「「てげー」面白くてためになる映画だ。」かくかくしかじか ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
「てげー」面白くてためになる映画だ。
先生と生徒の微妙な師弟関係が面白い。タイトルの「かくかくしかじか」とは、こんな風ないきさつがあって漫画家になりました、という意味だと思うが、「描(か)くしかない」と云う先生の教えを胸に秘めた言葉でもある。日高先生は真剣に洋画を教えようとしているが、明子は漫画家になりたいのであって、油絵を描きたいわけではない。竹刀で脅し、怒鳴りつけて絵を描かせる絵画教室が本当にあるとも思えないが、傍から見れば実にコミカルで魅力的な場所である。その姿には、日高先生のあまりに真っすぐな思いが象徴されている。日高先生はいつでも芸術に、生徒に真剣である。それに対して明子はぐうたらで、先生の期待に応えないだけでなく、本来の漫画の修行もしようとしない。要するに芸術に一身を捧げる「覚悟」がまったくなかったのだ。そんなすれ違いのちぐはぐさと心苦しさのような感じがずっと続く。
しかし東村アキコは立派な漫画家になった。「かくかくしかじか」は何とか夢をかなえることができたから描けた作品である。日高先生からどれだけ多くをもらったかという感謝と、そしていかに何もお返ししていないかという悔いの詰まったコメディである。先生が明子を気に掛けるのは、純粋に芸術の為であり、本人の為である。その打算のない心根は、今になって本当に尊いものであったことが分かる。「描けー」という叱咤に込められた厳しくも温かい先生の心を、映画の最後になって理解できて涙することとなる。
永野芽郁と大泉洋の演技が素晴らしいのは言うまでもないが、大森南朋の父ケンイチ役が面白かった。作者の少女時代を描いた、ビッグコミックオリジナル連載中の「まるさんかくしかく」に出てくる無軌道破天荒男そのままである。そして宮崎弁が面白くて、方言はずっと後世まで伝えていかなければいけないなと気づかされる。本当に色々ためになる作品でした。
東村アキコさん、映画、見ました、とてもよかったです。私も、昭和うまれで、今では、考えられない、中学、高校で、竹刀もって、バシバシ先生が、やっていた時代でした、この映画を、今の中学、高校生に、観てほしい時代とは、違うとは言え、将来は、どうしたいかの、格闘が、誰も有ると思います、ぜひ観て、ほしいです。
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