1918 戦争終結

2024年製作/100分/オーストラリア
原題または英題:Before Dawn

スタッフ・キャスト

監督
ジョードン・プリンス=ライト
製作
ジョードン・プリンス=ライト
原案
ジョードン・プリンス=ライト
ジャレッド・ラッセル
脚本
ジャレッド・ラッセル
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映画レビュー

3.0 「孫よ、惜しいなあ」

2025年11月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

2024年公開、オーストラリア映画。
100分。
原題は『Before Dawn(夜明け前)』
※日本国内劇場未公開。

【監督・製作・原案】:ジョードン・プリンス=ライト
【脚本】:ジャレッド・ラッセル

主な配役
【ジム・コリンズ】:リーヴァイ・ミラー
【トーマス・ニッケルズ】:トラビス・ジェフリー

◆個人視点の戦争映画

タイトルが示す通り、
第一次世界大戦が物語の舞台となっている。

「戦争映画」と書いてしまったが、
どっちが勝ったとか、◯◯作戦のようなアプローチではない。

たまに「ソンム」とかの単語がヒントになる程度。
かの有名な塹壕戦が舞台なので、
作品の大半は塹壕の中で展開する。

父親の反対に背いて、
ANZAC ″Australian and New Zealand Army Corps″(オーストラリア・ニュージーランド軍団)
に友人と共に志願する主人公(ジム・コリンズ)。

イギリス連邦の宗主国たるイギリスを助けるため、
オーストラリア、ニュージーランド、インドなど世界中から兵士が集められた。

一兵卒であるトムの苦悩を通じて、
戦争を描こうとしている。

◆知っている俳優は居ない

残念ながら、知っている俳優は出演していない。
日本国内で劇場未公開なのは、それも影響しているだろう。

だが、みな演技はしっかりしている。
髪型がいま風(イケすぎ)なのは、あるあるだ。

『パシフィック』を思い出しながら観ていた。
ラミ・マレックを知ったのは『パシフィック』が最初だった。

若い俳優がたくさん出演しているので、将来のビッグスターが埋もれているかもしれない。

◆死と向き合う

主人公は、いわゆる「いいヤツ」だ。
困っている人、弱い者を捨てておけない。

戦争中に軍隊に志願したことを含め、
そういうキャラだ。

しかし、
そのことにより?、身の回りにいる仲間たちが
死んでいく。

故郷の父も亡くなってしまう。

すべて自分のせいだと、自らを責める。
戦場に来たことを後悔する。

でも、
ちゃんと、彼のお陰で救われた命もたくさんある。

◆「祖父に捧げる」

ラストに「祖父に捧げる」と映し出される。
製作者が身内にトリビュートしたかったのだろうか。

年単位の塹壕戦となった第一次世界大戦(欧州戦線)。

「塹壕足」…別名、浸水足。壊疽してしまうことも。
「塹壕熱」…シラミ媒介の感染症。
「砲弾病」…戦争神経症のひとつ。

製作者の祖父が味わった後悔は、
友人を失くしたことだけでなく、
戦争によって齎されるすべてだったはず。

それを丁寧に描出できていれば、
(↑それを仄めかす映像はあるが、見過ごすレベル。)
ワンランク上の反戦映画になったはず。

捧げられた祖父も天国でつぶやいているだろう。
「孫よ、惜しいなあ」
☆3.0

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Haihai