劇場公開日 2025年6月13日

「その当たり前は、当たり前なのか」フロントライン 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0その当たり前は、当たり前なのか

2025年6月16日
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 この世界は好都合に未完成なのか、どうしようもなく未完成なのか、どう思うかで、見える世界は異なるようです。

 未知のウイルスに感染すると、以下の可能性があるそうです。

a)何も起こらない

b)発熱等、症状を伴いつつ、抗体を体内生成。ウイルスを駆逐

c)抗体が機能不全、あるいは過剰反応。重症化、後遺症、最悪、死に至る

 問題は、誰が、どのパターンになるのか、感染するまで分からないこと。ここに、ヒトは恐怖します。

 この恐怖こそ、次の問題となります。

 恐怖から逃れる為に、根拠の乏しい情報を元に他者排斥するのは、ヒトの本能です。この本能は、正確な情報より過激な情報に、強く反応します。フェイクニュースは、正確なニュースより、およそ6倍速く拡散するそうです。未知への恐怖からです。
 その一方で、不備のある装備でも、恐怖に立ち向かう知恵と勇気を持ち合わせるのも、またヒトです。時として、これまでの当たり前が、これからの当たり前の障壁となることも、あるようです。
 この映画を、ヒトの勇気を礼賛する映画と捉えるのか、マスコミをバカにする映画と捉えるのか、差別するしか能のない愚民映画と捉えるのかは、御見物に委ねられると思います。(私はヒトを思いやる、他者を大切に思うことは、すごく意味あることだと伝える映画だと、思いたいです。)
 ところで、この映画の感染学の先生、風評おじさん扱いでしたけど、風評広めたのは誰?。風評に乗ったのは誰?。あの先生から見たコロナ。風評に踊らされた私達から見たコロナ。それぞれの視点からのフロントラインで、映画化できそうですね。
 いずれにせよ、コロナ禍と云うパンドラの箱は、開きました。閉じることはありません。誰もが、大切なものを失いました。それでも今を生きる私達は、何を得たのか、何か学習したのか、この映画で思い出してみては、如何でしょうか?。次のパンデミックが来る前に、ね。

 未完成な世界です。できない理由探すより、できる方法探しましょ。あの厚労省の役人さん、偉くなったかなぁ。

 未知なる恐怖と闘ったすべての方に、謝意を捧げます。

「コンティジョン」
 コロナ禍を予言したような映画として有名です。併せご覧下さい。

機動戦士・チャングム
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