スーパーマンのレビュー・感想・評価
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ガザ侵攻、そして世界の分断にはっきりとNOを突き立てたジェームズ・ガンの新たな傑作!
ジェームズ・ガンがやるべきこととやりたいことを全て詰め込んだ大名作。
まずキャスティングが素晴らしい!
クラークとロイスはもちろんだが、個人的にはガイ・ガードナーとホークガール、そしてクラークの養父、ジョナサン・ケントの俳優さんがお見事!
スナイダー版の時はケビン・コスナーが演じており、こちらもこちらで良かったが、今回はもっと地に足がついた、どこにでもいそうな田舎のおじいさんが世界的なスーパーヒーローを優しくいたわり、時として人生の指針を示すシーンにただただ号泣。
(疲れ切って眠るクラークの頭に、夫妻がそっと手を添える、あの何気ない1シーンだけで、どれほどクラークが愛されて育ったのかが伝わってくる!!)
また、カル・エルの実の両親が、本当は地球侵略も視野に彼を送り込んでいた……という設定は、ドラマ『ピースメーカー』にあった“毒親からの解放”というテーマが通底しているように感じられた。
一方、作品全体の雰囲気はとにかく明るく、そして希望に満ちたものだったことも特筆したい。
クラークの超人なんだけど、どこかぬぼっとして天然なキャラクターや、切れ者で超敏腕だけど、人に対して切り込みすぎて人と深くつながれない……と悩むロイス、なぜかやたらとモテるジミー……などなど、1作できっちり愛着を抱かせてくれる魅力的なキャラクターばかり。
(ジミーは、ともすればクソ野郎になってもおかしくないところ、彼の時折見せる複雑そうな表情が、素のいいやつ感を醸し出していた)
予告編を見た限りでは、ちょっとキャラクターを出し過ぎじゃないか? 混乱するのでは? と心配だったが、スーパーマン、ジャスティス・ギャング、レックス・ルーサー一味の立ち位置がしっかり色分けされていて、見やすかったのも良かった。
ロイスを単にスーパーマンに助けられるだけのヒロイン、として描かなかったのはもちろん、レックスの恋人役であるイブを、ただ自撮りしまくっているだけの能天気な女子と見せかけて、彼女は彼女でしっかりとした知性とタフさをもって戦っていたという設定にした点も本当に素晴らしかった。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーにおけるガモーラやネビュラの扱いを見てもそうだが、ジェームズ・ガンのキャラクターへの愛情は深く、熱い。
スーパーマンのクローンが簡単に作れるなら、何体も作れば良かったんじゃ? とも思ったが、完璧には再現できていなかったところを見ると、実はかなり試行錯誤してウルトラマンを作ったのかな。そして、もしも本当に簡単に作れたとしても、エイリアンを危険視するレックスが必要以上にスーパーマンを増やそうとは考えなかっただろう。
印象的なシーンも数多かったが、スーパーマンの依頼で紛争地帯にあらわれたガイ・ガードナーが、まるでハエを手ではらうような仕草とともに戦車を蹴散らすシーンは痛快。地面から伸びる何本もの緑の腕の中に、はっきりと中指を立てた手が混じっていたのは、明らかに現状行われているガザやウクライナなど、強者が暴力で弱者をしいたげようとすることへの批判だろう。
(全編を通して、スーパーマンを地球への移民として描いていたのも印象的だったし、現実のクソ野郎を映画でぶちのめすという構図には、タランティーノっぽさも感じた)
現実の世界に広がる分断を、本当に世界が引き裂かれているという展開で描いているのも大胆で良かった。
(あんなに簡単に直るものなの? という点は引っかからなくもなかったが、エンドクレジット後の映像でネタにしていたのは笑えた)
どうせ殺せないだろう、と高を括るボラビアの大統領を、ホークガールがさくっと殺してくれたのも良かった。
(スーパーマンにはできないことなので、この辺りもジャスティス・ギャングとの色分けが機能した点だろう)
また、ファンにはうれしい過去作へのオマージュもいくつかあり、スーパーマンとウルトラマンの戦闘を監視するドローンを、次々とクリプトが壊していくシーン。モニターがつぎつぎとシャットダウンしていく様は、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーvol.2』の序盤の展開に通じるし、なんといってもスーパーマンがウルトラマンとエンジニアと戦いながら大気圏付近まで上昇していく場面は、MCUの記念すべき第1作『アイアンマン』の終盤を彷彿させた。
