雪風 YUKIKAZEのレビュー・感想・評価
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風、薫る季節
タミヤだか、ハセガワだか忘れましたけど、ウォーターラインシリーズと云うプラモデルがありました。
戦艦、大和。
波、砕き進撃する船体が、雄壮でした。
空母、信濃。
大和と同じ船体が箱に入ってました。もうお分かりですね。信濃は、大和級3番艦を、急遽空母に変更して建設されたからです。
それに比べ、駆逐艦のプラモは、ずいぶん小さかった。確か、当時、200円でした。
駆逐艦のお仕事は、スピードを活かした魚雷攻撃。ヒット&アウェイで敵艦を駆逐します。ただ雷撃するなら、飛行機のほうが速い。山本五十六が証明すると、駆逐艦のお仕事は、対空戦闘へシフトします。
海の何でも屋ですが、当たり処が悪いと、魚雷一発で船体が砕け、数分で轟沈したそうです。
子供の頃、何気に遊んでいたプラモデルが映像化。あの頃の私は、それら一隻ごとに、どれだけの命が載せられていたのか、想像してませんでした。因みに沖縄特攻した大和、魚雷を10本以上被弾。艦命尽きるのですが、一艦で約3000名。随伴する数隻の駆逐艦に救助されたのは、300名足らず。その随伴艦に、雪風がいたような…。(初霜だったかな?。記憶違いなら、ごめんなさい。)
この手の映画は難しいそうです。理由は戦争を、美化していないか、あるいは史実と異なる描写があり、ミリタリー集団が、猛烈な批判を繰り返す。いずれにせよ、製作者の意図に関係なく、評価より批判が先行するからです。
それでも、風、薫る季節です。あの時、何があり、何が遺されたのか、そして、何が喪われたのか。御考慮願いたく存じます。
「連合艦隊」
私が大和のプラモを買うきっかけになった映画。沖縄に単艦特攻するので、史実と異なりますが、ある意味、トラウマ級の映画遺産。ご覧下さい。
「宇宙戦艦ヤマト」
第1話にゆきかぜと云う駆逐艦が登場します。残念ながら、こちらのゆきかぜは、故郷に帰ることは叶いませんでした。
かつて、このクニの未来を信じて離岸した艦船、航空機、潜水艦、人間魚雷の殆どが、未帰還です。名を残す雪風がいる一方、名を遺すことなく去ったゆきかぜも、います。
誰も、笑って死んだわけじゃない。
そのことだけは、忘れないでほしい。因みに当時、ゆきかぜは、古代艦の名称でプラモ化。100円でした。
以上、チラシと予告編を鑑賞。それを私の曖昧な記憶でレビューしてみました。星は暫定です。本編は、どうかなぁ。
試写で見たけど……プロパガンダにしてもどうかと……
終戦時期あるあるのおためごかし。
海軍式制裁すら描けないなら、そもそも海軍を映画にしようとするな。
とりあえず今覚えてる問題点
・1970大阪万博の映像差し込んで、登場人物が雪風艦長に雪風の最期を語っている……かのような演出で始まるが、寺澤のモデルになった寺内艦長は1978年没なので雪風の解体も当然知ってる。
・雪風を大破解体ではなく、沈みましたと明言。現実では台風で大破し解体しただけなので沈んでない。不沈艦への冒涜。
・ミッドウェイで三隈の生存者救助を、本来関わってない雪風だけがやっていたような演出。史実では随伴していた朝潮と荒潮が担当。
・赤城と加賀がほぼ隣り合わせで燃えてる。そんな近かったらぶつかるわ。
・CG予算がないのか、戦艦や空母や巡洋艦達の沈没が報告書読み上げだけで語られる演出。
・艦長に楯突くもお咎めなしの先任伍長。最低でも鉄拳制裁の後営倉行き、悪ければ軍法会議。こんな艦で戦えるわけが無い。現代的価値観を持ち出すな。
・意味もなく出てくる先任伍長の妹。女の子出しとけば泣けるやろ演出サムい。
・特攻は人道に反するという話を、出現中の艦内で突然語り出す雪風艦長と先任伍長。現代的価値観を持ち出すな(二度目)。
・戦闘機の機銃掃射を受けて腕だけ取れて死ぬ先任伍長。チタン合金で出来てんのかこいつの体。
・それ以外ほぼ死体の映る場面なし。誰も死んでない雪風。
・和気あいあいと常に笑顔溢れる、仲間割れも制裁も皆無な駆逐艦内。ボーイスカウトかな?
