劇場公開日 2025年7月11日

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「新時代に贈る、最強ヒーロー。」スーパーマン しゅわとろんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 新時代に贈る、最強ヒーロー。

2025年7月22日
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鑑賞方法:映画館

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その名を知らない者はほぼいないと言って良い超有名アメコミヒーロー、「スーパーマン」。新たなDCユニバースの1作目となるという本作だが……期待を遥かに超えた素晴らしい出来栄えだった。

冴えない新聞記者、クラーク・ケント。彼の正体はクリプトン星からやってきたヒーロー、スーパーマン。地球の為に数年前から戦ってきた彼は、謎の超人「ハンマー」に初めての敗北を喫する。しかしそれは悪の天才科学者、レックス・ルーサーによる陰謀の始まりに過ぎなかった…。

新シリーズの1作目でありながら、ヒーローには欠かせないオリジン(=誕生秘話)のエピソードを省いているのが大きな特徴だ。これにより作劇上の制約がかなり取り払われ、ドラマに割く尺を大きく増やす事に成功している。結果出来上がったのは、自らのアイデンティティに悩むスーパーマンと、それを支える人々の王道物語だ。難しい要素も少なく、シンプルながら奥深いストーリーに仕上がっている。戦争や政治の腐敗により「正義」のあり方が問われる時代に、それでも人の善性を信じる真っ直ぐなヒーローの物語が胸に響く。
スーパーマンをイマドキに翻案するに当たり、「情報媒体」が大きく活かされているのもニクイ。
ヒーローがSNSの誹謗中傷とも戦う羽目になるというのが非常に現代らしい。そしてそんなスーパーマンを救うのは、SNSとは対極に位置するオールドメディアたる「新聞」を作る仲間たち。この対比も中々良く出来ている。また、味方キャラクターのほぼ全員に見せ場が用意されている為、「不要なキャラクター」が全くと言っていいほど居ない。本当に良く出来た脚本だ。

ヒーロー映画には欠かせないアクションシーンもド迫力。進化し続けるCG技術を惜しげもなく使い、超高速で繰り広げられる空中戦闘や、飛び交う超能力を表現している。ドラマと戦闘がどちらかに偏り過ぎない絶妙なバランスも良い。2時間ダレる事なく鑑賞出来た。

アメコミ映画らしくサプライズや小ネタも豊富。予告編では殆ど明かされていないキャラクターが数多く登場したり、標識に小さく書かれた地名にニヤリとしたりと、コアなファンも十分楽しめる。

新生DCユニバースの1作目としてはこれ以上無い出来と言える。次回作はどのキャラクターの映画になるのだろうか。今後が非常に楽しみだ。

しゅわとろん
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