「忠実な史実を基本にプラスしてフィクション作品が生まれるのでは!」雪風 YUKIKAZE 旧カイグさんの映画レビュー(感想・評価)
忠実な史実を基本にプラスしてフィクション作品が生まれるのでは!
ノンフィクションを期待しての映画でしたが、ストーリーは良しとしても脚本・演出・時代背景の捉え方・CGの質・戦闘シーンがあまりにも雑としか思えない。素晴らしいキャストに対し失礼では? 専任伍長とは陸軍呼称で海軍では艦より上陸した際、一般的な呼称として使われ艦内では「2等兵曹」(下士官)です。映画では死去後お墓に1階級アップの「1等兵曹」(兵曹長)と出てましてそれが普通です。又専任伍長が艦長と話すことは出来ません。必ず専任士官(ここでは水雷長)史実ですと白石大尉(海軍では「だいい」S20年2月まで)がおりまして、大尉を介しての伝令・助言等になります。陸・海軍兵は全員坊主頭です、長髪はいません。船からの救助者は全員と言って良いぐらい沈没する流れた重油を沢山浴びているので、全身どろどろの真っ黒で、火傷の方も多く、被弾されたりでとても甲板からどろどろの手を差し伸べる手では滑ってしまい登ってこれない方の方が多いと聞いております。映画ではきれいな顔・歯・腕でプールみたいな波の中でのはあまりにも綺麗すぎかと思います。艦長着任集合や通常敬礼はすべて腕を広げた陸軍敬礼で、間違っています。海軍敬礼は今の海上自衛隊でも同じ狭い艦内での適用で脇を閉めて右斜め45度の敬礼です。艦上での戦闘態勢は必ず全員ヘルメット着用で、軍帽だけの行動もありえません。甲板で被弾された時は当時敵機(グラマン機銃掃射は12,5ミリ砲)から1発身体に当たるだけで体半分が引きちぎられる程ひどくそれは悲惨なものだったそうです。「専任伍長」が死去の水葬の際、艦長クラスは軍艦旗に包まれての水葬ですが、他の士官死去も含め水葬は担架と軍艦旗との間に包まれた死体を横たえ滑らせて海に葬るのが最上級の葬儀と伺っておりますが、S20年前ぐらいからはその余裕はすでにもうなかったとのことです。船名「雪風」は戦中の名で、終戦後から日本人引き上げ船になり台湾に譲渡されるまでの1年弱は横ボディーに「YUKIKAZE」と明記されました。以上等々を踏まえ基本あってのフィクションでないと意味が有りません。命の大切さ、戦争の悲惨さ、平和を大切にする意味はラストシーンのメッセージでは素晴らしいキャストの努力・演技も内容の意味が分かるだけに残念で仕方ありません。
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