「やはりどこか似ているかも」ケナは韓国が嫌いで penさんの映画レビュー(感想・評価)
やはりどこか似ているかも
決して家族が嫌いというわけではないのに、経済的、社会的、いろいろな意味で、追い立てられるような生活を余儀なくされ、生きづらさを感じていたケナ。移住先のニュージーランドは、気候が暖かく、アルバイトの賃金も、生活に困らない程度のものは確保でき、学生生活もそれなりに充実しているようでしたが、同じく故郷を捨て、豊かな生活を送っているようみえた同郷の韓国人家族の父親は「ココには何もない」とつぶやき、何故かあまり幸せそうにはみえませんでした。
2024年の世界の合計特殊出生率を低い順から並べると、香港0.8 韓国0.9 シンガポール1.1 日本1.1(推定)。このうち香港とシンガポールはいずれも都市国家型で住宅価格や生活費が高騰しているのが主因のようですが、韓国と日本はそれなりの国土があるにも関わらず、出生率が低迷している点で共通しています。
二国の共通点はともに儒教的な家父長制度の名残があり同調圧力の強いところでしょうか。でももともと、ゲノム解析では日韓の類似性が高いことは以前から明らかにされていましたし、最近の科学雑誌では、韓国人に縄文人の遺伝子をかけあわせシュミレーションすると、日本の現代人の遺伝子とほぼイコールになったとの記事も読みました。3万年ほど前の大陸と地続きだった時代から、互いに影響を与えながらもともと同じような歴史をたどってきたのかもしれません。
そういえば、「日本が嫌い」と言って、留学し長らく海外駐在をしていた人が私の近くにもいます。
異国の地で散った友人と、夢でジャンクフードをいっしょにお腹いっぱい食べるシーンが大好きです。「あんたそれにしても沢山食べるね・・・私、幸せってさ。みな過剰評価していると思うんだよね」といったケナのセリフが特に印象的でした。