「雪風が幸運艦と言われていたのは知っていましたが・・・・ よかったですよ。」雪風 YUKIKAZE takeさんの映画レビュー(感想・評価)
雪風が幸運艦と言われていたのは知っていましたが・・・・ よかったですよ。
雪風が幸運艦と言われていたことは知っていました。また雪風が沈まなかったのは幸運だからではなく、しかるべき操艦をしていたからだという話もどこかで読んだ気がします。そんな中で今回の映画を見て、とても納得がいきました。
映画の敵の戦闘機が爆弾を落とすシーンで館長はある小道具を使って落下位置を推測し、巧みに船の舵を操作して間一髪で爆弾をよけていたのです。また舵取りを操舵士に伝える際に、声では聞こえないので、蹴とばして方向を伝えていました。そんなことがあるのかと思って観た後に検索してみたら、本当の話の様でした。
雪風は幸運だったのではなく(もちろん運もあるでしょうが)艦長の鋭い直感と普段の絶え間ない練度と巧みな操作で生き延びていたというほうが真実に近い様です。
また映画で乗り組員が、非戦闘時にはみな仲良く酒を飲んでいるシーンが多く、ユーモアや思いやりがたっぷりの様子が描かれていました。実際、雪風は他艦と違って、艦内がきれいに磨き上げれられていたことに、乗りこんできた砲術の指導官が驚いたそうです。もちろん掃除が重要なのではなく、普段の訓練の練度も通常とは比べられないくらい優秀だったのでしょう。厳しい訓練・戦闘を行っているからこそ、普段は厚い信頼があり仲が良かったのだと推測します。
CGが良くないという意見が多いようですが、私は見た後にレビューを見て初めてそういわれれば、そうかもしれないなと気が付いたくらいで、観覧中はまったく気になりませんでした。逆にCGがとても優れた最近のアメリカ映画を見ても、全く感動できないので、CGの出来などは観客の感性で補えばいいことで、どうでもいいことだと思います。
最後のテロップで「本映画は史実に基づくフィクションです」と出ていましたが、かなり史実を調べて忠実に描いた作品なのではないかと思います。
ただ一つ違和感があったのは敵が発射した魚雷のスピードで、かなりの速度で動いていましたが、特にアメリカ軍の魚雷は日本のものよりかなり遅かったそうなので、あんな速度で向かってこないと思い(あの速度では避け様がない)、そのシーンだけはちょっと違和感がありました。
人間模様を描くシーンなんかは、ちょっと作り話っぽいなという感じもしましたが、ドキュメンタリー映画ではないのでそういった演出も必要でしょうと思って見ていました。
また配役の皆さんはとても上手でドはまりでした。メインのシーンではありませんが、ちょっと脇役の栗田艦長がかの「謎の反転」をしたシーンがあるのですが、栗田艦長の役の人の顔がいかにもそんなことをやりそうな顔(表情)でぴったりでした。
この映画は単純な戦闘シーンを見せる映画ではなく、その背景を含めて考えるととても楽しめる映画だったのかもしれません。単に映画の票をつければ☆4.5かもしれませんが、他のレビュアーの方の低い評価には全く同意できないので☆5つとさせていただきます。
製作に携わった方々俳優の方々、いい映画を作っていただき誠にありがとうございました。とても感銘を受けた観客もいるということは事実ですので、(私が偉そうなことをいうのも何ですが)自信を持ってください。
最後に、私は映画関係者ではなく、また軍事オタクでもありません。また映画のレビューを投稿するのはこれが初めてです。ちゃんと感動した観客もいますよ、ということを伝えたくてペンをとりました(キーボードたたきました)。
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