「予備知識を0(ゼロ)で観ると…」サスカッチ・サンセット shin-zyさんの映画レビュー(感想・評価)
予備知識を0(ゼロ)で観ると…
映画館に置いてあるチラシに映っている2体の原始人(?)の姿と「A24」作品という情報だけで観に行きました。
結果として、そのおかげで楽しめたかなと。正しい見方、楽しみ方ではなかったかもしれませんが…。完全なる勘違いのまま鑑賞していましたからね。
鬱蒼とした奥深い原生林の森の中で4体の猿もどきの生き物(オスかメスか分からん)が画面に出てきたところから、あ、これは最初の人類が現れた頃の先史時代の物語なのかな、と思ったのが勘違いの始まり。
その後、人目(?)を憚らず雄雌が交わりだしたり、森に生えている植物とかを恐る恐る食べてみたり、毒にあたって悶絶したり、と正に野生の姿が生き生きと映し出されて、ああ、人類てこんなふうに色々な経験を経ながら進化していったんだな、と能天気に考えていました。
しかしながら、なぜ今さらこんな物語が映画に?と多少の疑問は頭に浮かびつつ、ちょっと退屈しかけたところに、急に舗装した道路が現れ、え?これは一体どういうこと?とちょっとしたサスペンス感が出てきて(あくまでも勘違いの元で、です)、無人のテントが出てきた時点では、これはもう、何らかの謎の現象が起きて人類がこの世から消えたに違いない!、一体何が原因なのか?何が起きたのか?と、かなりスリルを感じながら観ていました。けっこうワクワク、ドキドキ感がありましたが、この時がこの映画の鑑賞体験の中でいちばん楽しくて幸せだったかも…。
しかし、ラストのほうで「ビッグフット」の看板と文字が出てきたあたりでようやく自分のアホな勘違いさ加減に気づきました。
それでも、全くひとけがなく、限界集落の打ち捨てられたような建物が虚ろに映し出されていたので、この時点でも、まだ自分の中ではサスペンスフルな、なんだかよく分からない「謎」が明かされるのを期待せずにはいられませんでした。
しかし、その希望もむなしく、画面ははかなく無情にフェードアウト。
結局鑑賞後にネットでこの映画の情報を読んで事の次第(作品の骨子)が分かり、なんや、そういうことなんかい!、と脱力してしまいました。
あんな思わせぶりに、ついさっきまで人がいたような無人のテントやビッグフット記念館みたいなシーンを挟み込むなよ!とツッコミを入れたくなりました。
勘違いしていた自分が恥ずかしくはなりましたが、その勘違いを元にあれこれ想像を働かせながらそれなりに楽しめたので、まあ、良かったかな、と負け惜しみを言ってみる…
というわけで(?)悔しまぎれの星5つ!
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。