「YouTuber物の新しい切り口」#真相をお話しします 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
YouTuber物の新しい切り口
4月25日に封切りになった本作。当初はチラシに載ってるお2人のことを知らないことや、最近映画にも頻繁に登場するYouYuberのお話というテーマ的にあまり興味が持てなかったことなどから観に行きませんでした。しかしその後複数の友人が観に行き、口を揃えて面白いと感想を言っていて、またネットでの評判も上々でしたので、遅ればせながら観に行くことにしました。結果、意外なほど面白く、こんなことならもっと早く観に行っておけば良かったと思いました。
内容的には、全4章構成になっていて、YouTubeの暴露系番組で視聴者が順番に”真相”を暴露していくと言うもの。劇中世界では結構有名らしい殺人事件の関係者が、一般に公表されていない話をするということで、同時接続での視聴者数も100万人以上、面白いと思った人から暴露した出演者への投げ銭も3百万円を超えるなど、中々の盛り上がりを見せる番組。この1章から3章までのお話は、それぞれ個別の話であり、20分程度の短編でしたが、いずれも前半部に伏線を撒いておいて、最後にこれをガバっと回収しながら驚きの”真相”が明かされる面白さが満載でした。
ただ残念だったのが、劇中世界での番組視聴者最大の関心事を暴露することになる4章になると、映画を観ているこちらの盛り上がりは今ひとつになったこと。これは、番組司会者(岡山天音)や桐山(菊池風磨)が子供の頃に出演していたらしいYouTube番組が、劇中の視聴者にとっては非常に思い入れがあるらしいのに対して、映画を観ているこちらにとってはそこまで思い入れが感じられないことが原因でした。そのため、4章へ向けて劇中世界ではえらく盛り上がっているものの、その盛り上がりが観客席に伝わってくることがなく、また4章の内容自体も、3章までの意外性は何処へやら、展開が読めてしまう流れになっていて、最終的に尻すぼみ感がありました。
そうは言っても、総合的にみれば中々面白いお話であり、急遽観に行ったのは正解だったと思ったところでした。また、主演の大森元貴が属するMrs. GREEN APPLEの曲も、エンディングテーマとして初めて聞くことが出来、少しは世間の潮流を知ることが出来たことも僥倖でした。
そんな訳で、本作の評価は★3.8とします。