劇場公開日 2025年7月11日

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「ジェームズ・ガン監督らしい新機軸」スーパーマン 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 ジェームズ・ガン監督らしい新機軸

2025年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ガン監督の新章はやはり変化球が効いていた。ジョン・ウィリアムズの伝統メロディを高鳴らせつつも、人物紹介や経緯描写のいっさいを放棄し、冒頭から「3」に拘った説明書きと共に、我々をストーリーの途上へと突き落とす。おそらく小さなお子さんが観たら理解不能だろうし、昔ながらの分かりやすさを求める人にとっても心地良い展開とは言えないと思う。だが私には面白かった。何より不確実性の真っ只中にあるこの時代に、ありきたりな物語の枠に収めず、戦争とヒーローを(あくまでエンタテインメントの範疇で)対峙させた点は評価したい。加えて今回の主人公は未成熟で悩みも多いが、後半にかけて徐々の共感できるキャラへ育っていく。それにガン作品ならではの仲間達も抜群に色を添える。集団であれ個人であれ、誰もが不完全で未知数で、しかし一所懸命。努力と変化の途上にあるからこそ人は面白い。その等身大の姿を活き活きと映し出した快作と言えよう。

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牛津厚信
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