フロントラインのレビュー・感想・評価
全593件中、281~300件目を表示
働く事は尊い
「人の為に動くと書いて働くと言う」
と言われます。
その人とは?
仙道さんが結城さんに問いかけます。
厚労省の評価なの?
世間の評判なの?
そして
こんな事の為に仕事をしているんでしょ。
今働かないでいつ働くの?
向かう相手、人を見据えています。
結城さんも言い放ちます。
感染が怖くて辞めたいなら医療に従事する事から辞めてしまえば良い!
私の仕事は人の生き死にに関わる事ではありませんがコロナ禍では生活衛生環境を保つ為のエッセンシャルワーカーとしての自負が有りましたし職場の仲間にも言い伝えていました。
自分が出来る事を精一杯する。清々しいほどの仕事感に敬服です。
桃李さんは文科省の次は厚労省と官僚役が似合って来ましたね。また「雪の花 ともに在りて」でもそうでしたが誠実さを演じるのが上手いですね。
まただ…
もう長いことワイドショーやネガティブな動画やSNSなどから遠ざかっているので今現在のマスコミがどのような報道をしているのか分かりません
本当に今作品のようなアプローチで報道されているのでしょうか?
もしもそうなら「なぜ?」と思ってしまいます
リアルタイムで今の現状を報道する事に意味はあるでしょうがリアルタイムだとなぜ非難が先に立つのでしょう
当事者達を信用していないのでしょうか?
なぜ信用できないのでしょうか?
現場の方々だって頑張っているんです、もっと応援してあげたって良いじゃないですか
報道されるほどの現場です、とても過酷なはずです
応援してあげましょうよ
報道を見ている私達に責任があると思うのです
映画やドラマなら感動を呼ぶものが断然多いけどそれがなぜ報道となると逆になってしまうのだろう?
とても不思議です
人の心理とは不可解なものです
お金を出してでも感動したいのに
今もそこにある危機
私たちの生活や社会を一変させたコロナ禍の端緒となったダイヤモンドプリンセス号を題材にした、社会派ドラマの力作です。テーマを声高に叫ぶだけでなくエンタメ作品としても成立していて、2時間超の上映時間があっという間でした。これは、遠い過去の遠い国の出来事ではなく、ついこの間、私達の眼前で起こったことですが、コロナ禍が過去のものになりつつある今、この作品が製作された意義は大きいです。未知のウィルスに侵された乗客を満載した客船と言う閉鎖空間に飛び込んでいく、DMAT隊員の勇気もさることながら、彼らがボランティアである事に医師としての矜持が感じられ感動しました。一方で、未知のウィルスの恐怖から、隊員やその家族への差別、それを煽るマスコミの取材に対する問題も取り上げながら、未曾有の国難にあたり正しく情報を伝える重要性が指摘されます。これらの教訓があらゆる分野での危機管理に生かされているのか、DMATに限らず無私の精神で闘う人達への私達の理解が進んでいるのか、この作品で語られる危機は、今も存在していると思います。役者では、小栗旬はじめ主役四人は当て書きのような好演ですが、特に窪塚洋介の頼もしい現場指揮者がかっこよかったです。
冷静に振り返られる
コロナ禍の影響がほぼなくなった今だから、冷静に振り返るにはいいタイミング。
そう言えばそんなことあったよなと、当時は近くには住んでなかったが、それでも異様な不安を感じた記憶が戻る。
前例がない、ルールも決まっていないが、ただ目の前で刻々と悪化する状況を何とかしなければならない中で、適切な判断を下すことの難しさや厳しさ、それを一つ一つどうこなしたか、責任の範囲外で自ら現場へ赴いた医療従事者には頭が下がる。同じ立場だったとして自分が同じ行動を取れるか。何か別の災害が起きた時にどう動くか。
いわゆるお役人のイメージとは異なる、厚労省の立松の臨機応変な言動に対して、結城が徐々に信頼を寄せていくところが、個人的には最も印象に残った。
事実をベースに、過剰な演出を除いた内容で、今観ることに価値のある作品だと思う。
藤田医科病院の院長に愛知出身の滝島賢一をキャスティングしたのは狙いだろうか。
だとしたら、なかなか粋な計らいですね。
経験の無い感染症の恐ろしさと闘う
船上からマスクを脱いで深呼吸の空気の美味さ!
