「2020年2月横浜港、あの船で何が起こっていたのか。」フロントライン 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
2020年2月横浜港、あの船で何が起こっていたのか。
数年を経て、ダイヤモンドプリンセス号船内の感染者とそれに対応した人たちの一部始終を、当然ある程度のフィクションを含めて、あの船の中で何が起こって、どう対処したのかを描く。確かにあの時の日本国民の多くは、マスコミの流す情報のみを鵜吞みにし、対応した医療班を無能扱い(それがいかに無知であり失礼なことであったか)し、対岸の火事のごとく傍観者を気取っていた。自分もその一人であったことを猛省しなければいけない。そして、船のクルーや医療班たちに敬意を払わなければいけない。一度その責任を負ったならば、冷静に最善を模索し、そしてそれを速やかに遂行する判断と決意と行動力。見事だった。終始事態に対応していた医療班小栗旬、窪塚洋介、池松壮亮、役人松坂桃李ほかの熱演もさることながら、受入れ病院側の滝藤賢一の熱量が半端なかった。自然とほほを涙が伝っていたのは、それだけ訴えかけてくるメッセージが強かった所以であろう。
ただね、ここを解決したところで事態は収束したわけじゃなく、このあとすぐ、数年続く本当の混乱と恐怖はやって来たんだよな。ともかく、この時の彼らに惜しみない賞賛の拍手を。
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