スーパーマンのレビュー・感想・評価
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いい時のMCUと同じようなことをしてどうすんの?
作品単体としては良かったです。
でも、DCですよ。MCUと同じようフォーマットでシリーズもの作ってる感しかない。
いくつかのDCEU映画では、同じスーパーヒーローものであってもMCUと明確に差別化して見応えがありました。(劇場版の「ジャスティス・リーグ」はトリプル・ペケの映画でしたが…)
ある意味J・ガン氏の色が濃すぎてしまって「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の様になってしまった。次のM・リーブスの「バットマン」の次回作に期待したい。
看板に偽り(少し)あり
Mr.Terrificが強すぎる。キャラとしての個性が強く、途中で出しゃばるシーンで「こいつ死ぬんじゃないか」と思ったがしっかり無双。GotG無印のYonduを見ているようだった。タイトル、というかサブタイトルにでも「Justice Gang」を入れた方が良かったのでは、と考えたが一つの意外性として良い。惜しむべくは、スーパーマン本人の最終決戦がクローンのウルトラマンとの闘いで終わってしまったこと。彼の力でひっくり返すところも見たかったのでほんの少し減点。それにしても良かった。リスを助けるシーンから、人間に限らずどんな小さな命も救う彼の姿勢を感じられたし、新しいヒーロー像のスーパーマンが上手く表現されていたと思う。ガン監督がクロスオーバーを描くのが楽しみで仕方ない。
令和のスーパーマンはエゴサーチして凹む今どきの方
人々を守るヒーローのスーパーマンは、
普段は新聞記者クラーク・ケントとして働き、
その正体を隠している。
ピンチに颯爽と駆け付け、超人的な力で人々を救うスーパーマンの姿は、
誰もが憧れを抱くものだった。
しかし、時に国境をも越えて行われるヒーロー活動は、
次第に問題視されるようになる。
恋人でありスーパーマンの正体を知るロイス・レインからも、
その活動の是非を問われたスーパーマンは、
「人々を救う」という使命に対して心が揺らぎはじめる。
一方、スーパーマンを世界にとって脅威とみなす天才科学者で大富豪の
レックス・ルーサーは、世界を巻き込む巨大な計画を密かに進行。
やがて、ルーサーと彼の手下である超巨大生物KAIJUが
スーパーマンの前に立ちはだかる。
世界中から非難され、戦いの中で傷つきながらも、
スーパーマンは再び立ち上がっていく。
といったあらすじ。
子供のころに見たスーパーマン、たぶん40年以上経っている笑
サブタイトルもないし、リメイクかと思いきや、令和版スーパーマン。
普段は新聞記者、という設定は一緒だけど、SNSで叩かれ、心が揺らぎ、
まさにいまどきの若者でした笑
これが現代だよな、何が正しいのかわからない、多様性の一言で
片づけてよいのか、と思ってしまいました笑
それにしても、スーパードッグ、クリプト。
こいつ、頭がいいのか、悪いのか、よくわからん犬だな、と思っていたら、
飼い主=スーパーウーマンに似たのか笑
ラスボスは、イーロン・マスクがモデルか?笑
憎たらしい笑
そう言えばパーマン2号はチンパンジーだったよなとふと思い出したスーパーマン初心者によるレビュー
実は私、スーパーマン映画を劇場で観るのはこれが初めてのスーパーマン初心者です。子供の頃にTVで見た、黒ぶちのメガネをかけた男が公衆電話ボックスでメガネをはずしてスーパーマンに変身するというTVシリーズのシーンがかすかに記憶に残っているぐらい。バットマンのほうはおそらくはティム•バートンやクリストファー•ノーランのおかげでかなり観てきているんですけどね。ペンギンやジョーカーに代表されるヴィランの個性やダーク•ファンタジー風味から大人の鑑賞に耐え得る(というか、大人向き)と考えられるバットマンと違って、スーパーマンはあのコスチュームもあいまってなんだか子供向きと思って敬遠しておりました。
