劇場公開日 2025年8月15日

「静寂で伝える、生きるということ」雪風 YUKIKAZE 6足のわらじさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 静寂で伝える、生きるということ

2025年9月4日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

斬新

戦争映画というと、身内が亡くなる、仲間が亡くなる、栄養失調など他の原因で人が亡くなる、始めて人を殺める苦しみ、ひたすら理不尽な中生きる、また、生きたことを咎められるという内容が多く、暴力的な作品が苦手な私には不向きなジャンルではあるのですが。
戦後80年、戦争を知っている92歳の祖母も認知症が進み、本当に語り継いでくれる人が減っている今だからこそ、観ておこうとの決意で拝見しました。

そうした視点からの感想としましては、
史実を一般常識レベルで知っていればわかる、
わかりやすい脚本でした。

また、竹野内さん、玉木さんという、良い声の俳優さん方を始め、荒っぽくがなるような話し方をする方がおらず、目立った悪役もおらず、ただ生きるために生きる人の姿が見られました。

多くを語らない武士のような艦長。
でも、先任伍長や乗組員の姿から学びながら
一人でも多く、一日でも長く生かすことに
精一杯生きる。

竹野内さんの声も好きですが、
語らない演技に惹きつけられました。

個人的には中井貴一さんの演じられた戦艦大和の艦長の選択が印象的でした。
そして、作品公式ページで中井さんが語られている「『戦いにいく』ことより『人を救う』ことを考えた艦はやはり生き残るのです」というメッセージこそがこの"幸運艦"から学ぶことだと思いました。

やはり戦うために作られた駆逐艦でも、故郷でただ普通に過ごしたい、家族を守りたい、根底に"人を救いたい"という想いがある"人"が乗る。
自分も仲間も、国の資源も無駄にはできない。
国がいかに愚かな決断を続けたとしても、
その国の未来を考える。

実際に上官の命令に立てつくことができたのか?
どこまでが事実かはわかりませんが。

生きることから、平和の大切さ語る語り口は私のような戦争映画が苦手な方でも見やすい表現方法でありがたいと思いました。

エンドロールもその静寂さが私は好きでした。

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