「良い作品」ケナは韓国が嫌いで amaneさんの映画レビュー(感想・評価)
良い作品
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当然のように人々の心に根付いた格差、男尊女卑等々に息苦しさを感じたケナがニュージーランドへワーホリに行き、また行っちゃう物語。
ケナの両親役の俳優さんは、隠しきれない良いものを食べている筋肉、良い化粧品を使っている肌が貧乏な役に少し合っていないかも。
対して、何年も公務員試験に落ち続けた挙句、自殺した友人役の役者は、良いもの食べてない感じ、日に当たってない感じ、精神がギリギリな感じ、自信がなく人におもねる感じ...そして、競争社会で絶対人を蹴落としたりしないだろうなという人の良さがにじみ出ていて心を掴まれる。
女性達のスッピンと化粧した後のギャップも興味深い。
韓国の社会の闇が感じられる作品ではあるが、ケナ自身は貧乏な家出身というだけで、そこそこ良い大学を出ており、プロポーズしてくれる彼がおり、愛情深くご飯を作ってくれる家族がおり、良い会社に就職し、会社の忖度に対して上司に真っ向言いがかりをつけられる十分恵まれた立場である。
食べるシーンが幾度も印象的に現れるが、よく考えると韓国人といる時しか食事をしていない。
咀嚼する事=韓国人としての自分自身のアイデンティティみたいなものを咀嚼しようとしている、という意味か?
元彼と再会し一晩過ごした後の冷蔵庫に何も食べるものがない=もう彼からは得るものがないという意味か?
色々反芻して見終わったあとも暫く楽しめる作品。
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