もいるけれど。
看板女優って、基本的にヒロインで、憧れの的で、理想的な感じ。悪い役が回ってくることはまずないと思う。倍賞美津子が場末の女ぐらいは演じるけれど悪い人ではない。
年を重ねて看板女優もおばあちゃん世代になった。そこでも看板女優は、ヒロインで憧れの的で理想的である。
今回の松坂慶子もそうだった。それはある意味、古い女性像なのだろうけれど、優しく明るく理解があり我慢強い、間宮哲太(寺尾聡)を支える妻・律子である。基本、好感を持つキャラになる。
看板女優っていう言葉も死語に近いモノになった感があるけれど、さすがにヒロインが定着した女優に悪い役をつけるわけにもいかないだろうし、そもそも観客・視聴者も納得がいかないだろう。
悪い役だけでなく、例えば、今回の寺尾聡が演じたアルツハイマーになる役を看板女優にさせることができるのだろうか。
「PLAN75 」の倍賞千恵子も取り乱したりしないで淡々と受け入れていた気がする。
看板女優の担いだ看板というのは、役者にとっても製作側にとっても、意外と重いものなのかもしれない。
余談ではあるけれど、アニメ「機動戦士ガンダム」の映画化の際に、アムロの母親役に倍賞千恵子が起用されたが、それは松竹からの依頼(条件?)によるもので、まだ評価の低いアニメを、ましてやテレビの編集版を、大きく映画館にかけるための箔づけだったいわれている。
椅子からなかなか立ち上がれない感動
2025年映画館鑑賞52作品目
6月1日(日)イオンシネマ新利府
ファーストデイ1100円
監督と脚本は『ちはやふる』三部作『線は、僕を描く』の小泉徳宏
脚本は『シティーハンター(2024)』の三嶋龍朗
イギリスの実話を元にしている
映画の舞台は横須賀
オールロケ横須賀
粗筋
幼馴染の結婚式に出席するため吉祥寺から地元の横須賀に戻ってきたイラストレーター間宮雄太
駅に迎えに来るはずの父がなかなか来ない
父はアルツハイマーの初期だった
父は免許を返納し息子はしばらく実家に住むことに
イラストの仕事をしつつ楽器店を営む両親の手伝いを始めた雄太は父の代わりに店の車を運転し助手席に父を乗せて配達業
ついでにジャズのカセットテープを車内で流しながら歌う親子
その動画がバズったわけだが
悪意あるのはSNSのみ
仮にステマだとして何が悪いのか全く理解できないし共感する気にもなれない
少なくとも自分は何一つ損していない
父の暴言は本音なのかよくわからない
寺尾聰の歌唱力が生命線
勿論演技力もある
父親も俳優で宇野重吉というそっくりさんだと知るレビュアーも少ないかもしれない
テレビのインタビュアーに答える雄太
イラストレーターだがテレビ慣れしているわけではなくそれを表現した芝居をしている気がする
自分は松坂桃李を買い被りしすぎだろうか
横須賀にはアメ車がよく似合う
笑いあり涙あり娯楽映画
本当に素晴らしい映画はスタオベできない
エンドロールが終わったあとでも暫く立ち上がることができない感動
自分は映画の途中でトイレに行かないが終わるとトイレにいきたくなるので両脇がいつまでも座っているとまたがないといけないので多少迷惑な気持ちにはなるがこればかりは仕方がない
歩けるようになるべく足を引っ込めて欲しいものだ
配役
アルツハイマーを発症する楽器店の店長で自称横須賀のスターの間宮哲太に寺尾聰
哲太の息子でゲイのイラストレーターの間宮雄太に松坂桃李
哲太の幼少期に牛山陽太
哲太の妻で川柳が好きな間宮律子に松坂慶子
雄太の幼馴染でバーを経営している志賀聡美に佐藤栞里
結婚したばかりの聡美の夫で妻の店の手伝いをしているダニエルに副島淳
高齢者福祉施設の主任に田所に大島美幸
間宮哲太のデビューを持ちかけるレコード会社の海野由梨に齋藤飛鳥
雄太のパートナーで暗めの曲を作りがちなミュージシャンの亮一にディーン・フジオカ
哲太の幼馴染でスカジャン屋を営む藤岡治に三宅裕司
哲太の幼馴染で喫茶店を経営している門松大介に石倉三郎
あっさり本人にアルツハイマーだと告げる哲太の主治医の山下に佐藤浩市
レコード会社の社員に長尾卓磨
楽器店にギターの修理を依頼した女子高生に小林桃子
介護士の飯島に坂井友秋
看護師に田中シェン
結婚式の司会に宮崎香子
テレビのインタビュアーに増田美香
ギターに岡田士郎
ギターにIchiro
キーボードに松山文哉
キーボードに菅野大地
パーカッションに菊池信一
ドラムに岸田春男
父と僕の終わらない歌
今も余韻に浸っています
父が認知症になり、不規則な勤務時間の中、朝でも昼でも夜でもおかまいなく病院へ連れて行けという要求
今は母が認知症で施設にいます
もう子供の名前なんてわからない
間宮家のキズナ、父の母のそして息子の思い
父の自分に向けた気持ちを知った時の息子の表情
そこに流れる音楽🎵
寺尾聰さんの声のトーン
胸に沁みました
誰が見ても沁みます
何度でも私は観たい作品です
上映時間…
音楽ノチカラは支える家族の支え
エンターテイメントになっている
全93件中、1~20件目を表示