「こ、これは!」フロントライン トーマスさんの映画レビュー(感想・評価)
こ、これは!
いわゆる、政治的な事情を感じる駄作。
見どころが......申し訳ないが、無い。
観終わって恋人と目が合ったら「・・・・。」思わず無言になり、その後話題に触れることなく、無かったことにする。いわゆるノーコメント映画。そんな映画でした。
DMATと厚生労働省の功績を称えるだけの映画。
やや極端に美化し過ぎなのが、気になりました。
安定の名俳優たちの芝居。イケメンたちで揃えてタッグを組んだ正義の味方チーム。対するは、明らかに意図的に悪意を込めた桜井ユキ以下マスゴミチーム。
ちっちゃい。ちっちゃいよ。その争い。
序盤に桜井ユキのセリフ。「面白くなりそうですよ。」
あまりに不謹慎過ぎるセリフが観る人を不快にさせる。
吹越満演じる教授が暴露動画をアップしたというくだりも
やや彼がなんの話をしているのか、説明が分かりづらく、
何がそんなに問題なのか、論点が理解しづらかった。
最後の方に、「それでダメなら脅してみます」「あの医者には騙されましたね」という誰かのセリフがあったが、これもまた悪意を感じるセリフで、不快感を覚えた。
あと気になったのが、
聴診器を患者さんの胸に当てるシーン。
芝居上医者の設定とはいえ小栗旬演じる偽医者にあのように直に
聴診器で胸を触られているのを見るのは不快感を覚えた。
それに、果たして正しい聴診器の当て方なのか... なんだかセクハラ感があった気がした。背中で良かったのでは?
なんというか、観てよかったと思えなかった。
アングルも割とルーズで、まぁ確かに役者の肉薄した演技などは少なく、それよりも状況を伝えるカメラアングルが最適解だったのかもしれないが、、ドンヨリはほぼ無く
メリハリに欠け後半少し眠気を感じた。もうちょっと一人一人をフューチャーさせて、眼差しをヨリで見せてキャラクターを立たせても良かったのでは。滝藤賢一とかただの性格のキツい脇役で終わった感。
そういえば、最後の締め方として
「乗員乗客無事退院して事なきを得た」的な終わり方で、
さも平和が訪れた、という終わり方だったが、
いやいや、、「後遺症で今も苦しんでいる人がいる」みたいなネガティブな話もこの病気を語る上では忘れてはいけないのでは?
美化された正義の役人医者ヒーローチームと悪意をわざと含まされた報道マスコミチームとの対比がちょっといただけない脚本で、チャレンジングなキャスティングも一切無く、イケメン俳優たちの安定した芝居も相まって、思い返しても見どころが全然思い出せない映画でした。高評価なのがちょっと謎。ますます事情を感じます。
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