劇場公開日 2025年6月13日

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「医療従事者の方々にあらためて心から感謝を込めて。」フロントライン コータローさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 医療従事者の方々にあらためて心から感謝を込めて。

2025年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

怖い

知的

ダイヤモンド・プリンセス号でのコロナ集団感染から、もう5年も経ったのかと思うし、まだ5年しか経ってないのかとも思います。
その間家族が罹患したものの一度は完全隔離に成功したにもかかわらず、半年後には別のルートから私自身も罹患してしまいました。好きだった志村けんさんや岡江久美子さん、また身近な人にもコロナの犠牲となった方は出てしまいました。当時毎日都道府県ごとに感染者数が発表されたり、マスクの買い占めが起こったり、マスクどころかフェースガードまでして仕事をしていた時期もあったりして、目に見えない小さなウイルスに世界がここまで苦しめられるものかと脅威を感じると同時に腹立たしさを感じたことを思い出します。その新型コロナも2年前には2類感染症から5類に移行されましたが、いろいろな部分で世の中も大きく変わりました。

「やれることは全部やる」DMAT、未知の病気による恐怖に対してただただ命を守るために自らを賭して立ち向かう人たち、それを支える家族や役人、船内クルーの皆さん、それぞれの立場のそれぞれのひたむきさ、一生懸命さに何度も静かに涙がこみ上げました。
私も医療に一部関わる仕事に携わっている関係で、当時お得意先から勧められて劇中の六合教授のモデルとなったであろう医師の書いた著書を読みました。「安心と安全は似ているようで全然違う。安心では感染は防げない」みたいな内容が印象に残っておりそれは間違ってはいないと思っていますが、本作を観て情報や時間や人的余裕などあらゆることに制限がかかっている中で実際はそんなこと言ってられる状況でなかったこともすごく理解できました。
映画だけに脚色はあるにせよ乗客の方も本当に気の毒だったと思いますし、DMATはもちろん自分や家族も助けていただいた身としてコロナだけにかかわらず、あらためて医療従事者の皆さんに心からの感謝が湧いてくる映画です。

余談ですが、窪塚洋介さんを久々に見て、やっぱり存在感があってカッコ良い俳優さんだなと再確認しました。

コータロー
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