劇場公開日 2025年5月23日

「「カルトムービーを作ろう!」と思い立って作った駄作」サスカッチ・サンセット jin-inuさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0「カルトムービーを作ろう!」と思い立って作った駄作

2025年5月24日
PCから投稿

主役はアメリカの山奥で暮らすビッグフット4頭。春夏秋冬の4幕構成ですが、ストーリーはありません。交尾、事故死、溺死、出産など彼らの生活の様子が淡々と綴られます。

火と言葉は使いませんが、直立二足歩行、道具の使用(棒きれや石などのみで加工はなし)、数の概念(3つまで),ドラミングと歌、埋葬と弔い、シェルター作成、狩猟採集生活など、原初の人間に近い彼らの暮らしぶりを観ていると、ホモ・サピエンスじゃない人類がもし絶滅せずに生きてたらこんなだったのかなー、と思えてきます。映画というより、まるでNHKの教養番組を観ている気分。時々小ネタが挟まれますが、笑いを誘われはしませんでした。

彼らが人間と違うのは「右手と喋る」という不思議な特殊能力を持っていること。彼らは右手の声に従って行動します。

歌とドラミングで通信を試みているようですが、彼らの仲間は現れません。人間文明との接触もあり、どうやら彼らの絶滅は近そうです。だからsunsetなのでしょうか。

あと、ソニーのラジカセを耳に当てるシーンは、チョロ松のウォークマンCMのオマージュでしょうか。

「Willow Creek-China Flat Museum & Bigfoot Collection」という実在する博物館前にたどり着いて映画は終わります。この映画にはなにか哲学的な意味とか、深遠な狙いとか、そんな製作の意図があるのかも知れませんが、どうでもいいです。製作総指揮のアリ・アスターさんはかまってちゃんであり、監督作「ボーはおそれている」は「ボーは分析されたがっている」映画でした。本作も、監督は違っても、やっぱり変わりません。観客を楽しませるんじゃなく、解釈されたがっている映画です。解釈したら負けです。

あと、全編に流れるシンセサイザーサウンドのBGMが音量も大きすぎるし耳障りです。あれは大自然というより宇宙です。人工音じゃなく、もっと自然音を活かしたほうがよかったのでは?

jin-inu
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