・集まって燃えてる西村艦隊。ボーイスカウトなだけにキャンプファイヤーかよ。艦隊作戦どうなってるの?
・一度この反転し(史実)、そのまま再反転しないで消えていく栗田艦隊。栗田ターンって更に悪化出来るんだ……。
・レイテで雪風の魚雷に大破させられる護衛空母。(恐らく沖縄戦でのバンカーヒルのオマージュだけどそれをやったのは特攻隊)
・戦果がないかのように無駄として書かれる特攻隊。もちろん史実では多少の戦果を上げている。
・横転せず、艦橋付近が爆発して吹っ飛ぶ戦艦大和。何が爆発したの?
・先任伍長以外誰も死んでないかの様な演出してんのに、「戦後の君たちへ」のメッセージを語り出す雪風乗組員。お前らも戦後生きてるだろ。
サムい演出と、現代的価値観の押し付けと、和気あいあいボーイスカウトななんちゃってコスプレ海軍ごっこだった。
試写会でよかった。タダだからね。
正直この演出が、表現規制と自粛に凝り固まった現代の限界なんだろうね。
だったらもう無理して作らない方がいいと思う。
映画的演出は理解するけど、ここまで酷い史実のねじ曲げは、英霊達への冒涜に他ならないと思う。
だって、歴史というのは、生きていた誰かの人生なのだから。
良かった点?
犬と猫は可愛かった。
自衛隊全面協力のリアルな護衛艦ストーリー
ムービーウォーカー様より最新映画 雪風YUKIKAZE 特別試写会に招待いただき先行鑑賞しました
主題歌やキャストも公開前から話題作
楽しみにしていました
壮大なスケールで描かれる史実に基づいた最大級の感動巨編
メガホンを撮ったのは
「空母いぶき」で助監督を務めた山田敏久監督
主演は竹内豊さん
他豪華キャスティング
主題歌はUru
ザ・日本の歴史映画という古き良き作風
堅実で安定感のある作品
当時の映像や写真などモノクロ写真がリアルさを感じます
日本の戦争映画というと、悲惨な戦況や死にゆく兵たちの姿をドラマチックに盛り上げる悲劇的な作りが多い中、この作品は 戦争映画でありつつも戦闘シーンなどの描写もないから比較的鑑賞しやすい
当時の写真などドキュメンタリー描写もあって
戦争映画の堅実で深く重みのある内容だけど
戦争映画の血生臭感はない、ヒューマンストーリーさが際立ちました
護衛としての役目を果たす駆逐艦「雪風」
最後まで救い出す彼らの生き様を雪風隊員目線で描かれています
戦時中日本の様子を実直に描かれた作品でした
Uruの主題歌も良かったです
信念と葛藤が織りなすリーダーシップの物語
戦争映画というと少し構えてしまいますが、本作は「リーダーシップとは何か」を静かに問い直す時間となりました。
先任伍長の早瀬(玉木宏)は、明るく朗らかな兄貴分でありながら、任務には真摯に向き合い、時には上官にもしっかり意見を述べる存在。艦長の寺澤(竹野内豊)は、静かな威厳を持ちつつも葛藤を抱える等身大のリーダー。そして伊藤長官(中井貴一)は、日本の未来を託すため、自ら命を賭す覚悟を決めていました。
この3人に共通するのは、立場や性格は違えど「信念」と「希望」を持ち続けていたこと。だからこそ、周囲の信頼や覚悟を引き出し、組織が動いたのだと感じます。
特に印象的だったのは、部下が上官に意見を述べるシーンが多く描かれていた点です。
太平洋戦争当時の日本海軍は、現場の判断や建設的な意見を尊重する文化があったことを知ると、よりリアルに感じられました。
この「意見できる関係性」は、現代の職場や家庭にも欠かせない視点だと思います。
雪風の乗組員たちは、それぞれの個性が役割に生き、強いチームワークを築いていました。
日常の中で誰かと協力し合うことの尊さを、改めて思い起こさせてくれます。
一方で、終盤に絡む万博や戦後の描写はやや説明的で、映画の余韻を削いだ印象もありました。エンドクレジットの音楽の持つ余韻の大切さも改めて感じました。
