劇場公開日 2025年7月11日

「社会問題の取り込み方が短絡的なのでは」スーパーマン kozukaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 社会問題の取り込み方が短絡的なのでは

2025年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

スーパーマンというヒーロー映画の定番を正直、深く理解していないので、初見の気持ちで鑑賞した感想。
なにしろ、サブタイトル無しの潔い「スーパーマン」だ。今作の監督でもあるジェームズ・ガンをCEOに迎え入れたDCスタジオの第1作。こうした方向性でこれから作り続けるというフラッグシップ的な作品だ。
そして、この方向性はなんだか不安にさせるものだったのだ。
まず、2時間程度にまとめる必要からか、スーパーマンの背景はほぼ端折られていて、観る者は知っているという前提になっている。ここは賛否の分かれるところ。
ジャスティス・ギャングとは何者?スーパーマン以外にも地球外からきた宇宙人がいるのか?メタヒューマンとは人造人間なのか?何なのか?すべて説明はない。そこはファンなら理解できるよね、といった感じで感じ悪い。
コメディー的要素が差し込まれるが、アメリカンジョークでアメリカ人は笑えるのかもしれないがまるで面白くない。クスッと笑えたのはシャッターの件だけだ。
スーパーマンが地球にやってきた目的が明かされるが、当然SNSで流布されるフェイクニュースと思いきや本当なのか・・
独裁者が率いるある国が小国に攻め込むという現状の写し鏡のようなエピソードが挟み込まれ、小国でヒーロー視されるのがスーパーマンというのはあまりに短絡的すぎるのではないか。
クラーク・ケント(デイビッド・コレンスウェット)と恋人ロイス(レイチェル・プロズナハン)の口喧嘩もなんだかおかしいし、宿敵レックス・ルーサーの恋人とデイリー・プラネットの記者がつながっているのはあり?
と、なんだか気になることが多すぎてスカッとするはずのスーパーマンのエンタメに入っていけないのだ。
そして思ったのは、個人的にジェームズ・ガン監督のセンスが苦手なのだ。
ということは、今後のDCユニバース作品はあまり好みではないのかもしれない。

kozuka
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