「ヒーロー映画かくあるべし」スーパーマン コブさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーロー映画かくあるべし
「ヒーロー映画とはこうあるべき」と言い切れるほど、非常に完成度の高い一本だった。
ジェームズ・ガン作品らしい一癖あるキャラ同士の掛け合いや、おしゃれで印象的な劇伴は健在。独特の“ズラし”が効果的で、観ていてとても気持ちがいい。
特にカメラワークは秀逸で、まるで漫画のコマ割りを思わせるカットが連続するかと思えば、長回しやスローモーションを駆使したケレン味たっぷりの演出も見どころ。ワンパターンになりがちなスーパーマンの戦闘を、巧みに盛り上げていた。
それでいて、王道展開も決して外さない。敗北、葛藤、そして復活——。ヒーロー映画の王道ストーリーラインを踏襲しつつ、「ここでこう見せてほしい」と思う場面を真正面から描き、しっかりと“ヒーローのカッコよさ”で魅せてくる。まさに期待を裏切らない展開で、気づけば感動で何ども目が潤んだ。
昨今は、時代の影響もあり、ダークでシニカルなヒーロー像が主流になりがちだ。そんな中で、誰よりも人を信じ、人々のためにまっすぐに戦う姿にはとても胸を打たれた。
こんな時代だからこそ、子どもたちにはぜひこの映画を観て、心から憧れる“真のヒーロー像”を胸に育ってほしい。まさに子どもたちにこそ届けたい「ヒーロー映画」だ。
みかずきさん、はじめまして。丁寧なコメントありがとうございます。
国籍や国境を超えて弱い立場の人に手を差し伸べる視線は、まさに本作の背骨で、私が感じた“王道の高揚”の熱源でもあったと再認識しました。自国第一を超える人間愛と優しさが、アクションや見せ場の爽快さと地続きになっているからこそ、今の時代に真っ直ぐ届くのだと思います。
また、ラストの濃密なラブシーンが恋愛を越えて普遍的な人間愛へと開いていくという解釈にも強く共感しました。個の親密さが公への献身へと橋渡しされ、ヒーロー像の核と美しく重なる──その手触りが胸に残りました。
素敵な視点の共有、ありがとうございました。
はじめまして、みかずきです
公開前から、反トランプ派の監督のスーパーマンは移民発言がありましたが、作品もトランプ大統領の自国第一主義を超えた人間愛と優しさが際立っていました。やはりヒーロー&正義の味方スーパーマンは、国籍や国境関係なく弱者を助けるのが王道です。
ラストの濃厚なラブシーンは恋愛は人間愛に昇華するという大学時代の恩師の言葉を思い出しました。やはり人間愛と優しさを持つスーパーマンって良いですね。