思い返してみれば、スーパーヒーローでもなんでもない男の奮闘を描いた名作『スーパー!』、スーパーマンが実は侵略者だったら? という観点で作られた一種のパロディ・ホラー『ブライトバーン』(こちらは製作総指揮として参加)ときて、ついに本家『スーパーマン』を描くにいたったジェームズ・ガン。
本作は、同氏の圧倒的で、そしてちょっぴりいびつでユーモアにあふれた才能はもちろん、すべてのヒーローの原点であるスーパーマンへの思い入れを感じられる作品に仕上がっていた。
過去作を知らなくても十分楽しめるのはもちろん、ロイスとのラブコメ要素もあり、カップルで行くデートムービーとしてもオススメ。
本作の製作においては、プレッシャーも非常に大きかっただろうと思われるが、それをはねのけてしっかりとエンタメ作品に仕上げてくれたことに心から感謝したい!!
あ、あと、お馴染みのスーパーマンのテーマがしっかり使われていたのも最高!!!
人間的なスーパーマン
分かりやすい悪はいない世界で、地球を守るはずが、敵は地球人。国際紛争の中で、スーパーマンの役割が問われる。しかも、SNSという見えない敵もいる。なぜか怪獣が出てくるが、スティッチの巨大版?パロディ?
スーパーマンの敵が大富豪の科学者で、異空間を移動する科学力をもちながら、目的は金儲け? スーパーマンを倒し、地球だけでなく、銀河系も征服できそうなのに、やる事が小さい。アメリカらしいユーモアをはさみ、家族愛や絆を描きながらも、クローンには容赦はない。結局、本当の父母のメッセージは何だったのか分からないが、親のために生きるのではなく、自分の生き方を大切にしろということか?世界観が大きいのか小さいのか?
本作では、スーパーマンよりもスーパードッグの方が活躍したような気がする。ヒーローも多様化している。
エンドロールが長いが、おまけの映像があるので、明るくなるまで席は立たない方がいい。スーパーマンに敵がいる訳が少し理解できる。
まじっすか?
リチャード・ドナー作品をリスペクト!
クリストファー・リーヴ主演の「スーパーマンII 冒険篇」以来のスーパーマン映画を劇場で観たので四十数年ぶりの大画面のスーパーマンですね。
前振りは映像ではなく文章で、スーパーマンが負けたという言葉と共に本編が始まり、いきなり血まみれのスーパーマンが北極の氷の上に堕ちてきて犬に助けられる。全編その繰り返しで本作のスーパーマンは負けるシーンが多い。
何故北極に基地があるのかとかどうして地球に来たのかとか地球での生い立ち等々、過去作品をおさらいしておいた方が本作を楽しめると思うけれどジャスティス・ギャングという他のヒーロー集団が出てくるとは思わなかった。
そのヒーロー達は正義の味方だけどスーパーマンの仲間というわけではなく反目しあっているが、クライマックスでは、スーパーマンに感化されて彼らの中でタブーだった国際問題にも手を出すようになる。
まあ彼らは仲間内でも本当に信頼しあっているかは疑問ですがね。
ラスボスのレックスルーサーは自分が知ってたジーン・ハックマンが演じてたそれと違い、若くてスリムでハンサムで本当に憎々しかった。
スーパーマンは手の内を全部知られていて最後の最後まで彼に手を出せないので観ていてかなりストレスを感じた。
前にも述べたけど本作のスーパーマンは弱くて血反吐を吐き、クリプトナイトでしわしわになり、涎を吐き、無精ひげも映される。これはスーパーマンも異星人だけど我々と変わらない人類と同等の生物だということを表してるのか。
結局、クリプトン星の両親が本当に地球を征服しろと言ったのかどうかは明らかにならなかったが、自分の生きる道は自分で決めろという地球の両親の言葉が今後の彼の生きる道になるのでしょうね。
また、自分が知っていたヒロインのロイス・レインって我儘で自己主張が強く、オドオドして何も出来ない人だったけど、本作では本当にカッコ良かった。
最後に、音楽のメロディーラインにジョン・ウイリアムス作曲のものを使っていたこととエンディングは明らかにリチャード・ドナー作品のOPを意識してくれていたのはすごくうれしかった。
続編は作られるのかなぁ....