新型コロナウイルス感染症が蔓延る世界ではいちばんのご馳走かと思う数年間でした。
豪華客船で日本初の新型コロナウイルスの集団感染が発生して誰もが経験の無い世界に導かれて行きました。
未知とのウイルスに対応する経験も無かったDEATが批判を浴びながら治療に専念する姿に心を打たれました。
狭い空間の中でさまざまな患者・ドクター・看護師・クルーズ船のクルースタッフ、更には船外から司令塔となり政府や厚労省のスタッフなど正規な法律では解決出来ない難問を人道的な配慮と共に解決する強固な姿勢もなかなかましたね。
何よりもこのクルーズ船が新型コロナウイルス感染症の国内での蔓延の助長にすぎなかった事、多くの医療関係者がコロナ患者との接触・感染を疑われ差別を受けるなどあの忌まわしい時期を思い出してしまいました。
でも全ての人々が未知とのウイルスと戦いその道標となったのがこのクルーズ船での出来ことだったと思います。
絶望から希望へと関係者に感謝したいと思いました。
でっちあげ
森七菜が出てるやつは全部見ようと思ってたけど国宝に続いてこれかあ
どっちも嫌なテーマだ
仕方ないので短めのこっちを鑑賞
コロナ禍はマスクはしてましたが以前と変わらない生活をしてたんで
コロナは税金の無駄遣い医者が儲けただけワクチンは打たなくても罹らない世間が過剰に反応してるだけ
なのでこの映画はファンタジーだと思って見ることにしました
最近ではホラーのくせに実話って馬鹿なこと言ってるやつもありますし
そうするとこの映画はよく出来たヒーロー物ですコロナと戦うゴレンジャーです(ピンクは松坂じゃなく森七菜ちゃん)
感じ悪いやつもいるけど実はいいやつで協力して戦います
ぶつかる時もあるけど共に立ち向かいます
敵はコロナだけと思いきややっぱりゴミもいてすごく面白く作られてるので
陰謀論者もコロナは風邪派も反ワクの方も見てみてはどうでしょうか
損得でなく善悪で行動した人たちの物語
2020年、Diamond Princess号のCOVID封じ込めに関わったDMATのメンバー、英雄達の話。構成上は勧善懲悪的なヒーローストーリー
主人公目線で描かれたヒーロー物語なので、彼ら(DMATとサポートした厚生省、協力した医療機関の人々)にとっての善(正義)と、それに対する悪(障害、邪魔する人たち)が衝突する出来事が描かれることは当然。この映画の場合、これは正解。起きた出来事を時系列で追いかけ、視聴者が彼らの体験を追体験するようにストーリーは進行します
我々(視聴者の多く)は、このとき世界中で起きたことや、その後船の外の世界でおきた出来事を概ね知っています。複雑なサイドストーリーや凝ったプロットはないので、自らの記憶を思い出しながら物語に没入することができます
基本はボランティアで活動する医師・看護師集団で救急医療が専門分野あるDMATは、半ば厚労省に押し切られる形で専門外の感染症対策のフロントラインを任されます。一方、メンバーは危険で過酷な過重労働を強いられ、その家族たちは無知な一般市民のバッシングや、(必ずしも無知ではないが、確信犯的にそれを煽る)マスコミによって苦境に立たされる展開
一方で、劇同時に目の前で彼らに接する人達からの感謝や賞賛の声もしっかり描かれます
これ(バッシング)が当時DMATの身に降りかかったとは知りませんでしたが、この後、世界中の医療関係者の身に同じことが起きたのは周知の事実
描かれたのは、次々と現れる未知の状況に対して、それぞれのプロが何を考え、どう行動したか、のプロセス。100%の正解がない中で、何かを正しいと判断し行動しながらも、同時にその判断が本当に正しいかを常に疑い続ける姿。これはすべての大人に常に求められること
印象深いセリフがいくつかある
(ボランティアのDMATが対応せざるを得ない状況に対して)
「日本にはアメリカのCDCに当たる(感染症対策を専門に独立して管轄する)専門機関はない」
「なぜかと問われれば、それが人道的に正しいと思ったからです」
(『うちの病院がこれ以上感染者を受け入れるなら辞める、というスタッフが何人もいるんだよ』と言う経営者に対して)
「そんなのはやめればいい。この病院だけじゃなく、すべての医療現場から去るべきだ」
「みんな、こういう時のために医者とか看護師になったんでしょう」
この映画のメッセージは、
DMATの皆さんよくがんばったね、スゴイ!!
