劇場公開日 2025年10月31日

「相手を想うばかりに拗らせた男ふたりの話」(LOVE SONG) rowoyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 相手を想うばかりに拗らせた男ふたりの話

2025年11月7日
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鑑賞方法:映画館

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最初から腹を割って話せばすぐ付き合えてハッピーエンド! なカイとソウタの両片思い→両思いの話ですが、現実はそんな簡単にはいかないもんだよ、というのがこの映画でした。

雑誌等のインタビューによるネタバレをなるべく見ずに、映画→小説→映画という流れで観ました。映画は119分という尺もあり、全部分かりやすいように説明仕切るのは難しく、観る側の読解に任せる余白がありますが、演出・演技がそれを上手く補填してくれます。私は向井さんのファンですが、主役ふたりや脇を固める様々なキャラによって、スムーズに物語に入り込めました。有名所の役者を揃えつつもいわゆる「中の人」が透けず、物語の登場人物として観られる本作は稀有です。

本作は同性愛のラブストーリーです。価値観の多様化が進んだとは言え、何だかんだで異性愛が基本ベースな現代日本の中では、同化していく過渡期のじくじくした痛みを伴った、綺麗事だけではない演出もあります。カイが高校~現代の10年も拗らせているのが現実です。多様化は今も建前だと感じます。そんな中放映前~中の各種媒体で、ここまで大々的に取り上げられるのは、やはり世の中も良い方向に変わり掛けている表れかもしれません。

恋愛以外の要素にも注目すると、タイの生活や飯テロ これがまたいい感じに話に入り込みます。タイ日共同制作ともあり、正にタイでの生活を追体験するかのようです。実際に現地に行きたくなる人も増えるでしょう。

11/7からはHELLO!MOVIEによるコメンタリー上映も開始します。主役ふたりと共にまた映画を観る予定です。楽しみだなあ。

rowoy
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