「もどかしくて切ないLOVE SONGが繋ぐ両片思いの行方」(LOVE SONG) りーーーーんごさんの映画レビュー(感想・評価)
もどかしくて切ないLOVE SONGが繋ぐ両片思いの行方
どんな年代の方にも見てほしい、王道なラブストーリーになっています。初恋がどれだけ特別なものか、人を好きになることの心の揺さぶり、ドキドキを鮮やかに体感させてくれます。ただタイの映像手法だとみなまで説明しない潔さがあって登場人物たちの感情の起伏に付いてこれるか?という所もありますが、この余白が日本映画にはあまりない作り方で私は好きでした!
好きというには淡すぎて、でも友情というには色めいてる、そんな友情と恋心の狭間のような感情がお互いに芽生えながらも、『好き』の2文字が言えないまま、6年も離れ離れになっていた森崎ウィンさん演じるソウタと突然姿を消した向井康二さん演じるカイが、異国の地タイで再会するところから始まります。タイトルに『好きと言えたら、世界は変わる』とありますが本当にその通り。
2人を繋ぐのが、カイが作った未完成のままのLOVE SONGで。このLOVE SONGの歌詞を、歌うカイを、とにかく一度映画館で浴びて欲しい。どれだけ時間が経ってもずっとお互いのいちばん特別な人はお互いのままなのに、自分の気持ちにも相手の気持ちにも臆病になってずっと抱えてる想いを伝えられないソウタと、大事なことは何一つ言葉にしないけど深い愛を持つカイが、身勝手で、もどかしい!
苦しいほど溢れる想いを歌に込めて歌ってる向井康二さん演じるカイをどうか浴びてみて欲しい…ロケーションも美しく、映像も綺麗、そしてタイの美味しいものがこれでもかと出てくるところも素敵です。さらにカイの話すタイ語の美しさも必見。伝わって欲しいけど、言葉にはできない。そんな身勝手な2人の両片思いの初恋が交わりそうで交わらない。それぞれにこの想いを伝えられない背景があって、全てが分かるとお互いの解像度が一気に上がります。なおのこと切ない。ソウタが見つめるカイの横顔もギター弾いてる姿も全部とても美しくて、でも実はカイもソウタを愛おしそうに見つめてて。目線のお芝居がとにかく森崎ウィンさんと向井康二さん芸術点が高すぎる。目に全ての感情込めてる。こんなにも目に感情が宿るのだと引き込まれます。
特にカイは自分の心情を語らないので、この映画はソウタの視点で描かれるわけですが、実はこの作品には公式ノベライズが存在しておりまして。カイの重くて深い愛が描かれているので合わせて楽しんでみるのもいいと思います!
先入観を捨てて一旦とにかく一旦観てみてほしいです
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