そんな初心者が観た今回のスーパーマン、なんだか当世風でけっこう楽しめました。正義の味方の重要な条件「強きをくじき弱きを助ける」を実践していて、なおかつ、本人もそんなには強くないところがいい。彼は基本的に人命優先で利他的に行動します。あと、スーパー犬 クリプトの暴れっぷりはなかなかよかったです。
でもやっぱり初心者にはわからないところもありました。あの助けに来た人たちは誰? とか、思っています。皆さんのレビューを読んでちょっとなじんでゆこうかな。
あと、スーパーマンて異星人なんですね。今回はそのことが移民のメタファーのように使われています。スーパーマンが地球にいるのは侵略が目的ではなく地球人と共生することだというメッセージは受け取ることができました。
なんとなく続篇を匂わせるような終わり方をしていましたが、続篇が出てきたら、観に行きたい思わせるには十分のデキだとは思いました。
こんな程度かと思わせた作品だった。
私が子供だった頃(小学校低学年)、テレビ映画シリーズの「スーパーマン」を見て育った。1960年代の始め。のちにスーパーマンの原作が漫画だと知ったが、私にとっては、主演のジョージ・リーブスがスーパーマンだった。
後年、クリストファー・リーブ主演で映画化された時、嬉しくてたまらず、1日に2回も観てしまった。50年前の映画館は席の入れ替えがなく、何度でも観れた。
スーパーマンはそれから何度か映画化されている。割りと観ている方だと思うが、関心は年々薄れている。
もともと漫画で人間界で超能力を持ったらどうなるか、という滑稽無稽な物語がスクリーンに展開してゆく。CG技術を駆使して何でも映像化出来てしまう。高層ビル群が破壊されていくのを見ても、何の感慨も起こらない。スーパーマンに感情移入出来ない。
レックス・ルーサーはスーパーマン以上に超人だ。異次元まで操ることが出来、話についていけない。破壊や戦闘場面を除外したスーパーマンの内面を取り扱う映画が作られるべきだろう。スーパーマンの本当の敵は誰か。たぶん、神か己自身だろう。クローンではなく。そんな映画が製作されても良いと思う。だか、客は入らない。鑑賞後、そんな事を考えていた。
典型的で薄味
うーんと言ったところ。
面白いかと聞かれると面白いと答えますが、人に勧める気にはならないかな。
中盤から終盤にかけてどんでん返し的なものがるのかと思いましたが、何もありませんでしたし。
あとディープキスが長い笑、
典型的だ近年見られるアメコミ映画って感じたと思います。
キャラはSFチックでかっこいいのですが、肝心のストーリーの単調さが評価を下げているも思います。
「正義」とは?「ヒーロー」とは?
ジェームズ・ガン版『スーパーマン』、最高だったなー。
こんなに真っ直ぐで、純粋なヒーロー映画は久々。
ちょっと角度は違うけど、サム・ライミ版『スパイダーマン1』を観たときの感覚に近い。
これこそ、王道ヒーローの再定義。
小難しい理屈じゃなく、「ヒーローってこういうもんだよ」って胸を張って教えてくれる感じ。
だからこそ、今を生きる現代っ子たちにこそ観てほしい。
人を救うことを第一に考える戦闘スタイルが、とにかくシンプルにカッコいい。
…まあ、今作の“推し”はグリーン・ランタンなんですけどね!
こういうキャラをずっと待ってた!
キャラで言えば、
これまでのDCコミック映画ってヴィランがあまり魅力的じゃない印象だったんだけど、
今回のニコラス・ホルト演じるルーサーは「言動がわかりやすい頭の良いクソ野郎」で良かった。
戦闘能力ゼロなのにスーパーマンとやり合う胆力。あれはもう感心レベル。
※ちなみに、DCヴィランで別格なのはダークナイトのジョーカー。ホアキンのジョーカーも近い。あとマーゴット版ハーレイ・クインもわりと好き。
戦闘シーンがもう少し多ければ…という欲はあるけど、
「これぞハリウッド大作だ!」と言いたくなるような、アクションの作り込みは本当に良かった。
やっぱ王道ハリウッド映画って、良いなあ。
没入感はあるんだが…
ストーリーがシンプルなのは仕方ないとして、ラスボスは自分自身で、倒し方はブラックホールに吸い込ませるって…何十年前のネタ?
