「人道的に正しいこと」フロントライン かつのじょうさんの映画レビュー(感想・評価)
人道的に正しいこと
まだ記憶に新しい出来事(実話)が題材だから、行かなきゃなぁという気分で劇場に向かった者です。
想像の10倍見ごたえがありました。最初から最後まで緊迫感が続きました。
本来の専門職ではないのに、危険なウィルスと闘う最前線に立つことになったチームが、無責任なマスコミやネットの誹謗中傷にさらされながらも「人道的に正しいと信じること」のために体を張る姿に胸を打たれました。
思えば2020年にダイヤモンドプリンセス号の報道をテレビ他でみていた頃、私は日本に映画「アウトブレイク」に出てくるような感染症の専門チーム(システム?)がないことがショックでした。日本って一流国じゃないんだ…と、とっても残念だったような記憶があります。客船の状況も、ちゃんとした対処ができてるようなできてないような、よくわからない報道で、「なにやってんねん」「さっさと隔離して治療したらいいのに」と、書き込みはしなくても家族で話したりしていました。こんなにがんばっている人達のことも想像できず、ひどい言いぐさだったなと、自分が情けないです。
こうしてまだ当時の記憶があるうちに、この映画が公開されて良かったです。安全圏で気楽に文句を言うだけでなく、危機的状況の現場で闘う人達を、辛くてしんどくて投げ出したいのをこらえて人道的に正しいことをやろうとがんばる人達を、思いやって応援できる人間になりたいなと思いました。