「真実を覆い隠すには」コメント部隊 レントさんの映画レビュー(感想・評価)
真実を覆い隠すには
盗まれたくないダイヤを隠すには周りに似たような偽物のダイヤを並べておけばいい。どれが本物か見分けがつかなくなるからだ。
真実を覆い隠すには真実らしい噓を並べておけばどれが真実かわからなくなる。
ネット上で日々飛び交うデマや陰謀論。それを無防備に信じてしまう人々、さすがにこれだけネットに嘘や陰謀論がまかり通っていると人々は学習する、また陰謀論かと。
デマや陰謀論が日々流されるネットでは何が真実かわからなくなる。狼が来たと嘘をつき続けられたら、ほんとに狼が現れた時それを聞かされても誰も信じようとはしない。
いまやデマや陰謀論による世論操作の上を行くものが現れても何ら不思議ではない。不都合な真実を暴露されそうになればあえてその情報を流出させ世間に陰謀論と信じ込ませればいい。それで真実を覆い隠すことができる。
本作は開始早々にして観客は騙される、そして作品が終わった後も何が真実だったのか宙ぶらりんにされたままで終わる。これはまさにいまのネット社会でまことしやかに流される事実かどうかもわからない情報に翻弄される人々を描いている。
本作はいまのSNS社会を風刺したサスペンスドラマとしてかなりな傑作である。と同時にあらためてネット上の情報を鵜呑みにしてはならないと思い知らされた。評価が不当に低いので星0.5高めにつけた。
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