ではない
大人の皆さん、いつもの自分で考えて判断し行動してますか?
いつも、その判断が正しかったかどうか、反芻しながら生きていますか?
だと思います
ストーリーを追いかけながらも、頭の隅でそのようなことを自分事として考えながらの鑑賞となり、思っていた以上に濃密な2時間強となりました
P.S. (長くてすいません)
劇中、SNSで船内の検疫活動を「素人だ」と批判し、DMATへの誹謗中傷を助長する結果となった感染症の専門家や、それにやはりSNS上から異を唱えて世論を動かした専門家が描かれます
両者には、モデルとなった実在の医師が存在します
興味深いのは、両者がその後もそれぞれ現場の医師として、公に意見を表明していて、対談の動画なども公開されていること。互いの意見は平行線の部分はありながらも、それぞれが医療現場で働くプロとして、自身の考えや行政のあるべき姿を正々堂々と述べている
例えば前者は、当時の発言がDMATの活動にNegativeに影響したので、劇中では明らかに「悪者」として描かれています。しかし、主張は疫学的な(科学的な)視点からの、本来こうあるべきだ、の正論。言っていることは正しくても、その場の解決策としてベストかどうかは別の話ということ。なので、当時の救急医療の現場の背中を押す事はできなかったが、ではその主張は無意味かと言えばそうとは限らない
この映画は「火事場のクソ力」で緊急事態を乗り切った英雄達の話。しかし、映画は同時に、本来、医療現場は「クソ力」に頼るべきではない、というメッセージも発信しているように思える
今でも、国内だけでコロナ感染で年間2万人以上の人が亡くなっていて、これは(年度による変動はあると思いますが)インフルの10倍以上になるそうです
映画の出来事から5年以上経ったいま、
日本という国はコロナパンデミックの経験から何を学んでどう変わったのか、
「日本にはアメリカのCDCに当たる専門機関はない」の現実はどう変わったのか(変わるのか)
時間があれば、ネット上の医療関係者による発信や動画アーカイブを振り返ってみるのもオススメです。この映画の描いた現実を違う視点から考えてみる機会になります
大変な事だったなあ
まだコロナの怖さも対処法もよくわからない初期に起きたダイヤモンドプリンセス号の感染。政府もいきなり振られたDMATも大変だったろう。船内もみんなパニック。当時、ニュースもかなりの時間をかけて報道していたし、国中関心もって観ていたよね。
当時の医師やクルーに詳しく話を聞いて撮られたようだからほとんどが事実なんだろう。映画の中で厚労省の立松が臨機応変に対応してくれたけど、実際政府のお偉いさんはどうだったんだろう。映画はマスコミが嫌な役どころだったけど、そこは合ってる気もする。
船に乗った看護師の子供が保育園でばい菌扱いされてたけど、実際にもそういう事が問題になったことを思い出す。私も感染者として特別仕様のタクシーに乗って、ホテル療養した。仕事休んでる間、職場では私と接した人がどのくらいいるのか、監視カメラでチェックしたと後から聞いて、仕方のないことかもしれないけど嫌な気分がしたことを覚えている。
池松壮亮演じる真田が、船を降りて家に帰った時、感染を恐れて、妻が近づいた時に思わず後退りするが妻が優しく抱きつく場面はとてもいい場面だった。
私は愛知県民なので、藤田医科大学岡崎医療センターが乗客を受け入れたニュースは、凄い!と感心したが、映画ではその院長を滝藤賢一が好演。一区切りついた後、真田と2人で缶コーヒーを飲む場面もなかなか良かった。
外国の2人の兄弟のエピソードも感動的だった。
今の日常を感謝するために観るべき作品
良かったです。
いたずらに見せ場つくることをせず抑えた演出、俳優陣も実力者で固めていて客寄せパンダのような浮いた役も無い。音楽も良かった。基本的に皆が善人なのも良かった。
ややセリフ回しがゆっくりだったり、携帯やWEBでのやり取りのセリフが砕け過ぎだったり、役所や医療機関のやり取りがのんびりしていたり、小栗旬さんがポケットに手を入れすぎてたり伸びやため息をつきすぎだったりと気になるところはあったものの、