肝心な点が全て抜き取られている
微妙だなあぁ
アクションはイマイチ、感情描写も微妙。正直、『マン・オブ・スティール』やドラマ版の『スーパーマン&ロイス』を観た方がマシ。
敵キャラには一切キャラの成長や深みがなく、VFXもギリギリ合格ライン。ストーリーは陳腐で、「またこれか」って感じ。
両親やロイスといった登場人物も印象が薄くて、正直いなくても成り立つレベル。キャラ設定も雑で、無理やりアメリカの自由精神を押し込もうとしていて、むしろ冷める。
一番ひどいのは戦闘力の崩壊。スーパーマンのレーザービームは全然使わないし、クリプトナイトでちょっと攻撃されただけで瀕死。戦いが下手すぎて見てられない。
笑えるような場面もなく、ストーリーも古くさい。正直、コメディとしてすら楽しめなかった。
唯一良かったのは音楽。流れるタイミングが絶妙で、ゾクッとする瞬間はあった。あと、一部の映像は良かったけど、全体的にカメラワークは弱い。
もっとモンタージュや色調フィルターを活かして、敵にもっとプレッシャーを感じさせる演出、キャラの動機や心理を丁寧に描いていれば、少しは印象も違ったかもしれない。
総じて言うと…観終わってしんどかった。あんまりオススメできない。アクション観たいなら『マン・オブ・スティール』、感情ドラマならドラマ版スーパーマンを観るべき。
ヘンリー・カヴィルのスーパーマン、あれだけ良かったのに、なぜリセットする必要があったのか、本当に理解できない。
犬とジミー・オルセンが美味しい役でしたね(笑)
映画ファンならずとも、世界中のある年齢以上の人なら誰でも知っているスーパーマンの生い立ちと新聞社に勤めている現状。過去のスーパーマン映画ではもちろんそこに時間を割き・・・特に1978年公開リチャード・ドナー監督版クリストファー・リーヴ主演のものは、その生い立ちと成長がなかなか楽しかったんだけど、この新しい「スーパーマン」は開始1分で現状までの説明をスーパーで説明し、最初のシーンはスーパーマンが戦いに負けて南極まで逃げ帰って氷の上で倒れ、それを「主役」?のスーパードッグが助けに来て(本人は単純にじゃれているんだけど)スーパーマンの秘密基地まで引っ張って連れ帰るという、めちゃ「つかみはOK」のオープニング。
すでにレックス・ルーサーと戦っていて、ロイス・レインとは恋仲であり、本編上映の2時間が無駄なことなく「現在」のお話に集中しているというスピーディかつ濃厚な作品です。
冒頭の説明スーパーですでに300年前から宇宙からの超人たちが地球にいるということになっているので、超人3人組の登場にも驚かせることはありません。
で、ジミー・オルセンが実はスーパードッグに次いで主役であるということ。めちゃご都合主義で潔ささえ感じます。
最後にカメオ出演していた「彼女」の作品も撮影中とか(笑)
監督目当てで
DC作品を映画館で見るのは初。
ほぼ、ジェームズ・ガンが監督する大作ということだけで鑑賞(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが好きなので)
スーパーマンの背景もほぼ知らない状態で観たけど、ちゃんと楽しめるように作られていた。
また、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー同様にたくさんのキャラクターがいても全員にしっかり見せ場を作っている点が素晴らしいと思った。それぞれのキャラクターに物語があるんだろうなぁ、という想像ができるのがよかった。
この先のDCUへの希望は持てたので、MCUと食い合うのではなくて、アメコミ映画全体を盛り上げてくれたら嬉しい
スーパーマン:REBORN
タイトルなし(ネタバレ)
送られた目的はなんであれ、自分自身の心と行いによって人はヒーローになるんだということを強く強調したメッセージで良かった。
さすがはジェームズガン、多くのキャラを魅力的に魅せるのが上手い。
インクレディブルみ。
小難しい話は無しだ!!これぞスーパーマン!!
