フロントラインのレビュー・感想・評価
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薄れていく記憶を埋めてくれる作品
コロナ発生時にあれだけ取り上げてられていたダイヤモンドプリンセス号のこと、この映画予告を観るまでは少し忘れかけていました。
コロナ渦、医療従事者の方が感染者のためにどんな思いで最前線で治療をしていたのか。
医療従事者、船のクルー、マスコミ…いろんな人が、それぞれの立場からコロナと闘っていたのだとあらためて感じました。
今はコロナが日常と化しましたが、あの当時、未知のウイルスの恐怖を味わったこと、それを乗り越えて今があること…感謝したいです。
時間が経つとつらかったことを忘れることはありますが、決して忘れてはいけない事実を思い起こさせてくれる作品でした。
期待していた、小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介の共演。
映画のちょい役でいい味だす窪塚洋介の出番が多く、期待していましたが、演技に違和感。
作中、小栗旬を「ゆうきちゃ〜ん」と呼ぶ、性格軽そうなのにやり手というおいしいキャラなのですが、台詞が棒読みに聞こえる。
小栗旬と窪塚洋介は、これまで様々な災害時派遣を乗り切ったバディ感あるコンビ設定だと思うのですが、それも感じられず。
他の人の演技がよかっただけに、残念でした。
タイトルはもう少し分かりやすくても良かったかな?
たった5年で
1人でも多くの人に見てもらいたい作品です
無題
良い映画
多面的に捉えないと真実の実態は見えない
日本における新型コロナウイルス感染の起点となった豪華客船ダイアモンドプリンセス号で発生した集団感染を医療従事者にフォーカスして描いた重厚な作品である。当時はマスコミ報道でしか知り得なかった集団感染の実態に医療従事者役の演技派俳優達の迫真の演技で迫っていく。当時、マスコミ報道だけで集団感染の実態を判断した自分の未熟さが身に染みる。多面的に捉えなければ真実の実態は見えない。当時の真実を知る為に日本人として観るべき作品である。
2020年。船内で新型コロナウイルス感染が発生したダイアモンドプリンセス号が横浜港に入港する。当時、日本には新型ウイルス感染対策組織はなく災害医療のボランティア的医療チーム・DMATが急遽対応することになる。彼らは満身創痍になりながらも未知のウイルスに敢然と立ち向かっていく・・・。
劇的展開はないが、その方が作品をリアルに感じることができる。DMATのリーダー・結城秀晴(小栗旬)と医師・仙道行義(窪塚洋介)、隊員・真田春人(池松壮亮)、厚生労働省の役人・立松信高(松坂桃李)らが、コロナ患者を救うため、感染拡大を防ぐため次々に発生する難題を反発、衝突しながらも愚直に諦めずに乗り越えていく。船内のクルーも同様である。乗客の願いを叶えるために懸命に奔走する。集団感染の最前線にいる彼らは己の任務を愚直に全うしていく。揺るぎない使命感を貫く姿に自然に涙が溢れてくる。当時、我々が知らなかった真実を描くことで、集団感染の多面的な真実が浮き彫りになっていく。
コロナウイルス感染終息後に本作が公開された意義は大きい。今だからこそ、当時を客観的に捉え、冷静に振り返り多くを学ぶことができる。今後、更に強力な新型ウイルスが発生するだろう。今回の教訓を活かしたい。過去の災難の教訓を知力に変えて更に大きな災難を乗り越えてきたのが人類の歴史なのだから。
本作は、真実は多面的であり、一面だけでは真実の実態は分からないことを我々に強く示唆している秀作である。
1番ムカつくのは、自国語で喚き散らす外国人旅行者だった。
広く浅く
感染症が広がる船内。必死に治療にあたる医師たちや、乗客一人ひとりに真摯に向き合う乗務員の姿に心を打たれた。
その様子を見て、「あの時、自分にできることは本当に何もなかったのか」と自問自答し、悔しさと感謝の入り混じった思いで涙が溢れた。
ただ、主人公は対策本部に駐在し、現場の最前線には立たない立場。船内で指揮を執るのは別の医師で、下船後の搬送手配なども厚労省の職員が担っていたため、彼自身の苦悩はややぼんやりと描かれていた印象。
一方で、マスコミの描写はあまりにも“ペラい”。ペラすぎる(笑)。
ただただ世論をかき回して報道に注目させようとする姿勢が不快なのに、その後すぐ、誠実に働く医師や乗務員のシーンが続くことで、彼らとの対比がより鮮明になってしまっていた。
マスコミにも、彼らなりの信念や仕事への矜持があったはず。そこをもう少し丁寧に描いていれば、作品全体に深みとバランスが出たのではないかと思う。
そして窪塚洋介。はじめは誰だかわからなかったが、エンドロールを見て驚いた。落ち着いた渋い演技で、作品を引き締めるような存在感を放っていた。
今だからこそ、たくさんの人に見てほしい
映画にして頂きあの時の反省点など整理できた
ありがとうDMAT
そのラインを踏めるか?
