劇場公開日 2025年8月15日

「あくまでフィクション映画」雪風 YUKIKAZE KmPさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5 あくまでフィクション映画

2025年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

海軍軍人ヒューマンドラマであり、歴史映画ではない。実話をもとにしたフィクションとして映画を楽しんでもらいたい。
【残念な点、フィクション】
・戦史シーンは少なく、雪風が水没者を救助しているシーンばかり。歴史映画としてでなく、ヒューマンドラマとして見る映画である。
・キャストが長髪。二等水兵で丸刈りじゃないなんてありえない。そもそも二等水兵は入隊2か月後には一等水兵になるので、せめて一等水兵にすべき。
・玉木宏が演じる「伍長」という階級も「先任伍長」という役職も帝国海軍には存在しない(海自には先任伍長という役職はあるようだが)。伍長は陸軍の下士官である。分隊士とか甲板長にすればよかったのに。
・米軍潜水艦の魚雷のスピードが速すぎる。こんなにスピードはない。
・大和特攻は映画では軍令部作戦部作戦課長(大佐)役の石丸幹二が主導しているが、史実は連合艦隊司令部が主導した。いっぽう伊藤整一長官へ、不本意ながら作戦を伝える草鹿連合艦隊参謀長(中将、俳優不明)は史実に沿っていきなり登場してくる。唐突な印象である。フィクションと割り切って石丸幹二が伝える役もやればいいのに。
・士官(航海長や水雷長)が老けている。大尉や中尉なので30歳未満が適当。(機関長と主計長役はちょうどいい歳かも)
・プロペラを座礁で損傷するのは史実に基づくが、スピードは16ノットまで低下した??。そこまで低下したら艦隊に随行できない。史実は26ノットくらいじゃないか?
・第二艦隊長官(中井貴一)が雪風艦長(竹ノ内)と「君は何処の艦か?」と言って「建物の廊下」で握手するシーンがあるが、軍議で会う機会はあったので長官といえど駆逐艦長の顔くらいは知ってたのではないか。それと艦隊の軍議は旗艦である大和の中でやる。陸上の建物(鎮守府、連合艦隊司令部、軍令部)ではやらない。
【良かった点】
・水葬のシーン。これはラッパの演奏などリアルに思えた。
・ソナー室(聴音室)はリアル。

KmP
やぶれいぬさんのコメント
2025年8月21日

「先任伍長」は階級ではなく、「艦長」や「砲術長」と同じく、職名です。

やぶれいぬ