敵役のアイデンティティをもっと深堀りしてもよかつた気もします。
地球外生命に地球を守られること自体に憤りを感じているのかと思っていたのに、単なる嫉妬で終わってしまうとは。
テーマ曲を遠慮せずに使用してほしかった。
「マン・オブ・スティール」から始まった
DCエクステンデッド・ユニバース
をずっと追いかけていた観客としては、
強制終了的な戦略をよいと思っていない事と
予告映像に登場した犬にそれほどワクワクしなかったので
あまり期待せず、
「スーパーマン」吹替版を鑑賞。
以下ネタバレ
ジャスティスギャングというメタヒューマンチームがいる設定と
ジャスティスギャングのアクションは
予想外の展開だつたため
面白く鑑賞でき、
昼間のビル街で巨大怪獣の暴れる様子を描いている作劇は
好感がもてました。
しかし
「スーパーマン」の
もう知っている設定の説明シーンは退屈だったことと、
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズや
「ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結」
と比べると、
それほど面白い映画でもないなと思いました。
ジョン・ウィリアムズのテーマ曲を
もっと堂々と使用し、
「シン・ゴジラ」や「ジークアクス」のように
オリジナル音源を遠慮なしで使っていれば
もっとテンションあがったかも・・と思いました。
「マン・オブ・スティール」の
実写版ドラゴンボール風な戦闘シーンを見ていなければ
今回の「スーパーマン」を
素直に楽しめ・・た・・かも・・と思いました。
そのほか
何回か見たことがあるようなシーンの
庭先で父親がスーパーマンに語りかける声が
ささきいさお氏だったので
声質が感慨深く、
説得力ある声だなと思いました。
ドナーだ!スナイダーだ!いや、ジェームズ・ガンだ!! 現代社会を鋭く風刺したシン・DCユニバース第1作。
DCコミックスのスーパーヒーローが一堂に会するアメコミアクション映画「DCユニバース(DCU)」の劇場版第1作。
大都会メトロポリスを拠点に、地球の平和を守るために奮闘するヒーロー、「スーパーマン」は惑星クリプトンの遺児として地球にやって来た異星人で、超人的なパワーを有している。
ある時、東欧の国家ボラビアが隣国ジャルハンプルへの侵攻を開始。スーパーマンは住民の虐殺を防ぐためそれに介入するのだが、その行いがアメリカ国内で予期せぬ反発を生み出してしまう…。
監督/脚本/製作はジェームズ・ガン。
打倒スーパーマンに執着するテック・ビリオネア、レックス・ルーサーを演じるのは『X-MEN』シリーズや『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のニコラス・ホルト。
クラーク・ケント/スーパーマンの実父、ジョー=エルを演じるのは『ハングオーバー!』シリーズや「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」のブラッドリー・クーパー。
空を見ろ!鳥だ!飛行機だ!いや、スーパーマンだ!!
…という事で、新生『スーパーマン』であります。一体何度目の実写化なのかわからない程、何度も何度も擦られ続ける永遠の鉄板ネタ、いや“ネタ・オブ・スティール“、それがスーパーマン。作品を観た事がなくとも、その名前を知らない人は流石にいないだろう。大ネタ中の大ネタっすね。
本作はザック・スナイダー版『スーパーマン』こと『マン・オブ・スティール』(2013)に端を発する一連のシリーズ、所謂「DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)」に属する1作…ではない。
興行的不振やメインキャストの不祥事などでグズグズになってしまったシリーズを立て直すべく、キャストや世界観を一新して作り直されたリブート版「DCユニバース(DCU)」の記念すべき第1作なのである(正確には配信アニメ『クリーチャー・コマンドーズ』(2024)が1作目にあたるらしいのだが、こんなん観ている人殆どいないよね)。
ただ、このユニバースって正直言ってまだよくわかっていなくって、本作にもチラッと登場しているアンチヒーロー、ピースメイカーは改編前の「DCEU」から存在しているキャラクターで、ジョン・シナが引き続き演じている。彼が主人公を務めるドラマ『ピースメイカー』(2022)は現在シーズン2の公開が控えているが、調べた所によるとこのドラマのシーズン1は「DCEU」に、シーズン2は「DCU」に属する事になるらしい。もう何が何やらさっぱりや…😵💫
正直な所、今後の方向性や前シリーズとの関係性などは製作陣もまだはっきりとは決めかねているのだと思う。過去作との関連とか難しい事は考えず、とりあえずしばらくは目の前に供されたものを素直に楽しむのが吉か。
