「理不尽なほど強い、映画における新たな仮想敵、最強のメンタリティ」スーパーマン たいがさんの映画レビュー(感想・評価)
理不尽なほど強い、映画における新たな仮想敵、最強のメンタリティ
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この作品はあまりにも強すぎるし、あらゆる搦め手を無効化する。
物語の役割は、それを鑑賞している時間に鑑賞者をその世界に飲み込み、没入させ、ねじ伏せ、その後の人生の時間を豊かにすることだ。この映画は真っすぐそれを追求している。もちろんそのような作品はまさに星の数ほどあるが、とにかく真っすぐで威力が高すぎる。
日本も同様であるが、2000年以降にリアル路線や、ジャンルへの解体によって模索や、一般ウケを獲得して、昨今再構築が始まった。あらゆる逆張りをその威力で否定する順張り力がある。パワー・速度・安定感がまさにスーパーで隙が無い。これを超えるにはさらなる順張りを模索する必要に迫られる。
またジェームズ・ガン監督の作品は初鑑賞であるが、魅力的なキャラクターとそれを断片として伝えることも非常に上手で「スーパーマン」という象徴と、クラーク・ケントという人間を描くということをやり切った素晴らしい脚本だとも思える。ケントは非常に幼児的に真っすぐであると同時に大人であるというバランス感覚も良かった。
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