この映画が伝えたいテーマは存分に感じることができたとても良い作品だった。
まだ5年くらいしか経ってない当時の状況、ブルーシートや防護服の水色ばかりの世界を超えて今安心してマスクなしで周りの人たちと過ごせる現在があるのは、当時無私の貢献をされたエッセンシャルワーカー、サービス事業者のスタッフ、行政関係者、全ての関係者の皆さんのお陰です。
世界に感謝することを思い出すためにも一人でも多くの方に観ていただきたい作品でした。おすすめです。
船内の真実、それは人道的に正しいことの選択
日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した
豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基に、
未知のウイルスに最前線で立ち向かった医師や看護師たちの闘いを
オリジナル脚本で描いたドラマ。
2020年2月3日、乗客乗員3711名を乗せた豪華客船が横浜港に入港した。
香港で下船した乗客1名に新型コロナウイルスの感染が確認されており、
船内では100人以上が症状を訴えていた。
日本には大規模なウイルス対応を専門とする機関がなく、
災害医療専門の医療ボランティア的組織「DMAT」が急きょ出動することに。
彼らは治療法不明のウイルスを相手に自らの命を危険にさらしながらも、
乗客全員を下船させるまであきらめずに闘い続ける。
といったあらすじ。
たった5年ちょっと前の話なんですよね。。。
あの頃は未知のウィルス、死の恐怖、ソーシャルディスタンス、と
このダイヤモンド・プリセンスのあとは世界中が大騒ぎ、
まさにパンデミック。いまでは「コロナか」ぐらいになってはきましたが。。
そして当時、ダイヤモンド・プリセンスの中で起こっていたこと、
ニュースやマスコミ、メディア、ネットにどれだけ正確に伝わっていたのか。
それ以上に、自らの命や家族を省みず、人のために尽くす人たち、
医療従事者やクルー、そして厚労省の役人が必死になっていたことが
この映画を通じて、多くの人に伝わり、認識されるとよいな、と感じる。
未知のウィルスとの闘い、何が正しいのかわからない中、
彼らは人道的に正しいことを選択していく。
ルールを破れないなら、変えてみよう、とDMATの方たちも、厚労省の方たちも
いろいろなことにトライする。
マスコミやネットで扇動されようと、中傷されようが、人のために。
小栗旬さん演じる結城先生、松坂桃李さん演じる厚労省の立松さん、
池松壮亮さん演じる船に乗り込み対応する真田先生、
それぞれがそれぞれの立ち位置、人間性を演じ、本当に素晴らしかった。
ただ、それ以上に窪塚洋介さん演じる現場の指揮監督を務める千堂先生、
ぶれない心、強いメンタル、すごすぎでした。
そして、今のマスコミ、報道もそうだけど、
「どこか面白がっていないか?」と
結城先生が言い放った言葉。やはり、今のマスコミ、報道は大嫌い笑
光石研さんが嫌いになりそうだった笑
とても考えさせられる作品
自分の在り方を考えさせる
ほぼドキュメンタリー、涙、涙でした。
当時無責任に外から叩かれていた、クルーズ船の中の人たちの視点で描かれた、闘いと反論の物語。
当時の異常に緊迫した状況と、情報がなく報道に踊らされていたことを思い出す。船内で何が起こってるのか分からず、なぜ批判されてるのに反論しないのだろうとすら思っていた気がする。面白がってるメディアに反論なんてしてる暇ない、自分たちの仕事は命を救うこと。そんなギリギリの攻防であった内情を5年経ってようやく知る。そして、信念を持って闘っている人たちを見て、自分を省みる。自分だったら何ができたか?どう生きるべきなのか?これは、他人事にせず、一人ひとりが自分に当てはめて噛み締めるべきストーリーだと思う。理解が得られるかはともかく、全世界に見てほしい。。
人の作ったルールに縛られてないか?
