劇場公開日 2025年5月23日

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「観る事に特化した映画」サスカッチ・サンセット かもしださんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 観る事に特化した映画

2025年5月24日
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鑑賞方法:映画館

説明臭い台詞に飽き飽きしている方々に朗報です。
この映画、全編に台詞なし。
観る事に特化した作品となっております。

導入早々、「人類創生」が頭を過ぎる映像展開でしたが、この映画は自然回帰へのメッセージが物語の底を支えており、数分で全く違う作品だと理解できてしまいます。
とはいえ、サスカッチ(獣人、若くは雪男)の家族ときたら食うか寝るか、ヤるかしかない三大欲求の塊みたいな存在。
自然回帰を謳うナチュラリストに「同じ生活ができるのか」と問いたくなるほど、退屈で過酷な生き方をしてましたけどね。

ただ、物語の方は退屈を避ける為、展開に工夫を凝らしてました。
春から始まり、夏、秋、冬と四章に分けられて展開する物語にはきちんと起伏が設けられており、夏で明かされる急激な展開に「そうだったの」という気持ちになりました。
人によっては呆気ない終わり方に感じてしまうかもしれませんが、作品の予備知識がないままに鑑賞した者にとっては夏からラスト・シーンまでの展開だけで充分に満足できてしまいました。
「いつかの日か、木を叩く返事が返ってくるといいですね」と彼らを応援したくなる締め括りでした。

かもしだ
バウンスさんのコメント
2025年5月24日

激しく共感です。この映画ほある程度の、映画知識や読み込みの技術を要する意味で「2001年宇宙の旅」と同様のシネフィルを試すような要素を含んだ作品かと感じました。A24、アリアスター好きだから見てみようかな、くらいの意気込みで見に行くと「え?なんも起こんないじゃん!ミッドサマーみたいなの期待してたのに!」的につまんないと評価する輩が出るのは想定内で「Netflixやアマプラの過去作見てるくらいで映画通気取ってるんだろうけどせめてU-NEXTくらいに充実したサブスクに加入して過去作見てから言いなさいよ」的なつまんないと、言ってる評判が多くて悲しいです。不親切な表現かもしれませんが分かる人には分かるそういう文脈の映画が好きなので個人的にはめちゃくちゃ面白かったとしておきます。突然のコメント失礼いたしましたm(*_ _)m

バウンス