本作の指揮を執るのはDCEU第10作『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)の監督、ジェームズ・ガンちゃん。過去のTwitterを掘り返された結果ディズニーから追い出された彼は、ライバル会社であるワーナーへと移籍。あれよあれよと言う間にワーナーの子会社「DCスタジオ」の共同会長兼共同CEOという地位にまで登り詰める。そうして全ての指揮権を掌握した彼が打倒MCUを誓って(いるのかどうかは知らんが)制作しているのがこの『スーパーマン』、ひいてはDCUというフランチャイズな訳です。
ザック・スナイダーとは真逆と言って良いほど、2人の作家性は違う。重厚でダークでシリアスな作劇を望むザック。それに対してガンちゃんは軽快でポップでコメディな作劇を好む。2人の嗜好の違いはカラーグレーディングにも表れており、ザック版スーパーマンは「グレー」、ガン版スーパーマンは「レインボー」と言った具合に、画面の色調が大きく異なっている。
「暗」のザックと「明」のガンちゃん。繰り返すがこれは単に作家性の違いであり、どちらが良いとか悪いとか、そういう話ではない。ただ、『スーパーマン』というライトサイドの極致の様な存在を扱う映画である以上、やはり「明」の方が作品のカラーとして適切だと言わざるを得ない。同じコミック映画でも『300〈スリーハンドレッド〉』(2006)の様な血みどろな作品なら「暗」で良いんだけどね。
前任者ザックの亡霊を振り払うが如く、本作ではDCEU時代のスーパーマン像からの脱却を徹底的に行っている。「敵を倒す」ことよりもまずは「人(リス)命救助」、「自分の悩み」よりも「世界平和」を優先、「超越者」である以前に「人間」など、前作との対比は隅々にまで及んでいる。
一方で、70年代〜80年代にかけて人気を博したクリストファー・リーヴ版『スーパーマン』(1978-1987)への回帰もまた露骨なまでに行っている。巨匠ジョン・ウィリアムズが作曲したあの「スーパーマンのテーマ」を再び使用しているだけでなく、ストーリーの展開やキャラクターの配置など、至る所にこのシリーズへのオマージュが読み取れるのである。
例えば都市を地割れが襲う、イヴというおバカなブロンド美女がルーサーの側にひっついているというのは『Ⅰ』(1978)からだし、孤独の要塞内部での乱闘は『Ⅱ』(1981)、スーパーコンピュータが敵、市民によるスーパーマンへの非難、スーパーマンによる一人二役でのバトルは『Ⅲ』(1983)、スーパーマンが世界平和実現のため国際情勢に介入、ルーサーがスーパーマンのクローンを作るという点は『Ⅳ』(1987)からのリファレンスか。スーパーガールの見た目も『スーパーガール』(1984)のヘレン・スレイターに寄せてたしね。
事程左様に、本作が目指すのはDCEUからの脱却と原点回帰(リーヴ版を原点と言って良いのかはわからないが、少なくともひとつのメルクマールである事は間違いないでしょう)。ダークでシリアスな路線から、スーパーマン本来の明るく楽しい路線へと変更する。この試みは、ある程度は成功したと言えるだろう。
もう一点、本作の特徴を挙げるとするならばそれは大胆なほどに現代の世相や国際情勢を物語に盛り込んでいる事。
現実世界の政治家や企業家、国家の名前を出している訳ではないが、この映画に登場する「悪」は明らかに「あの人」や「あの国」のメタファー。また、SNSによる誹謗中傷や権力者による印象操作、さらには難民や移民へのヘイトなど、社会を蝕む病巣をアメコミ映画という形をとって描き出した寓話的な作品である。
陽性な作劇を得意とするガンちゃんだが、その裏側にはいつも権力に対する風刺的な視線が隠されている。彼の出世作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ(2014-2023)にもその傾向が見られたが、今作では遂にその作風が爆発。企業のトップに位置する人間が、率先して現政権へ“NO“を突きつける様な映画を作り上げる。リスクしか無いにも拘らずこういう映画を撮ってしまうその反骨精神には、心からの賛辞を贈りたい。
過去作からの引用が多い作品だが、本作独自のひねりのある展開には驚かされた。それはジョー=エル夫妻が息子カル=エルに遺したメッセージである。これまで、傲慢なクリプトン人の中にいる数少ない聖人として描かれてきたエル夫妻だが、今作ではまさかの選民思想バリバリのクソッタレとして登場。「ま、どうせルーサーが改ざんしたフェイク映像でしょ」なんて高を括っていたら、まさかの…。
このツイストは今までの『スーパーマン』には無い(と思う。歴史が長すぎるため断言は出来ないが…)。ただ、よくよく考えるとこれと似た展開を我々は知っている様な…。
そう、それは皆んな大好き『DRAGON BALL』(1984-1995)である。世界的な人気を誇るこの漫画、実は『スーパーマン』のパロディになっている。武術の達人・孫悟飯に拾われた赤子・孫悟空は冒険と戦いを繰り返して真っ直ぐな青年へと成長するが、実は彼は惑星ベジータの遺児として地球に送られたエイリアンであった事が中盤で発覚。しかもその目的とは地球を侵略して更地に戻し宇宙の帝王フリーザに売り飛ばしてしまうというもので、満月を見ると凶暴な大猿になってしまうという彼の能力は、その為に備わっているサイヤ人の特性だったのである!