最近のスーパーヒーロー映画はこねくり回したシナリオと凝りすぎた伏線と商業的な儲けを優先しすぎたものばかりで辟易していませんか?私もそうです!
そんなあなたにド直球なスーパーヒーロー映画スーパーマンをお届け!!
と言わんばかりのジェームズ・ガン版スーパーマンが公開。何ともはや!これはまさしくスーパーマン!!子供の頃に見た地球を逆回転させてたスーパーマン程ではないですが、王道のスーパーヒーロー映画です。小難しい話は置いておいて!長々とした導入も無しにして!面倒くさい恋愛もすっ飛ばして!俺のかっこいいスーパーマンを見てくれ!!という監督の意気込みを感じます。
DCスーパーヒーロー映画の新たな出発点にもなる本作。出来栄えは十分かと思います。今後の展開に期待!
ユーモア、アクション、メッセージのどれもが高いレベルにある良作
超有名な、というか使い尽くされた題材を映画にするとき、メリット、デメリットの両者があると思うが、監督はメリットを十分に活かす。
最近のスパイダーマン、バットマンのようにヒーロー誕生のくだりをカットするのは正解。「3」という数字で語るオープニングも個人的には好きなポイント。
スーパーマンって誰?とかその故郷は?とか、弱点がピンとこないとか、最後に出てきた同じ服装の女の子は誰?とか、テレビに出てきたマスク男(ピースメーカー)は誰?とかハードルがいくつかあるのでそこで脱落する人もいると思うが、そこはやむ無しでしょう。
というか近年のヒーロー映画に求められる「知識の前提条件」「予習」に比べると圧倒的に優しいわけで。
説明的な時間をなくしているところは上映時間の短縮にもつながって好感度UP。
映画の中に常にぶっこまれるユーモアも素晴らしい。
クリプトとか微妙にディスられるグリーンランタンとか、スーパーマンの正体という個人情報がダダ洩れとか、ロイスとの関係も周知事項とか、思ったよりは上品な形で笑いがあって、安心して見ていられる。
ルーサーを最後、ぶちのめしたいけど、それをスーパーマンがやっちゃうと角が立つところを、クリプトが代わりにやってくれたのも落としどころとして絶妙だなと感心。
アクションはとてつもなく目新しいものがあったわけではないが、飛行シーンは観ていて気持ちいい。
そして、この映画で一番好きだったのは、生みの親によるスーパーマンの真の「役目」がフェイクではなかったこと。そして育ての親によって、「役目」が否定されたこと。最後に流れる映像が生みの親ではなく、育ての親とのシーンに変わったこと。
ただのユーモア&アクションではない、この映画の素晴らしさが伝わりました。
希望は生き続ける…ジェームズ・ガン節全開による希望の物語!誰も死なせないパンクロッカーな希望の象徴 vs ナショナリスト
「他国のことなんて放っておけ」
スーパーマン…スーパーマン…スーパーマン…ぼくらがその名を心の底から呼ぶとき、マークを見たり心の中で思い描いたりするとき、本来それは希望の象徴であり、平和への希求のはずだ。長年ポップカルチャーに浸透しすぎて忘れられがちなその意味を、今この暗い時代に然るべき重さをもって再提示する。当初本作のタイトルには「レガシー(遺産)」という言葉が付いており、後ろ向きな印象から取られたが、実際本作を観るとそこに込められた前向きな意味も受け取れる。
「黄色い太陽」
78年版に立ち返るようなカラフル&軽快ポップな作風で、頓挫したDCEU当初のザック・スナイダー節に重苦しくダークなシリアス路線の闇夜をひとっ飛びで切り裂く!例えば、胸のマークは「"S"ではない」と格好つけて言い訳する必要もない。だって、本作ではちゃんと赤いパンツも履いているんだから"S"上等!老若男女問わず誰もが親しみやすく、誰からも愛される"Man of Tomorrow"像を一新して打ち立てる。
国家のしがらみに囚われることなく、誰も死なせないスタンスこそ、ヒーロー映画飽和時代な現代における"パンク・ロック"(体制や主流派への反骨)だ!!
