「楽しめたが、それ以上に不満なことが多すぎる。」スーパーマン ヘルシー太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
楽しめたが、それ以上に不満なことが多すぎる。
スーパーマンならではの凄まじい戦闘能力は及第点で堪能できた。高速で空を飛んだり、目からビームを出したり等々。、物語としてはスーパーマン同等以上の超人とそれを操る会社とのやりとりかな。楽しめたんだ。一応楽しめたのだけど。文句言いたいことが沢山ありすぎる。
制作者がスーパーマンの内面の弱さを描きたかったのは何となく分かる。分かるけど…。戦闘面では負けても成熟した大人としてのやりとりが出来るスーパーマン像が見たかった。戦闘で負けて、さらに恋人との口喧嘩に負けてキレる姿なんぞ見たくなかった。心身共の弱々しい歴代最弱のスーパーマンだ。序盤の恋人との痴話喧嘩がスーパーマンのヒーロー像が決定づけられた瞬間と言っても過言ではなく、心底残念に思ってしまった。
後、スーパーマン以外の超人が多すぎる。多すぎてスーパーマンの有り難みというか特別感が薄くなってしまっている。しかもその超人達はスーパーマンの味方という立場だから始末に負えない。味方になる超人の中にはスーパーマンの弱点を取り扱う者がいて、その存在が「スーパーマンはこの超人には劣っている」という認識が付き纏って、スーパーマンの無敵感がさらに薄くなってしまっている。どうせだったら味方だった超人部隊は実は敵であって、スーパーマンがジョン・ウィックばりにボコボコにやられながらも最終的には全員倒すという流れの方が良かった。
文句を色々と言ってしまったが、とってつけたようだが、楽しめたのは間違い無い。個人的作中での重要なポイント、分岐点は序盤の恋人との痴話喧嘩の場面だ。その場面でスーパーマンに対してどのような感情を視聴者が抱くかで作品に対する見方が変わっていくだろうと思う。