「想像通りのポップなスーパーマン。」スーパーマン ザ・アナキストさんの映画レビュー(感想・評価)
想像通りのポップなスーパーマン。
こうなることはわかっていたが実際見ると中身が無さすぎてとにかく軽い。過去に何回もやってる物語だから説明は飛ばしてさっさとvsレックス・ルーサーをやるのは構わない。ただ肝心の物語が軽くて何にも感情に訴えかけるものがなかった。キャラクターもコミカルになってカッコいいという感じで見れなくなった。
この感じは大嫌いなマーベルだなと思いながら次回作は観るのは他の全ての見たい映画を見てからで良いやと思った。ザック・スナイダー監督は新たな視点でスーパーマンを描いてモダンナイズしてくれたけどジェームズ・ガン監督はギャグ入れて軽くしただけ。そうせざるを得なかったの仕方ないのかもしれないが。彼の観客が求めているものを描ける嗅覚の良さは評価したいが私が見たいのはちゃんとしたストーリーとカッコいいデザインのキャラクターでどちらにも応えてくれないガン監督は「ブライトバーン」でくだらんホラーやってる方が好きだったなぁと思ってしまう。あとアクションシーンの撮り方がなんか微妙。ここもザック・スナイダー監督の方が優れている。
とは言え、スーパーマン役は良かったし(イライジャ・ウッドとブレンダン・フレイザーを掛け合わせたような顔してる)レックス・ルーサー(こちらはジェシー・アイゼンバーグを更にイケメンにした感じ)もキャラクター的には面白かった。ムスリムらしき市民の男性が「私は君を信じている!」と最後まで叫んだシーンだけはかなりグッときた。ムスリム差別が世界的に広がってきているけどムスリムの友人と観に行ったからこのシーンはなんか二人ともグッときてしまった。ただね、映画全体を通して極端に社会風刺を盛り込んでる気がして監督が人権派アピールみたいな「こういうのを求めてるんでしょ?」と言いたげなどこかブラックジョーク的なものを感じてしまう。正直あまり性格の良さは感じない監督。純粋さが足りないよ。何でも良いから自分らしくやれば良い。
全体的には私の好みではもうなくなってしまったしマーベルみたいにチャラくなっていくんだろうとがっかりしながらも大衆向けにスーパーマンという神話が続いていくと言う喜びの気持ちを込めて星3つ。あとはもう好きにしてくださいって感じ。私はザックスナイダー三部作で満足です。