劇場公開日 2025年6月13日

「今後の災害に向けて全人類に見て欲しい作品」フロントライン Erinaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今後の災害に向けて全人類に見て欲しい作品

2025年6月16日
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鑑賞方法:映画館

医療従事者全員が報われた作品でした。
この事を映画にして、真実を伝えてくれたこの作品に感謝を伝えたい。今回は映画の感想というより自分の話になります。

2020年2月、日本で1番最初に発生した新型コロナウイルスinダイアモンドプリンセス号。
当時医療者として、気にかけていたニュース。
私自身、Covid-19の患者は何人か観てきたけど、最初の未知のウイルスだった時は、患者を観ることはなかった。

ただ、全部署から各3名ぐらいが感染病棟に行き、患者を観るかわりに、勤務変更や、病棟のスタッフが減った分、少ないスタッフの中での仕事にとてもしんどかったし、上司からの絶対クラスターにさせるな、病棟スタッフから感染者を出させるなという圧がとても辛かった。何より感染が爆発的に広がったパンデミックが起きる前は友人たちが遊んでいるところをSNSで見たり遊びに誘われて断って我慢していたあの頃は精神的に参っていた。
そんな中でのマスメディアによるデマ。最前線で未知のウイルスと戦っている医療従事者を批判し、医療のことも知らない人たちがSNSで叩いたり、医療従事者が家族にいるという事で差別化された、あの時を忘れない。医療従事者だって人間であり、家庭があって、そんな中でも誰も分からない中で働かされてと本当に辛い思いをしていたし、医療者同士で励まし合っていたのを思い出して、重ねたら涙が止まらなかった。
そんな中での結城先生演じる小栗旬のセリフがとても報われた。
だからこそ医療従事者は是非観てもらいたいし、医療従事者以外の人にも観てもらいたい作品。

私たちが普段どんな思いで働いているのかを、この映画でいいから知って欲しい。そして次の災害が起きた時、邪魔しないで欲しいと切実に思った。
私たちは常に患者のことを考えて、患者の周りの環境を考えている。家族のことだってもちろん考えている。パニックになるのはわかるけど私たちも必死に戦っていることを分かってもらえると嬉しいなと思った。

逆に、何も知識のない医療従事者ではない一般人だとこう思うと言うのもイライラはしてしまったけど、知れてよかったと思う。

今回映画に関わった俳優が本当に素晴らしかった。
まず、小栗旬の歩き方。DMATの統括官ということは救命救急医ということが考察でき、歩き方や情熱度が私が見てきた救命救急医そのものだった。
また未知とのウイルスと戦う医療者を演じるキャストの日が経つに連れてメンタルがやられていく表情もよかった。
そして私が何より褒め称えたいのが、
N95マスクによるマスク痕。
外の空気を吸い込まないためのマスク。空気を入れないためにとてもキツく調整するため跡がついたり、潰瘍になったりする。実際私も跡で顔が荒れたのも思い出した。また、誰も悪くないのに当たってしまう想い。そこを描いてくれたのはとても嬉しかった。

Erina
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