『バットマン vs スーパーマン』では、超人バトルの足元でその被害の甚大さから命を奪われていく無数の人々に目を向けようとしていた(というよりバットマンをスーパーマンと対立させるための口実として描いていた)が、本作ではそもそも徹頭徹尾"死者0"を目指すスタンスが打ち出されていて、その辺りの差別化も素晴らしい。作中でスーパーマンが、誰か一人のために救出に飛んで現れるシーンが何度も出てくる。それはもしかしたら生温い夢想家の発想なのかもしれないけど、夢くらい見たっていいじゃないか!夢で終わらないために。
スーパーヒーローがリアルに存在するとしたら、一般人たち・市井の人々の暮らしを壊し全てを奪っていく被害は間違いなく現実問題として議論されるべき点であるにも関わらず、MCUにおける『シビル・ウォー』然り、内輪揉め・仲間同士を対決させる理由に使われてきた感があるわけで、それを自身の代表作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』では大量に死なせてきたジェームズ・ガンが(楽観的であったとしても)現実世界に反旗を翻すアンチテーゼとして希望を込めたことが何より特筆に値する。これぞ"パンク・ロック"と言わずして何と言えようか!そりゃパンク・ロック好きのロイス・レインも惚れるわけだ。
「"エイリアン"」
=外人、よそ者。今最も目が離せない役者のひとりニコラス・ホルトによるスキンヘッドと言えばウォーボーイだけど、彼が本作で演じたノリノリなレックス・ルーサー像は、本作を極端な見方をするならネオナチ的でもある?つまり、保守的な排斥運動やナショナリスト・民族主義につながる"妬み"。そして、色んな数字とアルファベットの組み合わせを叫びまくるけど、「2X」は金的攻撃・股間蹴り?それはスーパーマンだけじゃなくて全男性の弱点という意味で有効な技だよ…。2500パターンあるとかって言っていた内の、(「1A」から始まり)50番目に股間キック思いついたのかと思うと面白い。
作中で描かれるのは、明らかにロシアによるウクライナ侵攻。そして、アメリカ国旗(星条旗)が何度か映るのも、つまるところそういうことではないのだろうか。何よりの証左だと思う。世界には一方的な侵略など理不尽な暴力が未だに溢れているのをぼくらは知っているのに、何もできない(しない)でいる。そんな中で世界のリーダーであり、国家における超大国まさしく"スーパーマン"な存在であるアメリカが、ルールや慣習に縛られることなく人として本当に今すべきことは何なのかと問いかけているようだったし、それはぼくやあなた世界中の一人ひとりの胸にも突きつけられているジェームズ・ガンからの問いだ。
「Don't be a stranger.」
涙腺崩壊。ジェームズ・ガンといったら父息子の物語が得意だけど、それは本作でも感情面を担う屋台骨としてしっかりと生きている。予告でも使われている家の外の親子語りシーンからの、希望の旗を立てるシーンの流れで、どちらもまんま涙を流してしまった。もっと言えば上述したような本作の方向性に、作品の前半で気づいた時点で、普通のアクションシーンの最中にもウルッときていた。だから、彼に遺されたメッセージの真相は、今となってはどうでもいいことだ。親は子に目的を与えるのでなく、手段を与え、子がバカをやってもそばで見守るのが役目だから。地球のために人々の役に立ち、世界をより平和にする。そこには右も左も関係ない。
