「TVに映ったアイツ」スーパーマン Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
TVに映ったアイツ
彼の作品にはいつも多くの動物(クリーチャー含む)が登場するが、犬だったり、リスやカメなどがちょこちょこ出てくる辺りはクスッと出来る。脚本を完成させる前から映画は作らせないというガン監督のこだわりで製作された本作、彼らしい軽いノリではあるが決して薄くない人物描写と、スーパーマンとしての葛藤、苦悩、本人の意図ではない情報の撹乱など、現代風の問題を反映させたストーリー展開はとても感情移入出来る。過去作を鑑賞しても結構スーパーマンは可哀想な目に遭ってたりするものだが、スーパーマンの始まりから描くのでは無く、"もう超人らが居る"という世界観でスタートする本作は、それら過去のイメージをそのまま引き継いでいる様だ。
まぁこの期に及んでスーパーマン完全初心者がいるかは分からないが、黄色い太陽の力とかクリプトナイトとか、相棒のクリプトとかをドーンと見せられても何のこっちゃ分からない人も居るだろう。スーパーマンありきで始めるところの問題点はそこだが、分かりやすくまとめていた為、"そういう物なのか"と鑑賞者も区切りが付けられるのではいか。個人的にはもう少し髪型をイジらてたグリーン・ランタンとの関係性を掘って欲しかったが、それらはグリーン・ランタンの単独ドラマなどで描かれるのだろうか。「ジャスティス・ギャング」の面々もこれから増えていく予定で、ジェームズ・ガン版「ジャスティス・リーグ」の実現もあると思うが、今の作り方ならば受け入れられる気がする。ヒット作はあるものの、全体的には成功とは言えなかった前回のDCEUも、新生スーパーマンの「マン・オブ・スティール」から始まり、「ワンダーウーマン」、「アクアマン」等を生み出したが、同じ過ちを繰り返さない為のテコ入れの為、ジェームズ・ガンの手腕で蘇らせて欲しいものである。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、「アベンジャーズ」等を経験してきた彼だからこそより慎重になるだろうし、マーベル作品との差別化狙っているはずである。マーベルは何と言っても映像が物凄い。何やかんや言ってもハリウッド映画の凄さが分かる。そのかわり人物描写がありきたりな程度な割にはですぐ超複雑なマルチバースに組み込まれる。一方でDCは何故かCGやVFXにそれ程魅力を感じない。今回はまだマシだが散々の結果だった「マーベルズ」の映像の方が鮮明に記憶に残る。DCのヒーロー映画は観始めると「あ、この映像の感じだ」といつも思う。それで笑いどころは少なくて意外と暗い。そのかわり人物描写は丁寧(一部除く)のイメージだ。さてこの2大アメコミを牽引する事になった彼がどういう戦略を立てるのか。その手腕やいかに。
最後に、彼の作品は特にユニバースとか複雑な事を置いておいても、過去の自分の作品のキャラを一瞬出させたりする傾向があった。例えばマーベルを一瞬クビになったヤケクソで作ったダークヒーロー・ホラーの「ブライト・バーン 恐怖の拡散者」には「SUPER/スーパー!」の凸凹コンビなどだ。それがなんと今回はアイツである。このシーンは1番笑わせてもらった。
コメントありがとうございます
そうです笑
「ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、再集結」で良い味を出してた彼です
平和のためならどんな暴力も辞さないお前が言うな!って思いました