「素晴らしき人生讃歌!」ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今 natsukiさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしき人生讃歌!
シリーズのファンはもちろん、本作がたとえ初見の方でもグッとくる傑作だと思う。
これまで様々な魅力的な男性と紆余曲折あったブリジットが、大切な人を失った後の人生をどう歩むのか?
ラブコメディであり、家族の物語であり、人間の本質的な幸せにフォーカスした人間ドラマ。
ブリジットってなんであんなにも愛らしくチャーミングなんだろう。
見ているだけで元気がもらえて、彼女の悲喜こもごもを自分ごとのように見守って、一緒に笑って泣いて、彼女の物語を見届けた後、なんだかちょっと前向きになれる。
本作もシリーズのこの魅力を失うことなく、むしろさらにパワーアップして帰ってきた!という感じ。
本作はブリジットがこの年齢になったからこそ描ける物語で、マークが亡くなってしまったことは本当に悲しいし残念、彼がブリジットの隣にいた4作目を観たかった気持ちもゼロではない。が、彼とブリジットのこれまでの愛や思い出は消えることなく、むしろそれを丁寧に丁寧に描いてもいたので、コリンファース演じるマーク・ダーシーの出演シーンはほんの数分にもかかわらず、全編通して彼の存在を感じるようなあたたかい作りになっていた。
また、新しいナイスガイであるロクスターがあまりにも記号的なキャラクターだったりと気になる部分がゼロというわけではないが、本シリーズおなじみのイケメンとのドキドキシーンも微笑ましかったし、ロクスターとの時間を過ごして傷ついた後、ブリジットがあの別れを告げた時にグッと作品に深みが増した印象もあった。
ブリジットが最後誰を選ぶとかは個人的にはあんまり重要じゃなくて、彼女が大切な人を失った後、どうやってまた新たな人生を選び歩んでいくのか、そしてその時の彼女が心から幸せであってほしい、ただそれだけだった。
若かりし頃のブリジットのお茶目ではちゃめちゃな日々も好きだったけど、色んな失敗をして、たくさん挑戦して、様々な人と出会ってきた今のブリジットの日々がサブタイトルにあるとおり「サイテー最高」でこれぞ人生という感じで、「あぁ、彼女の物語をここまで描いてくれて本当にありがとう」という気持ちであふれた。
ビリーの歌をブリジットが聞くシーンと最後の大晦日のパーティーのシーンは、ほんっとに多幸感にあふれていて最高だった。
とにかく最初から最後まで、笑って泣いて、笑って泣いて…すごく忙しかった(笑)
シリーズを通して出演してきたキャラクターみんな大切にしてくれてありがとうだし、ヒュー・グラント演じるダニエルを最後まで愛すべき“懲りない男”として描いてくれてありがとう、マークのあの愛溢れる瞳を見せてくれてありがとう、ブリジット・ジョーンズの物語を続けてくれてありがとう。
何度も何度も観たくなる素晴らしい映画でした!!!
