劇場公開日 2025年5月16日

「真っ直ぐにひたむきに取り組むことの大切さ」かくかくしかじか Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 真っ直ぐにひたむきに取り組むことの大切さ

2025年5月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

日高の指導法は、現代的には完全にアウトである一方で、何とかの一つ覚えのような「描け〜、とにかく描け〜」と叫び続ける中で、久しぶりに「真っ直ぐにひたむき」という言葉を思い出した。

入り口は「楽しく、面白く」でもいいのだが、絵画であれ、まったく別の分野であれ、あるレベルを超えた技能を身につけようと思ったら、文字通り寝食を忘れて一心不乱に真摯に取り組むフェーズは避けては通れない。

脚本段階でもう少しだけ精査できたらより良くなったかも。大学受験や漫画家デビューのあたりの部分はもう少し突っ込んで厳しさを強調した方が、おちゃらけた部分とのメリハリがついて良かったかも知れないし、デッサン力と漫画の画力も別物扱いのままにせずに、関係ないと思っていたのにこんなところで活きてきた的な話があると日高への感謝の気持ちもより強く描写できたのではないか?とも思う。

主役の二人の演技は安定で何ら危なげはない。余計なノイズは排除して、純粋に作品を鑑賞すべき。また、脇役で登場した見上愛が良い味を出していた。でも、エンドロールで斉藤由貴の名前を見て「どこに出ていた?」と不思議だったのだが、後で調べたら仲居さんの役だった!

Tofu
おつろくさんのコメント
2025年6月10日

フォローありがとうございます!

自分も美術学校出身なんで、若い頃の黒歴史を思い出してしまいました。あれほど大好きだった絵を描くことが、繰り返しの課題になるととても辛いんです。代ゼミの東京藝大受験クラスを見学したことがあるんですが、自分よりはるかにデッサンの上手い人が二浪三浪は当たり前で、中には六浪している人もいてそのくらいの熱量が無いと生きていけない世界だと悟りました。

おつろく