「寺尾聡リサイタル映画」父と僕の終わらない歌 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
寺尾聡リサイタル映画
生まれて初めて買ったレコードは寺尾聡の「Reflections」だったし、初めて行ったコンサート(確か代々木の体育館だったかな)も寺尾聡だった私としては、必見の作品でした。というか、先週観た「金子差入店」に続き、2週連続で寺尾聡出演作品が公開されるとは、今月は何と素晴らしい月なんでしょう!
しかも本作は主演ということで、いやが上にもアゲアゲな気分で観に行った訳ですが、映画が始まってさらに驚くべきことが。認知症になってしまった父(寺尾聡)と息子(松坂桃李)の物語とだけ認識していたところ、何と本作の舞台は我が生誕の地である横須賀ではありませんか!しかも良く知った場所であるドブ板通りが舞台となっていたので、内容云々の前に、出演者と話の舞台で大満足出来る作品でした。
内容ですが、アルツハイマーと診断された父・哲太が、長年の夢だったレコードデビューを目指すというお話でした。親の認知症という点で、個人的に似たらしき環境にあることから、非常に共鳴できる部分のありました。元気な頃の姿とは変わってしまった親を前にして、どう対応したらいいのか、今後どうしていくべきなのかと平生暗い気持ちになることがありますが、そんな気持ちを前向きにさせてくれたことを感謝したいと思います。また、全編に渡って寺尾聡の歌が流れていたと言っても過言でなく、いわば寺尾聡リサイタル作品だったことも大満足でした。しかしこの老成した歌の心地いいことと言ったらないですね~♪
寺尾聡の話に終始してしまいましたが、息子役・雄太の松坂桃李も上手かったし、雄太のパートナー役のディーンフジオカがチョイ役で登場したところも贅沢でした。
そんな訳で、いろいろな観点から大満足の作品だった本作の評価は、★4.6とします。
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