今作のスーパーマンの設定は衝撃的なものだったが、実は『DRAGON BALL』からの引用であるというのが自分の見解。『スーパーマン』から『DRAGON BALL』、そしてまた『スーパーマン』へと、パロられた本家が直々にパロり返した結果なんじゃないだろうか。
ダークで重厚な神話からライトで人間的な寓話へと舵を切った本作。一からオリジンを描くのではなく、もう既にあるものとしてドラマを始めてしまうというのは、歴史の積み重ねがあるご長寿シリーズだからこそ出来るスタートの切り方である。
ただこれも良し悪しで、ここからDC映画を見始めた観客が今回の物語について来られたのかは正直疑問。というのも、1本の映画にしてはあまりにも情報が多く詰め込まれすぎていたから。
先述した様に、本作は『スーパーマンⅠ』〜『Ⅳ』+『スーパーガール』をごっちゃにしたかの様なストーリーで、それだけでもやり過ぎだと思うのにそこに更に「ジャスティス・ギャング」なるヒーローチームや「クリプト」というスーパードッグまで登場する。登場キャラがやたらと多く、DC作品に触れている観客でもピンとくるかどうか微妙な人たち(デイリー・プラネットのセクシーお姉さんは一体誰っ!?)が「お馴染みのメンバー」面して出て来るというのは、ちょっとやり過ぎな気がしないでも無い。
本来なら本作の内容は三部作くらいの尺を使ってじっくりと描くべきもののはず。『1』でロイスとのロマンスとボラビアへの介入、『2』でルーサー&ウルトラマンと対立、そして敗北、『3』でジャスティス・ギャングとの共闘、そしてヒーローとしての矜持を取り戻してルーサーに勝利、の様に時間をかけてじっくりとシリーズを構築していくというのが常套手段。あえてそこから外れる事によって既存作品にはないボリューム感とスピード感は生まれているものの、結果としてライト層には優しくない映画になってしまった。相当なオタクじゃ無いとこれは十全には楽しめ無いかも。壮大なユニバース計画の第1歩がこれで、この先大丈夫か…?
今作にはガン監督の「今の混沌とした政治状況について一家言あるんだ俺はっ!」というはっきりとした姿勢が表れている。責任ある立場の大人としてそれは当たり前の事だと思うし作品にその想いを込めるのも結構なのだが、お話が重くなってしまう事を避ける為か本人の性格か、シリアスな場面でもギャグが挟み込まれ、そのせいで全体のトーンのチューニングがかなり狂ってしまっている。ロシアンルーレットで罪なき市民を撃ち殺した極悪人に対する罰がワンちゃんにしばき回されるだけで良いのか?
ジェームズ・ガンは愛犬家らしく、クリプトの造詣には「オズ」という自身の飼い犬が大きく影響を及ぼしているのだという。自分も動物は好きだが、はっきり言って今作で繰り返し描かれている駄犬ギャグはあんまり面白く無い。シリアスになり過ぎないよう、ここでワンちゃんをひとつまみ…なんて考えたのかも知れないが、そういう小手先の笑いじゃない手段で映画を賑わせて欲しかった。
も一つ言うと、今回スーパーマンよりもワンカットで雑魚キャラたちを薙ぎ倒すミスター・テリフィックや、ファックポーズ🖕で戦車をぶっ飛ばすグリーン・ランタン、絶叫しながらメイスを振り回すホークガールといったジャスティス・ギャングの面々の方が生き生きとしていた。
やはりガン監督は正義超人すぎて型を崩す事が出来ないスーパーマンよりも、ジャンク感のある2流ヒーローの方が上手く扱えている。彼の資質は、そういう日の当たらない存在を扱う時にこそ光るよね。
まぁ何はともあれ、シン・DCユニバースは無事動き出した。
次回作は『スーパーガール』という事なのだが、これもガンが監督するのかな?いずれにせよ、スーパーガールの単独映画は久しぶりなので今からとても楽しみ〜☆✨
これは傑作!映画ファンは走って観にいくべし!
