「春の祭典」沈黙の艦隊 北極海大海戦 ストレンジラヴさんの映画レビュー(感想・評価)
春の祭典
「我々の真の敵はこの海の向こうにいる。聞こえるか、ベネット大統領?」
海江田艦長(演:大沢たかお)の下、独立国「やまと」を宣言した米原潜「シーバット」は、日本と軍事同盟を締結し、東京湾で補給を受けた後、ニューヨークでの国連総会出席のため北極海を航行。対する米政府はベイツ艦長指揮下の最新鋭原潜を北極海に配備し、やまと撃沈のための「オーロラ作戦」を発動する。国内では竹上首相(演:笹野高史)が衆院を解散、民事党を離党して新民事党を設立したうえで総選挙に臨む。
後半のキーパーソンである民事党鏡水会幹部・大滝(演:津田健次郎)が今回から参加。コミックスベースでは単行本9巻〜20巻まで一気に話が進行した。また、冒頭に前回までのダイジェストはあるものの、コミックスを読んでいるか、或いはAmazonでのドラマシリーズを全部観た前提で観に行かないと話について行けない。
ここまでやってくるとは。本音を言えば原作を読んでいたことを後悔した。ベイツの謎や海江田の行動、そしてニューヨーク沖でのナイアガラ作戦など、読んでいたために展開を知っていたのが却って悔しい。海江田四郎は鯨に喰われない男だが、当然だ、彼自身が鯨なのだから。それも特大のモビー・ディック。だがこの海の怪物は同時に地上の世界に平和をもたらすとされている。前回で「技術的限界」を感じ、本作も「配信でもいいか」と後回しにしていたことは私の失策である。原作民としては、映画の海江田はどこか人間くさいところがあり、もっと超人的な存在であってほしいと思うが、これも時代の変化として受け入れるならアリだろう。ただ、これからどうやって着地させるのか?後半は政治劇がメインになるので、これまでの目玉であった大規模な戦闘シーンはない。とはいえこのままドラマで全て完結というわけにもいかないだろう。全て計算したうえでの制作だとは思うが、次作でスケールダウンするのではないかという不安がややつきまとう。
グッドモーニング、ニューヨーク。
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