「前半ちょっと退屈。後半はほぼ文句無し。」スーパーマン しーぷまんさんの映画レビュー(感想・評価)
前半ちょっと退屈。後半はほぼ文句無し。
アメコミヒーローものに関してはにわか知識のものです。
過去に見たスーパーマンはリチャードドナー版の一作目とザックスナイダー版の「マンオブスティール」くらいかな?
かなり面白かったです。
最低限「スーパーマンってどんなヒーローなの?」くらいは知っておいた方がいいと思いますが、
それでもそんなにDCコミックのヒーローを知らない人にもお勧めできる作品になってたと思います。
個人的にはスナイダー版より好きです。
マンオブスティールは全体的に陰鬱な上にカタルシスが中盤にスゲーのが一個あるだけで(特に育ての親が亡くなるシーンとか)ツッコミどころとか気になり過ぎた映画だったので……
ただし、気になる所はそれなりにありました。
①カタルシスの少なさ
…今回のスーパーマンは「クラークケント(カルエル)がスーパーマンとして活動してから3年後の世界」が舞台になってるんですが、
その結果敵役に対策されまくって終始ボッコボコにされます。
特に(予告にもありますが)冒頭でいきなり負けてから始まります。
それだけなら良かったんですが特に前半は「スカッと活躍するシーン」が無いので結構盛り上がりに欠けました。
あと後半もジェームズガン監督特有の?「外し展開」みたいなのが要所にあるので「おまえかーい」とか、「いやそこは◯◯しろよ」みたいなツッコミを入れてしまいました。
ネタバレになるので避けますがグリーンランタンとスーパーマンが後半の盛り上がりどころで出てくるのは逆にして、後から合流でも良かったと思います。
②説明の多さ
…これは序盤からラストに至るまで説明台詞が多過ぎて「いや、見せろよ!」ってなります。
特に冒頭なんかぜーーんぶ字幕です。
ほんのちょっとでいいから「序盤にスーパーマンが活躍して民衆から慕われる」でも良かった気がします。
あとレックスルーサーが悪事を種明かしするシーンですが中盤のところは見せるだけ見せて特に説明とかしなくても観客はわかったと思うんですよね。
(それでルーサーの誇らしげな顔を見せてスーパーマンと取り止めのない会話をするとか)
全体的に説明台詞が多いのでくどく感じます。
最後のスーパーマンのメッセージも個人的には要らなかったかな。散々それまでで「超人的な力を持っていても…」って場面を見せてるし。
「最後に『それまで罵声を浴びせてきた』市民から拍手が贈られる」
とかも欲しかったかも。
③SNSによる攻撃
…ここら辺は「なんかの暗喩か?w」と笑ってしまいましたが、
これだと「黒幕が全部アンチ活動してたせいで嫌われてるように見せてた」だけになってしまうんですよね。
あくまで「黒幕は表立って(巧みに)ロビー活動をしてただけ」に留めて、そのせいでスーパーマンアンチが増えた(=スーパーマンを精神的に追い詰める事ができた)というふうに見せた方が、
「スーパーマンだって傷付くんだ」
「どんなに良く見える行動にもそれを見た人々の中には賛否が生まれて、それが世界中に拡散される事で憎悪や嫉妬といった負の感情がソーシャルネットワークやメディアを通してブーストされるんだ」
という現代の負の面や「スーパーマンの人間味」を表せたんじゃないかなぁと思います。
気になる所が多くなってしまいましたが、
良かったところも多分にありました。
❶役者陣のキャスティングと演技
…これは文句のつけようがないと思います。
スーパーマン役のデビットコレンスウェットさん、誰がどう見ても「スーパーマン」でした。
ロイス役のレイチェルブロズナハンさん、レックスルーサー役のニコラスホルトさん、その他脇役やスーパーマン以外のヒーロー達に至るまでめちゃめちゃ印象に残りましたし、
良い味を出してました。
特にレックスルーサー役のニコラスホルトさん、「嫉妬」と「ビジネス面での成功への野心」といった感情がグチャグチャになってるキャラとしての説得力が凄まじかったです。
最後の彼の見せる表情とかも序〜中盤で見せるスーパーマンとの対比でグッときました。
(キャスティングと演技で項目分けようかと思いましたが長くなるので統合しました)
❷ギャグシーンの効果的な演出
…ジェームズガン監督の「外し演出」って使い所によっては良くも悪くも見えると思っていますが、
今回は(前述の部分を除けば)なかなか良かったと思います。
後半の戦車を「中指立てながら」ひっくり返すシーンとかはめちゃめちゃ好きですw
あとはエンドクレジット後の"アレ"とかもそこそこ良かったですね。
❸中盤以降のエンジンのかかり具合
…一個あげるとしたら予告にもあった「戦火の中にいる少年たちがスーパーマンの旗を掲げるシーン」でしょうか?
あそこは予告以上にカタルシスを感じる場面でした。
あとはスーパーマンが後半、崩れゆくビル群を食い止めて人々を救ったシーンも劇伴も合わさってかなり良かったですね。
もっと欲しかったですけど「完全に無い」って訳じゃなかったです。
こんな所でしょうか?
総じて「気になる所はあるものの、ちゃんと面白かった映画」でした。
最近はアメコミ映画ってケチがつきがちでしたので、
再出発した甲斐があったと思える一作でした。
ただ仕切り直し一発目がこの作りなのはそんなに良くなかったから言いたい事も出ちゃったのかなぁ…と。
「パシフィックリム」にあった不満点の「50話ある特撮モノの1話冒頭と最終回だけ見せられてる感じ」に近いモノを感じました。
(今作は50話ある特撮モノの30話〜35話を見せられてる感じでした)
とにかくオススメできる一本です。
2025年7月30日追記:
昨日、吹替版でも観てきました。
主要キャストから脇に至るまで実力派でキャラにぴったりな声優さんを当てていると感じました。
Mr.テリフィックの声優さん(諏訪部順一さん)の演技はちょっと実際の俳優さんと演技の方向性は違いますが、
「冷静沈着に見えて意外と繊細で焦ったり怒ったりもする」という部分に「コミカルさ」をちょい足ししてて、アレはアレで良かったです。
「吹替版で見たい」「どっちで見ようか迷ってる」という方は気にせずフィーリング(+前述した声優さんのちょい足しをどう思うか)で選んで良いと思います。