とりあえず上映時間を2時間6分に抑えたのは偉い!
オリジンを全部端折って、スーパーマンが負けたところから始めるのは英断。
近年のアメコミ映画は2時間半越えで冗長なものも多かったから、他の映画も見習ってほしい。
78年版が2時間半越えだったのとは対照的(長いけど全然悪くない。時間の流れのゆったりさが伝わる)。
レックス•ルーサーが天才過ぎ(+クッソムカつく最高w)。最期クリプトにボコボコにされてたのは最高。
ジャスティスギャングの面々も皆嫌な奴っぽいけど、終盤きちんと駆けつけてくれて良かった。
キャラも立ってるし次作でも登場してほしいね。
あと、直近のヒーロー映画の中ではかなり映像の快感があった!
正直全面グリーンバックのVFXソーンは食傷気味なんだけど、今回の画面上下にビュンビュン飛ぶシーンは観ていて気持ちよかった!
これはIMAXで観た方が絶対迫力がある!
怪獣バトルとビルの倒壊シーンも良かった。
いいとこもめちゃくちゃあったが、良くも悪くもジェームズ•ガン映画のヒーローっぽいな〜感はある。
(今回はそういう話では無いんでしょうが)スーパーマンが全能のヒーローでは無くなってしまった。
が、一人の人間としての新しいスーパーマン像を生み出した今作、個人的にはかなり傑作だと思う。
今回超楽しめたので、自作以降も期待!
これって続編?前作があって予習しとかんとアカンやつ?
副題はないの?
ここまでする?
「オズ」って、そっちかよ!
冒頭から何の説明もなしに(一応開始30秒くらいで一気に怒涛の説明文...
犬が飼いたくなった、ロボも欲しい。
生き物すべてに差別をしないで、誰でも信じちゃって空気が読めないスーパーマンと謎の犬クリプト最高でした。
長いエンディングが二段階であったけど、これだけのスタッフが関わってできた映画なんだと最後まで見て欲しいという思いが伝わってくるおまけ付き。
映画館で吹き替えでもう一度観ます!
過去のスーパーマン映画予習して3日後吹き替え観てきました!
だいぶ寝ていたことが判明(笑)吹き替えのほうがゆっくり観られたし、一人一人の表情にも集中できたので新しい発見(寝ていたせいもあるが)もあって緑のタコ男のカッコよさと、ルーサーの振られた彼女のおバカっぷりの可愛さに気付いた。
スーパーマンロボ4号も名前が付いて良かった!
前半ちょっと退屈。後半はほぼ文句無し。
アメコミヒーローものに関してはにわか知識のものです。
過去に見たスーパーマンはリチャードドナー版の一作目とザックスナイダー版の「マンオブスティール」くらいかな?