伊藤長官が率いた戦艦大和は、実際に片道燃料の特攻作戦で沈み、多くの命が失われました。
その苦渋の決断と葛藤を背景に持つからこそ、映画のセリフや登場人物の心情に重みが生まれているのだと実感します。
“信じる”こと、“託す”こと、“支える”こと。
肩書きではなく、人としてどう在るかを深く問う作品でした。
駆逐艦雪風知ってればですが
戦争の頃の歴史を多少知ってれば楽しめますが
なんか脚本は何とかならなかったのかなと着色とか尾ヒレは必要ですが
ハズレてるかな残念
最後は口あんぐりになりました正直余計な尾ヒレが残念でした
雪風が運ぶ、強さと優しさ
たまたま試写会の情報を見かけ、ご縁があって鑑賞することができました。
事前にはあらすじを軽く確認した程度でしたが、「雪風」という存在を知ることができて、本当に観てよかったと思える作品でした。
エンドロールが流れる中、劇場に満ちていた静けさが、この映画の余韻を象徴しているようでした。
作中でも随所に「静けさ」が効果的に使われていて、それがかえって登場人物たちの想いや、場面の緊張感をより強く印象づけていました。
戦争を描いた作品の中でも、この映画はどこか他とは異なる「温度」を持っています。
セリフでは語られない想い——「どうして戦争なんてしているんだろう」と問いかけるような、登場人物たちの表情がとても印象的でした。
「生きて帰る」「生きて還す」という願いの強さが、静かに、けれど確かに胸に響いてきます。
優しさと強さを併せ持つ彼らの姿、そして明るい未来を信じる気持ちに心を動かされました。
「雪風」、そして艦長・寺澤一利、先任伍長・早瀬幸平——
彼らの姿は本当にかっこよかった。リーダーシップとはこういうことなのだと、深く感じました。
海戦もの、伝記もの(主人公名が寺内正道さんでは無い)、海難救助もの、どれも中途半端で、何とか取り繕った様に感じた🌊
マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦、栗田ターン、坊ノ岬沖海戦(大和の沖縄特攻)が描かれている(みたい)ですが、戦場を俯瞰で映す事は無く、どの戦闘も操舵室の号令シーンと対空砲の稼働を観ているだけで、艦隊戦を観たい方にはお勧めできません。戦況は若者のナレーションで説明します(中井貴一さんがいるなら、中井さんのナレーションの方が良い気がしました)。かと言って海難救助ものかと言えば、徹底して描く訳でも無く違いますし、中途半端な印象です。台詞の「ミッドウェイ」のイントネーションが違う気がします。艦長がハッチから顔を出して、目視と三角定規で爆撃位置を予測して、操舵者を蹴って回避を続ける有名なエピソードは、台詞で説明するだけで映像の中で神憑りに避けていく様を映像で観せるのは諦めた感じでした。他の艦の乗組員が雪風の塗装を剥がして、お守りとして持ち帰ったエピソードはありません。海難救助映画でも無いので、終盤の現代パートは蛇足に感じました。歌を流してから波音のエンドロールを流しますが、歌の時にエンドロールを流して欲しいですし、ダラダラとして余韻も何も無いので苛つきました。竹野内さんより玉木さんの方が人間味のある話し方なので、今回は玉木さんを艦長して救助しまくる映画の方が個性が出た気がします。戦争の悲惨さも特に感じず、昨今の政治経済を反映した映画だと思いました。良かったシーンは特攻機に向かって頼んだぞーと手を振るシーンと、あと當真あみさんが可愛かった事です。あまりにつまらないのですが、もしかしたらADの山田さんに押し付けて、本来の監督は逃亡したのではないでしょうか。主人公の名前は寺内正道さんのはずですし、所謂アラン・スミシー的な産廃では無いでしょうか。
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