「愛すべきバカが「おバカがおバカで何が悪い」と叫ぶ映画です」スーパーマン けんじん∞さんの映画レビュー(感想・評価)
愛すべきバカが「おバカがおバカで何が悪い」と叫ぶ映画です
この映画を見るまですっかり忘れておりましたのは、スーパーマンって地球にいるからスーパーなわけで、母星のクリプトン星にいたら並のクリプトン人、一般人なんですぜってことでして。
並々ならぬ経済力と社会的地位のある立派なご両親の、これまた並々ならぬご配慮のおかげで地球に送られてみたら、その子はあっさり「スーパーパワーゲットだぜ!」状態になっちまったもんですから良くも悪くも思慮も浅くなるし、脳筋にもなるってもんよ。
それでも非行に走らず真っ当な人間に育ったのは、ひとえに育てのご両親の賜物ですが。
とはいえ、幼少期からどっぷり爺ちゃん婆ちゃんの過保護すぎる愛情に守られて、そのうえ持って生まれた体力で無双してきたでしょうから、きっと勉強も努力も大してしていないはず。
全校女子からキャーキャー言われる高身長のバスケ部キャプテン男子(但し学力は下の下)みたいなもんで、強くてカッコよければ大抵のことは乗り切れるものですわ。
本作のスーパーマンさんたるや、地頭も忍耐力もかなりそれなりっぽいし、クリプトン星にいたら絶対にFラン大卒レベルで、ビッグスリーを飛び級・首席で卒業してそうな天才レックス・ルーサーから「脳筋が大きな顔すんじゃねぇよ」って思われるのも無理はないわな。
そんなんで前半は、おバカなスーパーマンと、全犬への誹謗中傷レベルで間抜けすぎる究極のバカ犬・クリプトにガチで頭を抱えました。いや、マジでこんなバカ犬、見たことない。
それに加えて、一般地球人が正常性バイアスかかりまくりの危機意識ゼロのインスタ蝿と、フェイクニュースに0.1秒で騙される境界知能な方々と、とりあえず楽しければ何でもいいじゃん系のパリピしかほぼほぼ登場しないので、正に中盤までは、おバカfeaturingお間抜けの人類総アホアホ状態の地獄絵図が展開されます(ガチで途中で席を立ちたくなったよ)
だがしかしだ!
このおバカスーパーマンが、最後の最後でレックス・ルーサーにお言葉を述べられるのですが、意訳すると「おバカがおバカで何が悪い。これでも毎日、一生懸命生きてんだよぉぉ」ってことなのよ、ひええええ!
いやもうさ、このセリフを敢えてスーパーマンに言わせるために徹頭徹尾徹底的にバカに描いたこの「スーパーマン」。嫌いを360℃、、、じゃない180℃回って大好きになったわ。
そうなんすよ、世界は一人の天才で回っているのではなく、80億人の一生懸命なバカが回してるんすよ、ちょっと絶望的だけど。
、、、なんてことを思いました。
そんなんで、頭からっぽの方が夢詰め込める(チャラ〜ヘッチャラ〜)の姿勢で見ないと、ちょっとキツイかもしれないですが、「考えるな、感じろ」で観ればそこそこ楽しいです。褒め言葉です、ハイ