挫折に始まり、アイデンティティークライシスに陥る。スーパーマンという全ヒーローの中で一番有名なヒーローだからこそできる、今さらキャラクターを説明的に描写する必要がないからこその、意外性のあるオープニング。からの、毎度おなじみな盟友ネイサン・フィリオン(グリーン・ランタン!!)だけでなく、こちらも毎度おなじみな弟ガンにもチラッと役柄を与えることに成功している。もう彼の作品におけるタスクですね。"KAIJU"怪獣バトルすらも!あと、ジェームズ・ガンと言ったらサントラ・音楽面で、本作は『GotG』最強ミックスに比べると圧倒的に控えめではあるけど、ミスター・テリフィックの戦闘シーンでしっかりと出てくる(ex.『GotG Vol.2』♪Mr. Blue Sky)!レックス・ルーサーがスーパーマンに執念を燃やすさまは、ある種スーパーマンが周囲にも危害の及ぶ敵キャラを引き寄せているという主人公理論(ex.「ドラゴンボール」孫悟空・「名探偵コナン」コナン)が頭をよぎりもしたが、"ゴッド&モンスター"な世界なら関係ないのか?何よりスーパーマンが食い止めているし!新たなDCユニバースの未来は明るいかもしれない。
「"頭脳は腕力に勝る"」
そして、なにより心がある…人間は強い。自信がなく確信を持てなくても一歩踏み出して飛び込む勇気がある。それがぼくらの強さの源だ!その力をどう生かせるだろうか。
本作が持つパワー、この希望の物語に胸打たれた人が実際にどれだけそのメッセージを持ち帰り、実生活で差別・迫害しないで不当な暴力に立ち向かったりできるのだろうか?誰かが傷つき困っているときに、知らんぷりはやめよう。猿みたいに、自分の人生がままならないことへの当てつけ・ストレス発散感覚で、現代社会の病床スマホ依存・ネットSNS社会の匿名性を悪用した誹謗中傷に精を出している場合じゃない。他者を貶めるために、人の悪口ばっかり心無く書き込んでいるところじゃない。刻一刻と減っていくあなたの人生、それでいいんですか?既存IPを使った夏のブロックバスター娯楽作ド真ん中のハリウッド大作だからといって、これは"あ〜おもしろかったね!!"…だけで終わりにしてほしくないな。失われつつある希望を取り戻そう!
P.S. クリプトかわいすぎ!飼いたいけど、あのアタックは普通の人間なら肋骨とか折れてヤバいことになりそう。レックスのガールフレンドの描き方だけ少し気になってしまったので、彼女には報われてほしい。
多様性の時代のヒーローとは
楽しかったです。オススメします。
確かに国内(USA)で災害から人々を守ったり悪人を懲らしめたりしているならばヒーローであろう。然しながら国外で紛争を止めるためとは言え侵略国の戦車を壊したりするのはイデオロギーの問題で内政干渉となってしまうかも。
SNSで誹謗中傷されるなんて昔のスーパーマンにはあり得ない事だわね。
敵のレックス・ルーサー、同業ヒーローのグリーン・ランタン、ホークガール、テリフィック、皆魅力的なキャラですね。
クリプトの飼い主のスーパーガールの登場もビックリ。
何よりも執拗な敵キャラのウルトラマンの正体がわかった時の驚きはなかなかです。
お父さんが言う「お前が選ぶ道、お前の行いが、お前が何者かを決めるのだ」は真理ですな。
時折、カル・エル、クラーク・ケント、スーパーマンの彼が伊藤淳史さんに見えてしまうのは私だけですか?
無難です
お馴染みの故郷の爆発シーンや少年時代を思い切ってカットしたのは英断だと思う。
まあ、皆マン・オブ・スティールで観たからかな?新章DCの一発目ですが面白かったです。
グリーンランタンがでてくるのは多少違和感ありか。
これまでのスーパーマンの中で多分1番弱く描かれているが1番人間らしかった。
そして犬のクリプト
預かっていることが、わかるが、本当の飼い主がまさかのスーパーガール!
ラストで少しカメオ出演!
