「脚本の力」スーパーマン Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本の力
マーベルがオタクに寄せすぎてバランス取れなくなってるなかで、DCは着実にやってきたね。脚本がしっかりしてる。
「自分は何者なのか?」っていうでっかいテーマがあって、そこに国際情勢からめてきてるね。
ボラビア大統領がひどい奴なんだけど、むしろそいつが米国大統領に見えてしまう現実とのリンクが面白いね。
スーパーマンは勝手にボラビア制圧したって怒られてるけど、スーパーマンと米国政府は直接の関係はないでしょ。好きにやらせてやんなよ。
ストーリー的には、スーパーマンが困って、困って、そこで恋人のロイスが頑張って救い出すのがいいね。
ボロボロになったスーパーマンが「生みの親より育ての親」的な展開からテーマミュージックと共に立ち上がるところは泣いた。
恋人のロイスのファッションがダサかっこいいのも良いね。
すごく頑張ってる感が出る。
最後はボラビア侵攻と時空の裂け目が同時に起きて「どうするのさスーパーマン」という状況で「まあそりゃ、ジャスティス・ギャングいきますよね」という分かりきった展開もいい。
ストーリー進める中で、シリアスシーンにも細かな笑いを入れてくるよね。
アベンジャーズでは滑ってた笑いの入れ方だったけど、本作では気が利いた感じで機能してる。
最初から最後まで面白く観ることができて、「あのヒーローが出てきた」「このヒーローも!」みたいな仕掛けはいらなくて、ちゃんとした脚本を採用することが重要なんだなと思ったよ。
公開前から反トランプ派の監督のスーパーマンは移民と発言。作品も自国愛よりも人間愛と優しさが際立っていました。ラストの濃厚なラブシーンで恋愛は人間愛に昇華するという大学時代の恩師の言葉を思い出しました。スパーマンのテーマソングがないのは残念でしたが。

