「手紙」雪風 YUKIKAZE ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
手紙
戦後80年も近づいてきている中で、当時の時代背景を描いた作品が多く公開されており、今作は駆逐艦にフォーカスを当てた珍しい作品ということで気になっており、試写会にありがたいことに当選したので鑑賞。
人間ドラマを強く押し出した作品に仕上がっており、当時の雪風についての脚色はかなりされているようでしたが、人命救助をメインに動いていた船があったことに驚きましたし、基本的に良い人ばかり出てくるっていうのもとても好みで良かったです。
風向きを読んで相手方の攻撃への対処をする艦長や、行動が俊敏で頼もしい先任伍長、助けられた恩を返すためにやってきた水兵と、皆生き延びるために、そして助けるために懸命に動いているというのが伝わってきてとても誇らしい気持ちになりました。
国を救うための考えの相違でお偉い様方とぶつかるシーンはありつつも、国をなんとかして助けたい、戦争に勝ちたいと思う心があるからこその葛藤は胸が熱くなりました。
戦争映画なのに良い人たちばかりというのはめちゃくちゃ新鮮で、全員が前を向いて動いているのもとても好感が持てましたし、皆々様笑顔が綺麗なので観ていて気持ちが良かったです。
雪風がメインというのもあり、戦闘シーンはそこまで多くなく、基本的には防御のための攻撃メインなので銃撃戦はあるものの映像はそこまで変わらないので見応えは薄く、魚雷なんかも衝突のシーンをサクッと描かれるだけですし、敵の空中からの攻撃もなんだか流れ作業のような気がして物足りなかったです。
CGも海外の激ヤバ戦争ものを観ているので相対的にクオリティ高いじゃんと思ってしまうのですが、「ゴジラ-1.0.」とかと比べるとどうしても劣ってしまうなとは思ってしまいました。
万博開催が重なっているというのもあって、本作の始まりとエピローグで万博のシーンとモノローグが入るのですが、別にここはなくても良かったんじゃないかなとは思いました。
ただ当時の万博の映像を見てみると行ってみたいなぁと思ったのもまた事実です。
エンドロール後の演出はかなり好みが分かれそうだなと思いました。
意思を受け継いだであろう血縁の女性が台風で遭難している少年を助けるパートだったり、雪風の船上から観客サイドに話しかけてくる第四の壁を超えてくるパートがあったりと、堅実な作りだった雪風のパートとは打って変わって遊び心が出てしまっていたなと思いました。
こっちを応援してきた時はデップーじゃんってなりました笑
戦争というものがあった時代からどんどん遠ざかっていくなというのを強く感じるようになりましたが、こういった戦いとは別の面で戦争に挑んでいた人々もいたんだなと知るきっかけになってとても良かったです。
雪風についても詳しく調べたいなと思いました。
鑑賞日 8/7
鑑賞時間 18:30〜20:30
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