かなり面白かったです。
最低限「スーパーマンってどんなヒーローなの?」くらいは知っておいた方がいいと思いますが、
それでもそんなにDCコミックのヒーローを知らない人にもお勧めできる作品になってたと思います。
個人的にはスナイダー版より好きです。
マンオブスティールは全体的に陰鬱な上にカタルシスが中盤にスゲーのが一個あるだけで(特に育ての親が亡くなるシーンとか)ツッコミどころとか気になり過ぎた映画だったので……
ただし、気になる所はそれなりにありました。
①カタルシスの少なさ
…今回のスーパーマンは「クラークケント(カルエル)がスーパーマンとして活動してから3年後の世界」が舞台になってるんですが、
その結果敵役に対策されまくって終始ボッコボコにされます。
特に(予告にもありますが)冒頭でいきなり負けてから始まります。
それだけなら良かったんですが特に前半は「スカッと活躍するシーン」が無いので結構盛り上がりに欠けました。
あと後半もジェームズガン監督特有の?「外し展開」みたいなのが要所にあるので「おまえかーい」とか、「いやそこは◯◯しろよ」みたいなツッコミを入れてしまいました。
ネタバレになるので避けますがグリーンランタンとスーパーマンが後半の盛り上がりどころで出てくるのは逆にして、後から合流でも良かったと思います。
②説明の多さ
…これは序盤からラストに至るまで説明台詞が多過ぎて「いや、見せろよ!」ってなります。
特に冒頭なんかぜーーんぶ字幕です。
ほんのちょっとでいいから「序盤にスーパーマンが活躍して民衆から慕われる」でも良かった気がします。
あとレックスルーサーが悪事を種明かしするシーンですが中盤のところは見せるだけ見せて特に説明とかしなくても観客はわかったと思うんですよね。
(それでルーサーの誇らしげな顔を見せてスーパーマンと取り止めのない会話をするとか)
全体的に説明台詞が多いのでくどく感じます。
最後のスーパーマンのメッセージも個人的には要らなかったかな。散々それまでで「超人的な力を持っていても…」って場面を見せてるし。
「最後に『それまで罵声を浴びせてきた』市民から拍手が贈られる」
とかも欲しかったかも。
③SNSによる攻撃
…ここら辺は「なんかの暗喩か?w」と笑ってしまいましたが、
これだと「黒幕が全部アンチ活動してたせいで嫌われてるように見せてた」だけになってしまうんですよね。
あくまで「黒幕は表立って(巧みに)ロビー活動をしてただけ」に留めて、そのせいでスーパーマンアンチが増えた(=スーパーマンを精神的に追い詰める事ができた)というふうに見せた方が、
「スーパーマンだって傷付くんだ」
「どんなに良く見える行動にもそれを見た人々の中には賛否が生まれて、それが世界中に拡散される事で憎悪や嫉妬といった負の感情がソーシャルネットワークやメディアを通してブーストされるんだ」
という現代の負の面や「スーパーマンの人間味」を表せたんじゃないかなぁと思います。
気になる所が多くなってしまいましたが、
良かったところも多分にありました。
❶役者陣のキャスティングと演技
…これは文句のつけようがないと思います。
スーパーマン役のデビットコレンスウェットさん、誰がどう見ても「スーパーマン」でした。
ロイス役のレイチェルブロズナハンさん、レックスルーサー役のニコラスホルトさん、その他脇役やスーパーマン以外のヒーロー達に至るまでめちゃめちゃ印象に残りましたし、
良い味を出してました。
特にレックスルーサー役のニコラスホルトさん、「嫉妬」と「ビジネス面での成功への野心」といった感情がグチャグチャになってるキャラとしての説得力が凄まじかったです。
最後の彼の見せる表情とかも序〜中盤で見せるスーパーマンとの対比でグッときました。
(キャスティングと演技で項目分けようかと思いましたが長くなるので統合しました)
❷ギャグシーンの効果的な演出
…ジェームズガン監督の「外し演出」って使い所によっては良くも悪くも見えると思っていますが、
今回は(前述の部分を除けば)なかなか良かったと思います。
後半の戦車を「中指立てながら」ひっくり返すシーンとかはめちゃめちゃ好きですw
あとはエンドクレジット後の"アレ"とかもそこそこ良かったですね。
❸中盤以降のエンジンのかかり具合
…一個あげるとしたら予告にもあった「戦火の中にいる少年たちがスーパーマンの旗を掲げるシーン」でしょうか?
あそこは予告以上にカタルシスを感じる場面でした。
あとはスーパーマンが後半、崩れゆくビル群を食い止めて人々を救ったシーンも劇伴も合わさってかなり良かったですね。
もっと欲しかったですけど「完全に無い」って訳じゃなかったです。
こんな所でしょうか?
総じて「気になる所はあるものの、ちゃんと面白かった映画」でした。
最近はアメコミ映画ってケチがつきがちでしたので、
再出発した甲斐があったと思える一作でした。
ただ仕切り直し一発目がこの作りなのはそんなに良くなかったから言いたい事も出ちゃったのかなぁ…と。
「パシフィックリム」にあった不満点の「50話ある特撮モノの1話冒頭と最終回だけ見せられてる感じ」に近いモノを感じました。
(今作は50話ある特撮モノの30話〜35話を見せられてる感じでした)
とにかくオススメできる一本です。
2025年7月30日追記:
昨日、吹替版でも観てきました。
主要キャストから脇に至るまで実力派でキャラにぴったりな声優さんを当てていると感じました。
Mr.テリフィックの声優さん(諏訪部順一さん)の演技はちょっと実際の俳優さんと演技の方向性は違いますが、
「冷静沈着に見えて意外と繊細で焦ったり怒ったりもする」という部分に「コミカルさ」をちょい足ししてて、アレはアレで良かったです。
「吹替版で見たい」「どっちで見ようか迷ってる」という方は気にせずフィーリング(+前述した声優さんのちょい足しをどう思うか)で選んで良いと思います。
レックス・ルーサー曰く、「頭脳は『わん力』に劣る」。 …違ったっけ?!
