「マスコミってほんとに。。」フロントライン リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
マスコミってほんとに。。
ダイヤモンドプリンセス号の話、見てきました。
ごく一部を切り取っただけでしょうけど(きっと現場の過酷さはもっとあったんじゃないか、とは思いますが)
医療従事者と、厚生労働省の役人目線でそれなりに当時の大変さを表現してくれていたように思います。
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プリンセス号の乗務員の苦悩(お客様の気持ちを最大限汲み取りたいけど医療スタッフとの板挟みに合う)、
乗客の例として夫が感染した妻の苦悩、
小学生くらいの息子と2人旅だったけど持病の薬が必要な母(薬は早めに手配してもらえて良かったですが。。)
両親が先に感染し別病院に送られていて12歳と6歳くらいの兄弟だけ取り残されしかも陽性は弟だけ、という家族の苦悩。。
そして医療スタッフとして活動に加わったけどその妻や子を世間の目からどう守るのか、という問題。医療スタッフのおかけで患者は治療してもらえるけど、その子の通う保育園とかではその子が親からもしや感染してないだろうか、という疑心暗鬼の目で見られる。。
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これ、そういえば物流業界でも配達スタッフが同じようにバイ菌扱いされて酷かった、というニュースもあったように思います。
医療スタッフも物流スタッフも居てもらわないと困るのに、これじゃ携わる人いなくなってしまう、という問題。
色々と当時を思い出しました。
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そして中でも映画で印象的に描かれていたのがマスコミの姿勢。
現場の真実や医師や看護師の苦労とかよりも、「どうすれば記事が売れるかどうか」しか問題にしていない編集長。
いかにセンセーショナルな記事にするかだけ気にして、
隔離したらしたと批判。
隔離を解除したらしたで批判。
視聴者がいかに騒ぐような内容に出来るか、ばかり考えている。
一応、現場の記者のほうがその掲載方針に疑問を持ち始めてくれたので良かったですが。。
何よりも視聴者のひとりとして、
偏向報道は時にあるってこと、
意図的に仕向けられた報道かもしれないということ、
たとえそのニュース自体は事実だとしても実は全体像が全て語り尽くされていなくて本当は他に隠されていることもあるかもしれないということ、
マスコミ報道を鵜呑みにしちゃいけないと理解はしてるつもりですが、改めて「出回っていることだけ」を盲信しない感覚を忘れずにいたい、と思いました。
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そういえば当時映画館も、営業再開しても必ず座席1つずつ空けて販売されたり(必ず空いてることは逆に快適ではありましたが)、
解せなかったのは1人鑑賞にも関わらずとにかく本編始まるまでは、予告編の間はまだ座席でポップコーンとか食べないでください、とか映画館の鑑賞規制色々あったことを思い出しました。
いや、、1人ぼっち鑑賞だから誰ともしゃべらないので私の飛沫はスクリーン内に1ミリも飛ばないけど。。それでも本編まで食べちゃいけないのか。。ポップコーンはともかく、チリチーズポテトは熱いうちに食べ始めたいけど。。あぁ本編始まったらだいぶ冷めちゃったなぁ。。という切ない思い出(すみません、罹患した方の苦悩や医療関係者とかの皆さんの苦悩に比べたらポテトが冷めるくらい我慢せいや!って思われるでしょうね。。すみません)。
なんか脱線しましたが、コロナ禍ってライブハウス行くのも映画鑑賞するのも色々大変だったこと思い出しました。
このダイヤモンドプリンセス号の件は象徴的な1つの事例として忘れちゃいけないことだったな、と改めて思いました。
松坂桃李さん演じる厚生労働省の役人が、次第に融通を利かせてくれるようになったことはとても良かったです。