「えっ、○○さんコロナ? あらあら…」そんな感じになった現在、薄れ...
「えっ、○○さんコロナ? あらあら…」そんな感じになった現在、薄れだしているあの頃の世の中を改めて思い出させてもらうに良いタイミングだったと思います。当時、生死をかけてコロナに対峙してくれた医療従事者や関係各方々の、我々が目にすることができなかった姿、事実(多少の演出はあるかと思いますが)をこうして伝えてくれた企画・制作者に感謝です。
冒頭からもう胸アツのセリフが行き交って小泣きの連続。また、頑張ってきた方たちからの思い、メッセージがセリフ一つひとつに込められていることをしっかり受け止めなくてはいけないでしょう。そして邦画においては大抵、エキストラ役か問題起こし役(悪役含)で使われやすい外国人客(役)にスポットを当て、ひとつひとつのサブストーリーの主役としてしっかり見せ場を作った脚本にも拍手。一番泣きました。
一点、気になったのは厚労省役人・立松 信貴(演:松坂 桃李)はどこら辺まで実在の方に似せたのかなと。あの融通の利かせ具合、年上とはいえ結城(小栗 旬)からの呼び捨ても官僚のわりに普通に受け止め、現場にも立ち入り、そこで自分がしたことに反省する好人物像。「厚労省も頑張った」は受けとめますが、エンディング間際の電話シーンは蛇足でアピールし過ぎ。せっかくのこの物語が、そういう意図・コンセプトで作られたのかと邪推してしまいます。
とはいえ、多くの方がコロナ禍の時代を共にしたわけで、振り返り、今後同様の事が起きた時に今度はどのように考え、行動するのか、その心構えを持ち続けるためにも観に行く価値のある映画だと思いました。
未知に困惑する現場の大変さを知る映画
人間だからこその愚と徳
人間の愚かさ
覚えてますか?
初期のコロナで感染防止の為に
隔離した豪華客船。
それを題材にした物語。
とにかく怖い。
感染も怖いけど一番は
マスコミとそれに乗せられる民衆。
自分の子供が何も悪い事してないのに
クラスで「バイ菌」と呼ばれる理由が
父親の自分が医者だから……って何?
心に刺さる辛い涙。
でも、
ヤバいネタほど人は集る。
倫理もなく数字を追うだけのマスコミと
他人の不幸が大好きな人間達の愚かさ。
自分も人のこと言えないよ。
そして現場は現場で
みんなの言い分が全然違うプロジェクトを纏める。
しかも世間ではバッシングされながら。
そして、失敗するとそこには死。
地獄だよ、本当に。
映画だから見てられるが
仕事であの現場に行ってたら
鬱になってる気がする。
このスタッフに
心の底から敬意を表する。
そして、映画としてもみんなに観て欲しい名作。
あまり日本映画では得意でないノンフィクション系の映画の傑作だと思う。
これがよく出来ていてびっくり!
多分、脚本も書いた増本淳というプロデューサーの力だと思う。
監督が関根光才で、昨年の「かくしごと」の監督。「かくしごと」は、あまりいい出来ではなかったけれど、映像や演出はリアルで、レベルが高いと評価していた監督だった。それが今回、実を結んだ。
普通の人々がそれぞれ緊急で初めての事象に対応しなくてはいけない状況で、嘘くさい演技をしていたら、台無しになるのは火を見るより明らか。
松坂桃李の官僚や、医師の小栗旬や池松壮亮、窪塚洋介が抑えた演技で良かった。(いわば「シン・ゴジラ」のあのノリ)
それで、「シン・ゴジラ」よろしくいろんな困難な事態に対処してゆく。それが案外エンターテイメントとなっている。後半のバスでの大移動は壮観であり、なかなか緊迫したシーンになっていたし。
ラストに事態が収束して小栗旬と松坂桃李がお互いお疲れ様と言っているところで、窪塚洋介が扮する仙道先生がもう北海道で医療に従事している姿が!これがカッコイイ。「ダークナイト」のラストシーンを思い出した。
窪塚洋介は、ラストだけでなく、全編を通してカッコよかった。さすがです。
松坂桃李が最初官僚の上から目線の冷ややかさを演じて、それが最後には小栗旬の医師に対して「先輩」と認め敬意を払っている演技も素晴らしかったし、それを受ける小栗旬がしっかりしているからこそ映えるのだと思う。
今回は、小栗旬が演技者の中でいい要になっている。池松壮亮も良かったし、その妻役の前田亜季は出番が少ないながら、リアルな演技をしていて好感。
森七菜は、英語が上手くてびっくり。可愛く良かった。無駄な演技をしない。いい女優になりました。
あまり日本映画では得意でないノンフィクション系の映画の傑作だと思う。これからも良質なノンフィクション系の映画を期待したい。(特に政治系)
この増本淳プロデュースの「THE DAYS」も見てみよう。
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