「最前線」フロントライン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
最前線
ダイヤモンド・プリンセス号から始まった新型コロナウィルス、当時はそういう認識が強く、なんとか船内で収まってくれたらいいなと他人事のように思っていましたが、感染力はとんでもなく強くあっという間に日本中へ。
パンデミックなんてフィクションのようなものとしか思ってもいなかったので、何もかも分からない状態だったなというのを今作を観ている時にふと思い出したりしました。
コロナを食い止めるためにDMATという医療従事者で集まった団体が協力してダイヤモンド・プリンセス号に乗り込み、厚生省の役人と共に未曾有の危機を防いでいくといった史実に基づいたストーリーになっています。
チームのリーダーとして指揮を取るもの、現場での指揮を取るもの、患者の応急処置を行うもの、病院への交渉を行うもの、などなどそれぞれの役割を全うしても間に合わない足りないの連鎖が新型コロナウィルスの恐ろしいところで、そこにデマを流す医療従事者がやってきたり、マスコミが煽るような報道をしたり、SNSなどでの誹謗中傷が巻き起こったりと休む暇も無い恐ろしい事態の連発に気を病みましたが、現地にいた人たちはそんなの比にならないくらい気を病んだと思いますし、そんな中でも挫けずめげずに動き続けたというところを映画を通して知れただけでも間違いなく価値がありました。
船内は外国人が多いのもあってコミュニケーションが円滑に取れないというもどかしさもあり、その中で船内のクルーと共に協力して物事を進めていくというのも大変な状況下なのに手を取り合っていて関心しっぱなしでした。
感染者を助けるのと同時に感染者の家族のフォローもあったりと、現実ではもっと過酷だったんだろうという状況がビシバシ伝わってきて中々に辛かったです。
船を抜けた後も病院まで搬送するまでが大変ですし、近くの病院だけでは足りず、様々な病院に交渉しながら患者を無事に送り届けるというのは本当に大変だったんだなと思いました。
3.11の経験則がこの未曾有の事態でも活きてくるというのは日本の歴史ここにありだなと思いました。
作品内ではやはりマスクをしてないシーンが少しでもあると違和感が生まれましたが、製作チームが紳士的なのかエンドロール前にしっかりとその旨を書いており、その誠実さにこれまた胸打たれました。
新型コロナウィルスが大まかに収束して2年と少し、最初の発生からはや5年。
あの時は何年この状況が続くのだろうと不透明な未来に憂いていましたが、こうやってマスクなしで映画を見に行けたり、ライブに行けたりする日々はありがたい限りです。
エンタメとしても面白く、あの時知らなかった事を知れて勉強になったりとでまた一つ日本で起こった出来事について詳しくなれたなと思いました。
こうやって最初の発生を食い止めようとした人々たちのエピソードを綴ってくれて感謝しかないです。
鑑賞日 6/16
鑑賞時間 17:50〜20:15
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