「ジェームズのチョコレートボックス」スーパーマン shin-zyさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェームズのチョコレートボックス
いかにもジェームズ・ガン監督らしい作品でした。
とにかく色々な要素が詰め込まれていて、次は何が飛び出してくるのかと観ていて楽しかった。いえ、楽しいシーンばかりでもないのですが(他国の紛争への介入問題とか本物の両親の真意とか)、これまでとは全く違う驚きと興奮を得られる「新たな」スーパーマン映画でした。
まず、スーパーマンが圧倒的なパワーで無双しないところが良いです。敵に苦戦しリアルに傷付く。瀕死の状態でボロボロになりながら、時にはクリプトというスーパードッグに助けを求めたり、助けられたりする。暴れん坊のクリプトに振り回されて手を焼く姿もまた微笑ましい。
さらに、すでに地球に存在しているグリーン・ランタンを筆頭にしたギャングという名前らしからぬヒーローチームの活躍にも目を奪われます。
スーパーマンが単に孤高のスーパーヒーローではなく、何やら犬とか他の楽しい愉快な(?)仲間たちと共に戦う、という構図が新鮮で見ていてワクワクしました。
敵のレックス・ルーサーも武闘派実戦部隊と科学的分析攻撃部隊をそれぞれもち、天才的頭脳を、アナログ、デジタルとあらゆる手を使ってフルに活用します。こういうところもとても現代の風潮にマッチしていて、敵ながら何か憎めないところがありました。
このそれぞれに仲間を得た善悪の者たちが繰り広げる戦いは、どこか自由で柔軟性に富んでいて、これまで見たことのないような爽快感がありました。
ガン監督の傑作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の地球版みたいで、しかしスケールは充分に大きいという、改めて監督の力量とセンスには脱帽です。音楽もさすがの素晴らしさでした。