「戦後80年節目はこの想いで良いのかも知れないが、この先この幸運に頼ってはいけない。」雪風 YUKIKAZE The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
戦後80年節目はこの想いで良いのかも知れないが、この先この幸運に頼ってはいけない。
今年(2025年)は第二次世界大戦 戦後80年目にあたります。
日本参戦はアメリカハワイ真珠湾攻撃:1941年12月8日~
原子爆弾投下:1945年8月6日広島、8月9日長崎へ~
日本降伏(ポツダム宣言受諾):1945年8月14日
終戦(太平洋戦争終結 玉音放送):1945年8月15日
・大阪万博:1970年開催~
雪風 (駆逐艦):主力駆逐艦38隻の中で、当艦は唯一終戦まで生き残った艦(奇跡の駆逐艦)でその任務を終えている。
1948年5月:終戦後丹陽と改名、中華民国海軍主力艦として活躍、1966年に退役。
1969年嵐で艦底損傷、解体に着手されて1971年12月31日解体完了だそうだ。
過去古い戦争映画にはどれも あの頃日本は英雄だったみたいな、人も戦いも伝説扱いのものが何処となくあって、反戦的平和的メッセ-ジは必ず付録で付いてた様に思う。
人々は過去の想いを失いつつある現代、大事なのは残された記録自体では無くて 今一度振り返る 当時の人々の想いが大切なんだろうと、そう 感じます。
あの戦争時代に生きていた人々は 一体どんな未来を思い描いていたのでしょうか。
自分達はココまでで、もう何も出来ない・・・ だから
” これからの日本を任せたよ ~ ” ってメッセ-ジが最後にあったのでしょうね。
雪風は 戦いの中最後まで無事に任務全うし帰還した艦。
戦後80年経てこの艦のことを どういう想いで振り返るか、後世に伝えるかだと思うのですよ。単なる奇跡の幸運艦としてではダメだと思いますね。
80年経ても 今、世界では戦争している国があって。
戦争時の記憶が薄らいで来ると こう言う事態が勃発するとそう感じます。
どう見ても 兵器製造界(国)の仕掛けにしか思えなくて
兵器在庫一掃の狙いと、税金使って製造して 使う様にさせて売って儲ける。
永遠続けば国益に繋がると? そう思い込んでる輩がいるって事でしょうね。
優れた兵器開発と売買に関税なのかと。ムムムな思いです。
----------(映画の話)MC----------
寺澤一利(雪風艦長)役:竹野内豊さん
寺澤志津(一利の妻)役:田中麗奈さん
寺澤多賀子(一利の娘 海上自衛官)役:有村架純さん
早瀬幸平(先任伍長 途中で銃撃死)役:玉木宏さん
早瀬サチ(幸平の妹)役:當真あみさん
井上壮太(ミッドウェ-海戦で早瀬に助けられる)役:奥平大兼さん
伊藤整一(海軍・第二艦隊司令長官)役:中井貴一さん
古庄俊之(軍令部作戦課長)役:石丸幹二さん
有馬岩男(乗組員 砲術長)役:藤本隆宏さん ※味ある顔立ち
中川義人(乗組員 航海長)役:三浦誠己さん ※風格凄く良い感じgood!
佐々木伊織(乗組員 水雷長)役:山内圭哉さん
藤井道郎(乗組員 機関長)役:川口貴弘さん
佐藤捨造(乗組員 主計長)役:中林大樹さん
主題歌:Uru「手紙」~
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俳優陣は何方も良かったと思いますが、戦争中なので
もっとゲッソリ痩せてたり、無精髭とかあったり、もっと服装が汚れていたり
その点が気になりました。
(見ていて疑問点:)
・水葬した早瀬先任伍長、妹の所に遺骨入れの物のような木箱があったのだが
あれは遺品が入っていたのでしょうか。
水葬に使う遺体を包む箱とか国旗とかは 常に船に積んでいる物でしょうか。
また戦闘時の状況を相手に知らせてしまう事態には成らない物でしょうか。
・戦闘場面ばっかりでも飽きてしまうとは感じますが、余りにも静かな場面が多くて本当に今戦闘中なのか? そう感じるところが多いです。
やはり 何らかの効果音は流していた方が臨場感が出ると思うのですけども。
・時々出てくる 万博とか、水難救助(多賀子活躍)?とか
展開構成上 何故それ今挿入?って感じるところ幾つかありました。
最後流れのまとめで良いと思うのですが。
終盤の展開が 感動的に持って来れてないように感じちょっと残念に思います。
・宣伝チラシもそうなんですが、明るく天気が良すぎ場面が多すぎ?
もっと凝った画で構成出来ませんでしたかね。
映画でも明るい昼間場面が多く、それは撮影上 仕方が無いのでしょうけども もっと悪天候とか 船に対して大波被るとか在った方が良かったと思いますネ。
兵士救助場面も 繰り返しのアングル使用が多く、引き画が欲しい所。
最終の戦艦大和の沈没で救助ですが、あの場面も 最も活躍した場面でしょう?
艦長の独善的指揮なんですから、もっと念入りな展開画で納得させて欲しいところです。
・艦長は終始いい人過ぎる。好感はメッチャ在るが戦場ではそうは行かないと感じます。もっと一見冷酷無比な奴で、実は凄く責任感ある温かい人物と描いた方が良さそうに思います。
でも 漂流中の敵兵を見逃がす武士道精神。威嚇射撃に対して”恥ずかしい事をするな” この言動。良いこと言ってそうですが 向こうは決してそうは思ってないかも。隙があったらこの艦長は殺られていると感じます。それが戦争の冷酷さでは無いでしょうか。
(戦後100年時への期待)
・今の段階でこの様な作品を残せたって事は日本はまぁまぁ平和だった証なんでしょう。どっかと戦争(近隣諸国)やってたら こうは行かないわけで。
この雪風の奇跡に縋る姿、思いが ちょっと民意的には弱く感じます。
私なら、今の近隣国との関係性から、満州731部隊を忠実再現で映画化して国際的な世に出したいところかな。日本人が過去の日本人を知る為には我々の手で製作して感じる得る事が凄く大事だと思っています。
※中国製の”731”は 9/18公開なのかな。
ご興味御座います方は
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