再始動したDCユニヴァースの新作にして異色のスーパーマン登場作品。
監督はMCUの作品にも携わった経歴を持つジェームズ・ガン。
MCUは『アイアンマン』と『アベンジャーズ』両シリーズの2作目見た段階で「見たければちゃんと予習してきなさい」的なスタンスが気に入らなくて、ガン監督の作品も含め、あとは一切見ていない。
本作はスーパーマンがヒーローとして登場してから3年目が舞台。監督はオリジンを描かないことを予告していたそうだが、みんな知ってるスーパーマンのことなので、マーベルのシステムとは事情が異なると思う。
公開開始から一週間後に観た時点でレビューの投稿数は既に四百越え。とても全部は拝見出来なかったが、作品の評価は概ね賛否両論。否定的な意見の多くが子供向けな作風をターゲットにしているように感じた。
ただ、スーパーマンは元はコミック原作。必ずしもアダルトである必然性はない訳だし、殊にダークな方向性に向かい気味のDCの映画化作品にとっては揺り戻しも必要だったのではと、自分は思う。
本作を子供向けと多くの人が感じる最大の要因はスーパードッグ、クリプトの登場にある。
レビューのなかでクリプトをバカ犬呼ばわりする人がけっこういたが、ただのバカ犬ではない。超バカ犬である。こんな奴、バカ犬の扱いに慣れてる筈の松本君だってきっと手を焼く。
圧倒的なパワーを持ちながらほぼ制御不能な点は、マーベルのハルクに相当する存在の超バカ犬クリプト。各種ジャスティス・リーグでの意見や価値観の相違からスーパーマンと理性的に衝突するバットマンらとは異質なキャラクターを作品に持ち込めたのは、MCUを経験したガン監督ならではかも。
本作は脱アダルトな印象を与える一方で、移民や国境紛争といった現実社会の深刻な問題をモチーフに扱っている。重くなりすぎないためにもコメディー・リリーフの存在は不可欠だったのだろう。
本作のスーパーマンは登場するなり強敵に敗北するし、ほかのスーパーヒーローからは新米扱いされて茶化される始末。そして自らの存在意義や目的に対して普通の若者のように傷付き悩む。
彼の地球での両親ケント夫妻も見映えする名優を起用したザック・スナイダー版とは異なり、見た目は田舎のオッチャンとオバチャン。製作側がクラークを「チョーズン・ワン」として(少なくとも現時点で)描こうとしていないことは明らか。
本作はまだ未熟な「スーパーヒーロー3年生」の成長過程を見せているのだろう。
ライバルのスーパーマンを国家の敵として陥れ一国の支配をも目論んでいたレックス・ルーサーは、最後はクリプトにケチョンケチョンにされ、ルーサーならぬLOSER(負け犬)に。政府要人にも顔が利くおのれの権力が超バカ犬の「犬力」にも及ばないことを思い知らされ、フィジカルもメンタルも傷付けられて泣きべそをかく。
彼もまた、ヴィランとしてはまだまだ未熟な存在だった。
スーパーマンに「癒されますから」と言って序盤ではクリプトン星の両親のエラー映像を見せていた要塞のロボット4号も、ラストでは同じことを言いながら地球での両親との楽しい思い出を映す。
本作は主人公を含む登場人物の成長譚のスタートを飾る、いわば『スーパーマン・ビギニング』なのだと思う。
Z・スナイダー版には登場しなかったホークガールやグリーンランタンを活躍させた本作。今はジャスティス・ギャングを名乗っているが、シリーズ化でバットマンらメジャーなヒーローも召集してジャスティス・リーグに昇格するのか、それともマイナーリーグに終わってしまうのか、今後の展開に注目。
個人的には、劇場公開で3回観て結局ソフトも買った『ザ・フラッシュ』(2023)の世界観が継続されないのは、正直言って残念。せめて黒髪ショートヘアのスーパーガールの新スタイルだけでも引き継いで欲しかった。
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