104歳、哲代さんのひとり暮らしのレビュー・感想・評価
全1件を表示
雑草は教えてくれる
クリックして本文を読む
百寿を超えた石井哲代さんの101~104歳までの日常に密着…と聞くと、老人介護や福祉が抱える課題にフォーカスするといった内容を想像するかもしれないが、本作ではそうした深刻な描写はほぼ皆無。ダジャレを言えば老いを自虐的に笑いのネタにする。驚いたのはテレビのドキュメンタリーだったら確実に字幕が入るところを、本作では要しない点。それだけ彼女の言葉が聞き取れる事を意味する。さすがに終盤では衰えを感じる描写もあるが、それでも自分の意識がハッキリしているのにもさらに驚かされた。
監督も認めているが、長寿の秘訣が何かは具体的には描かれないし、老人全員が石井さんのように重度の認知症を患わずにいられるとは限らないだろう。ただ彼女の存在は、100歳を超えても独居できる日本の福祉の今についてのモデルケースとなっている。
“雑草”をモチーフとしたブックエンド方式にしているのは狙ったのか、それとも偶然か。いずれにしても上手さを感じた。
コメントする (0件)
共感した! (1件)
全1件を表示