自分が正しいと思うことが何か考え抜いているか?
正しいと思うことを、ルールを破り周りからバッシングされてでも貫けるのか?
人に責任を押し付けてないか?
命以上に大切なものはない、医療の現場では分かりやすい共通目標がある。ビジネスや人間関係にはそういった、たった一つの真実、優先順位はない、から余計にややこしい。皆違う価値観があって当たり前。そんな中で自分は何を考えるのか。
実際はもっと悩み、逡巡があったのかもしれない。でも危機的状況で、あのように臨機応変に動けるか?嘘をついてまで目的を完遂できるか?と考えると自分の芯のなさに恥ずかしくなる。
遠い異国の地で身内が感染し、最期を看取ることができないかもしれない不安。それで自殺までしようとした人にどう歩み寄るのか?感染が怖くなった医療従事者も責められない、けどそれが医療の本質、できないなら医療から離れた方が良いという結城医師の言葉もきっと真実。感染症の経験があまりない日本でそこまで覚悟を持っていた人たちはどれだけいたのか。それを乗り越えたすべての人たちに感服。
ルールと現場で闘う政府、検疫、専門家。
世間の評判や差別と闘う医師、受入施設、扇動するメディア。
映画なのではじめは分かりやすくみんな自分の都合で動く嫌味な人たち、から互いに目標を共有して歩み寄る方に変わっていく。松坂桃李の最初の態度はちょっとやりすぎな気も。。?でもあれが官僚っぽさなのかな?吹越さんと光石さんだけは最後まで悪役風味。
参考になったであろう特定人物の許可を得ていないらしい、とSNSではまた外野が盛り上がっている。ネットが悪い感情のはけ口となっているのは何も変わらない。もっと人に優しくあろう。。と皆が思うにはどうしたらよいのだろう。
余談: コロナ禍題材でいつも気になるマスクしてない問題で、初めて最後に「実際はずっと着用してました」とお断りがあって、スッキリした。映画だから俳優だからと分かっていながらその一言で気が済むんだなと我ながら不思議。
あと窪塚洋介良かった!池松くんも!
忘れてはいけない事
日々頑張っている医療従事者の方々に敬意を。
超高齢化社会と言われる昨今。医療は、どんどん求められるものであると同時に、医療従事者の方々の負担は増えていく一方。
そんな中、日々、患者さんのために尽力してくださっている医療従事者の方々には頭が下がります...
本作は、新型コロナウイルス対策がまだ確立されていない、未知のウイルスとして扱われていた頃、ダイヤモンド・プリンセスが舞台。
大地から隔離され、身動きのとれない海の上。感染は広がっていく。
そんなみんな不安な状態の中、立ち上がったのは、感染に対して専門知識を何ももっていない医師たちの医療チーム"DMAT"、『一人でも多くの患者を救う』医療における真髄とも言われる考え方を持った方々。船のクルー。受け入れ先の医療従事者の方々。
自分たちも怖いはずなのに、『他人のために、人のために』という善意が多くの命を救いました。
医療従事者の方々も、人です。コロナ差別、風評被害、怖いことがたくさんあったかもしれません。
そんな状況で、色々考えるより、やはり、人を動かすのは、『思いやり』かもしれません。
今、生きていることが尊いものであると、そう思わせてくれる作品だと思います。
人道的に正しいことか そうでないのかを判断すること
ダイヤモンドプリンセス号と聞いて、その名前を覚えている日本人は少なくないだろう、と思っている。
中国武漢で確認された、未知のウイルス。おもに呼吸器疾患を引き起こし当初は致死率も高く、世界をパンデミックのカオスに落とし込んだcovid-19。新型コロナウイルス。
