「アメコミのトップ・オブ・ザ・ヒ-ロー」スーパーマン bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
アメコミのトップ・オブ・ザ・ヒ-ロー
初めて劇場版の『スーパーマン』を観たのが、今は亡きクリストファー・リーヴ演じる3代目スーパーマンが活躍した、1978年に公開された作品。自然に宙に浮かび、空を飛び、強靭なボディーとパワーが映し出されるハリウッド特殊撮影に、圧倒されたことを覚えてする。それから、主演が交代しながらも、今回で8代目のスーパーマンが、再びスクリーンに戻ってきた。やはり、アメコミ・ヒーローの頂点は『スーパーマン』だと思う。
これまでの『スーパーマン』は、勧善懲悪的な内容が多かったわけだが、本作については、現代の世界情勢を意識してか、国家間の戦争にスーパーマンが干渉し、戦闘を喰いとめたことが仇となり、スーパーマン自身が窮地に陥ると言う内容。また、絶対的に強さを誇っていたスーパーマンが、流れの大半でピンチとなり、本来のパワーを十分に発揮できない状況が続き、スーパーマンの弱さを露呈していた。
そして、SNSでの誹謗中傷、クローン技術、AI技術、国家戦争と武器商人等、現代社会の課題や闇の部分、一方で、両親やロイスを心から愛するシーンを盛り込むことによって、純粋の心を持つスーパーマンが、傷つき、本来の使命との葛藤に苦悶し、これまで以上に、人間臭いスーパーマンが描かれていた。
また、物語そのものも、冒頭からスーパーマンが敵のモビルスーツみたいな奴(何と名前が『ウルトラマン』と言うのだから笑ってしまう)にやられてしまうシーンから始まり、ロイスとの恋愛も既に育まれた設定となっていたのは、これまでとは違う展開。そして、スーパーマンにも相棒のスーパードック『クリプト』や、ちょっと太めの『グリーン・ランタン』率いる『ジャスティス・ギャング』が登場するのも、新しいシチュエーションだ。
今回の悪役は、天才科学者で大富豪のレックス・ルーサー。ルーサーは、自分にとって脅威となるスーパーマンを亡き者としようとして、地球を危機に陥れるような計画を遂行していた。そのルーサー役には、子役時代からスクリーンデビューし、『X--MEN』や『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にも出演していたニコラス・ホルトがつるつる頭で登場していた。そして、8代目スーパーマンは、デビット・コレンスウェットが、ジェームズ・ガン監督の抜擢で、主役の座を務めている。
とにかく、ハリウッドが誇るスーパーヒーローの復活を喜びたいと思う。
