「熱い演技をしない俳優と本物としか思えないダイアモンドプリンセス号」フロントライン Whiterockさんの映画レビュー(感想・評価)
熱い演技をしない俳優と本物としか思えないダイアモンドプリンセス号
上映開始からちょっと遅れたおかげで、F1に押されて(笑)大スクリーンでの観劇にはならなかったのですが、演出、映像(カメラ、照明)は良かったですね。特に、出だしの客船のハッチを開けると海保の巡視艇が居て、超広角?カメラをハッチを開けた女性船員から引いていくと客船の白い船舷がずっと続いてダイアモンドプリンセスの巨大さを映し出すところ。
話の筋は、だいたい当時の報道やその後の記事書籍で出ている通りなのでしょうが、それを乗船客と乗組員の隔離終了までに絞って、なるべく淡々と描こうとしているところが良かったような。演者もオーバーアクションがない、カメラにもオーバーリアクションがない。少々、医療設備や治療の出方が少ないようにも感じたが、どちらかというと非常に感染力と致死率の高かったコロナの初期パンデミックに対する医療関係者の対応とオールドメディアの下劣さや市井のコロナ差別を自然に描きたかったのかなと。今思い出しても、当時のワイドショーや一部のインフルエンサーの見せ方や言い方には気が滅入るし。
それにしても、この映画に出て来るダイアモンドプリンセス号はCGだと思うんですが、どう見ても本物にしか見えませんでした。船内も本物にしか見えませんでした。それだけ、CGも実写も照明が素晴らしかったんだと思います。
終わりの方で、藤田衛生大が岡山の開業前の新病棟で、全要隔離乗客の一括受け入れをするシーンが出て来ますが、後にそのときの様子を藤田大の医学生だった方が綴った本があり、それには大変感動しました。「最後の砦となれ」大岩ゆり著、ご参考までに。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。