2020年2月、ウイルス陽性患者を乗せた豪華クルーズ船が、横浜港に入港。その後船内で次々にクラスターが発生。およそひと月、船内で未知のウイルスに罹患、陽性発症した人々に対峙対応した神奈川DMATの医師や看護師、厚労省官僚の人々や客船のクルースタッフら、船内で何が起き、彼ら彼女達がどのように行動対応したかを中心に、事実に基づいて描かれた物語。
作品ではマスメディアの報道姿勢も並行して描かれる。
プロデューサー、脚本の増本淳は綿密な取材記録を行い、現場の状況を克明に再現している。
発生当初の混乱、次々に症状を悪化させていく陽性患者の人々、日本人だけでなく様々な国籍の人への処置の説明、
船外への救急搬送受け入れ困難…。
現場で発生する事象と、外縁社会との大きな乖離。
SNS社会、マスメディアの報道姿勢、現場を認識できていない社会からの対応への批判的言動。船内活動する人々、客船クルーの優しさ溢れる対応もしっかりと描かれ、また、看護師らへの差別…なども抑制の効いた演出で見せる。監督関根光才の手腕が光る。
改めて自分は何も知らなかったのだ、と突きつけられる描写の数々…。
当時の報道、ネットに溢れる刃のような言葉の嵐…。全てがそうであったとは思わない。が、TVスタジオという安全地帯からの無責任な言動など。それらに影響される私たち…。
キャスト陣も名優揃い。DMAT責任者演じる小栗旬。苦悩と葛藤の中、責任者として冷静な判断をくだす役どころを、抑えの効いた演技で魅せる。窪塚洋介、池松壮亮、彼らは演じている、ということを感じさせない、といつも思う。
厚労省官僚を演じる松坂桃李。冷たい官僚的態度と、的確な仕事ぶりを骨格の頑健さをもち演じていて好感。
桜井ユキ。メディア報道記者の姿勢を、最後には疑問に感じていく気持ちのゆれを好演。
客船クルー演じる森七菜、懸命さがこちらに伝わってくる。
脇を固めるキャスト陣も手堅い仕事をしている。
DMAT責任者演じる小栗旬のセリフが刻まれる。
目の前で起こっていることに対して、
人道的に正しいことか、そうでないのかを判断して対処するだけです、と。
自分に置き換えて考えてみる…。
人道的に正しいか、そうでないかの判断、選択をして生きているだろうか?と。
今作では、福島原発事故の際に発生した、高齢患者移送の悲劇が挟み込まれて描かれてもいる。そこで何が起こったか…。
目の前の命を救う、人道的に正しい行動…
深く考察を促す。
あの日々、あの時自分は何を感じていたか、その後のコロナ禍と言われる数年をどう生きてきたか。
今も新型コロナウイルスは変異を重ね、生き続けている。
コロナ禍は終わっているとは、私は思わない。
困難な事態を目の前に、本当の勇気、使命感を持って対峙した人々がおり、今も活動を続けている。
この映画で描かれたことが、全てではないにせよ
社会性と商業性を両立させた秀作。
多くの人に観ていただきたい作品です。
歴史の映画
どうしてみんな⭐️多いの?
医療従事者の想いを伝える
コロナの発端となったダイヤモンドプリンセス号の船内がどれほどの混乱と緊迫感の中にあったか、そして,そこで自分の不安と闘いながら乗客のために働く医療従事者の想いがとてもよく表現されていた。それが,ボランティアで組織されるDMATという人たちだということも、恥ずかしながら私は知らなかった。
未曾有の感染症災害の始まりに人々がどんなふうに捉えて,マスコミに踊らされ差別や偏見の愚かな行動にでたか、悲しいほどによくわかった。
言い訳せずにひたすら命を救うために動く医療従事者の方に頭が下がる。皆がこのことを知ることで、次に同じようなことがあった時,自分で判断して動けるようになりたいものだ。
最後に下船したというこの船の船長の思いがわからなかったこと。最後のテロップで、この後厚労省が実施した対策が紹介されなかったことは、少し残念だった。
全593件中、281~300件目を表示