これが1番ビックリした。
さあこれからワンダーウーマンやバットマン、新し
いメタヒューマン(バットは違うか)がからんできてどうなるか
このスーパーマンめっちゃ好き
冒頭から地に落ちるスーパーマン、完全無欠なヒーローの新しい作品が初っ端から敗北して弱々しい姿を観客にみせる。これは完全無欠なヒーロー映画ではなくて、完全無欠なヒーローに成っていく映画
我々と同じく傷つき倒れ立ち上がり自身の道に迷う姿は等身大のスーパーマンで、私はスーパーマンがどこか身近に感じた
スーパーマンの他にも個性的なヒーロー達が現れる、当初はスーパーマンだけを描いて欲しいと感じたが、その心配はなく、それぞれのキャラが面白くそれでいてスーパーマンの物語を邪魔しない作品を盛り上げてくれる大切な存在だった
後半、スーパーマンの育ての父親が示した何者かになるのはお前次第という様なセリフは現代を生きる我々にも刺さる言葉じゃないかと思う
実の両親の動画が世間に出回りスーパーマンの評判は地に落ちるも、人々が危機に瀕してスーパーマンを求める姿に人間の浅ましさが現れてて面白かったし、それでも人を助けるスーパーマンの姿は格好良かった
ビルが倒壊し土煙から姿を現す姿は神々しく正しく救世主のようで素晴らしい
最後のヒロインとふわふわと浮きながらキスするシーンもベタだけど自分もスーパーマンだったらやるなと思ってニヤニヤしてしまった
だらだら書いてしまったが、未熟で熱意だけが先行しているスーパーマンが人を信じ、人を助けて本当のスーパーマンになる成長過程を映画で描いてくれたのが個人的に本当に嬉しかった、他のスーパーマン作品はあまり好みではなかったが、この新しく帰ってきたスーパーマンの作品はずっと追い続けたいと思う
最後に、スーパーガールめっちゃ可愛い!なんかめっちゃ遊んでる奔放な女の子って感じがめっちゃ好き!しかもこのご時世にちゃんとスカートで可愛い!
新たなスーパーマンの伝説が始まる!
ジェームズ・ガン主導のDCユニバースが本格的に動き出す。DCと言えば先ずこの作品、最もメジャーなスーパーマンの登場です。
スーパーマンと言えば、幼い頃からよく知ってる作品。テレビで見た記憶はあるんですが、内容は全く覚えてません。アニメもあったかな。
そんな中で、本格的にスーパーマンを認識したのは、やっぱりクリストファー・リーヴですね~。
イケメンマッチョの正統派ヒーロー物語!大いに悩んで、弱点を克服し、メチャクチャ強いヒーローを魅せてくれます。
一作目から衝撃的な展開だったけど、それを覆す結末に大いに興奮した覚えがあります。
ザック・スナイダーの「マン・オブ・スティール」も良かったですね~。コスチュームからして、今までのスーパーマンのイメージをぶち壊す斬新さ。それから、衝撃的な展開にDCヒーローの揃い踏み。いや〜、楽しませてもらいました。
そして、満を持しての本作品。
エンターテイメントでありながら、全く違う新たなスーパーマンを見せてくれます。
いきなりの敗北から始まって、スーパードックの登場。グリーン・ランタンとか、他のDCヒーローも入り乱れての大乱戦。ホンっと見どころ満載。
それから、音楽も良かったな〜。
懐かしのあのフレーズが、チラホラ聞こえてきてワクワクしちゃいます。
【ネタバレ】
ジェームズ・ガン主導と言うことで、陽気なヒーローものを想像してたんですが、かなりハードで惹きつけられる作品でした。
レックス・ルーサーの卑劣な策にドンドン追い詰められていくスーパーマン。これほどのピンチがあっただろうか。
つい先日見た「でっちあげ」を彷彿させるルーサーの情報操作。ヒーローが悪者に仕立て上げられていく恐怖。いや〜、ホンっと見応え十分にイライラしちゃいました。
また、最初の敗北にしても、闘う相手がウルトラマン?(お馴染みのヒーローとは全く別人ですが)ルーサーの指示通りに戦うメチャクチャ強い相手に、スーパーマンがフルボッコにされるんだけど、実はスーパーマンのクローンだったという驚きに併せて、異次元空間を牢屋に使うなんて、ルーサーどんだけ天才なんだと、ただただビックリ!
ホンっと、見どころ満載でメチャクチャ楽しめた一本でした。ただ、スーパードック、クリプトのバカっぷりはかなりウザかったかな。
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